「先輩ッ…あの、俺…………………」
「え?どうしたの?ニコッ」
とある 男子校の 先輩 と 後輩 のお話__
>>2
有岡大貴・・・とある男子高校の1年。
中学の頃はたらしだった。
伊野尾慧・・・大貴と同校の2年。とにかくモテる。(男子に
山田涼介・・・大貴の中学からの親友。
知念とデキていて、超デレデレ、そのせいかモテなくなった。
知念侑李・・・大貴の中学からの親友。
涼介とデキてるが、モテる。でも涼介以外に興味はない。
JUMPメンバーは他にも出すかも
やまちねはサブでちょいちょい出していくつもりです…
side…daiki
「やべっまた遅刻!!」
俺、有岡大貴はとにかく朝が苦手。
高校に入ってからもう1か月たつのに、未だに朝起きれないのが悩み。
というわけで、今日もいつものように駅から学校までの道のりを全速力で走った。
そして校舎へ入り、4階に向かって階段をかけ上がっているときだった。
ドンッ
「「ワッ!!」」
「ごっ、ごめんなさい!!」
「痛ぁ…ッ、んまぁ、大丈夫だよ…」
痛いのか大丈夫なのかどっちだよ。
そんなことを思った俺の目線の先にいたのは、とても綺麗な女…いや、男。
ふわふわのキノコヘアに、ぱっちり二重なのに、どこか眠そうな目。真っ白な肌に華奢な身体。
名札の色からすると、2年生。先輩。
「ほんと、すいません!では」
「待って」
俺が急いでるのは多分分かっていただろう。それなのに呼び止めるなんて、意地悪な先輩だ。
「え?なんすか?」
「名前…教えて?」
ニコニコしながら名前を尋ねてくる。
「1年の…有岡大貴です…」
「ふぅん、俺、2年の伊野尾慧。よろしくね」
それだけ言うと、伊野尾先輩はどこかへ走っていった。
それにしても、綺麗な顔だったなぁ。ほんと、女の子みたい。
キーンコーンカーンコーン
わ。やべ。鳴っちゃった。。。
ダッシュで教室へ向かうと…セーフ。まだ先生は来ていない。
「おはよ、大ちゃん。また寝坊?」
知念だ。
「おはよっ、きょ、今日は別に…寝坊じゃねーし!」
「おっ、じゃあ電車の中で美少女と運命の出会いとか…?」(ニヤニヤ
「いやいやっ、そんなんじゃねーし!」
「そっか!大ちゃんは俺のこと大好きだもんねー?」(ニヤニヤニヤ
「いやっ、なわけな…「おい、俺の知念だ…………」
「おっ山田おはよ〜!相変わらず一途だなぁー」
「とぼけても無駄だ。お前、知念に何を………」
「涼介!!今のは僕が悪いの。僕が話しかけた。ごめんね?」
チュ……
二人は触れるだけの軽いキスをした。
「もッッ…/次から気を付けろよ……」
「はぁ〜いっ!」
これで許しちゃうんだから、山田はやっぱ単純だ。
別に男子校だからこんな光景はよく見る。いやというわけでもない。
寧ろ俺もこっち系。
でもこの二人の世界には、入れそうもないし、入りたいとも思わない。
だとしても、鑑賞する分には質の良すぎるカップルだからと見惚れてたら、やっと先生が来た。
俺が急いでいた意味はなんだったんだろう。
「すまんね、今日はちょっと打ち合わせが長引いて…では、HRを……」
そんなこと正直どうでもいい。早くHR終われ。
ガヤガヤ
HRが終わり、皆それぞれ散らばる。
俺は山田と知念と話していた。
すると、
「有岡く〜〜ん!!僕だよ!僕!」
廊下からどこかで聞いたことあるような声が聞こえた。
「えっ………?」
「ふふ。ちょっと話したくて来ちゃった。」
伊野尾先輩。何で俺のクラスしってんの…?
「友達にさ、有岡君のこと聞いたの、そしたら偶然知っててさ!クラス教えてもらった!!」
エスパーか?と疑うほどピッタリなタイミングで俺の心の中の問いに答えてくれた。
「で…何の用すか?」
「ふふっ、冷たいな〜。話したくなったって言ったでしょ?」
そうかわいく言いながら萌え袖をする先輩は、本当に女の子のよう。
ちょっとドキッとした。
「なに?その目…もしかして、俺のこと好きになっちゃった?上目遣いなんてしちゃって〜」(ニヤニヤ
「いや、それは身長的に仕方ないですよね…」
華奢とはいえ俺よりは背の高い先輩。
それにしてもおもってること全部ズバッと言い当ててくれちゃう伊野尾先輩、ホント何なんだ?
なんかすっごいカワイイし、普通の人とはなにか違う気がする…………
side…kei
ドンッ
「わっ!すいません!!」
「痛ぁ…ッ、んまぁ、大丈夫だよ…」
やっぱり俺はついてない。
ちょっと4階に用があって戻ろうとしたら、この様だ。
上にいこうとしてるから、多分1年。
可愛い。そして並ぶと、俺よりも少し小さい。
よくわからないけど、ちょっと気になるわ、この子。
「待って」
俺が呼び止めると、彼は嫌そうな顔をしながらも、「なんすか?」と返してきた。
「名前…教えて?」
「1年の…有岡大貴です…」
ふぅん。有岡くんね。
それから俺はテキトーに自己紹介して教室へ戻ったから、その後彼がどうしたかは、まったく知らない。
「ねぇ〜雄也!1年の有岡大貴くんって知ってる?可愛い顔したちっちゃい子」
後ろの席の雄也にとりあえず、あまり期待はせず、そう聞いてみた。
すると、意外な答えがきた。
「あぁ〜、有岡くんね。知ってるよ」
「え!なんでしってんの!詳しく教えて!」
ついがっついてしまった。まさか雄也がこんな手柄を果たすなんて。
「う〜ん、確か2組。てかさ、有岡くん純粋なんだから、変に手出すなよ」
「もー、分かってるよ!!」
そう言いながら雄也の肩を叩くと、ちょっと嫌そうな顔。照れてんのかね、かわいい。笑
「あれっそういえば先生は?」
ガラガラッ
「遅れました、すいません〜、じゃ、HRはじめまーす」
噂をすれば現れた先生。それからHRを終えると、俺はすぐさま1年2組にいった。
「有岡くーん!僕だよ!僕!」
恥じらいを捨て、そう叫ぶと、小さな頭がひとつ、こちらに向かってきた。
「えっ…?」
予想通り、困惑してる。可愛いねぇ〜。
そして俺は特に目的はなく、クラスは友達から聞いたと伝えた。
しかし有岡くんは相変わらず冷たい。
「で、何の用すか?」
「なに?その目…もしかして、俺のこと好きになっちゃった?上目遣いなんてしちゃって〜」
敢えてのデレデレ。それでもしぶとい有岡くん。
「いや、それは身長的に仕方ないですよね…」
そのとき、ほんのちょっと、彼の瞳の色が変わった気がした。そして、僅かに動揺しているように見えた。
これは、いける気がする…ニヤッ
よし、決めた。階段でぶつかるなんて、運命だし。
待ってろよ、有岡大貴。