京都の大学に編入?(この国ではそういうらしい)する事になった。
と言っても、暇だし、学校に行くくらいしかできることもない。
カツン、カツンと、私のブーツのヒールの音が響く。この大学はいいところなのかしら…
でも、外国人だからと言われて避けられたり…って、
いやね、私ったら初日から不安や弱音ばかり…それに日本をもっと知るにはいい機会よ…
ごくっ、とツバを飲み、ガチャリ、とドアノブを回し、ドアを押す。
目の前に広がるのは、長い白い机にパイプ椅子。それに座る多くの生徒。そして生徒の視線の先には、
大きな黒板が広がる。すると、先生と思われる人物の手が私の方にヒラヒラと振る。あぁ、私を呼んでいる。
私は、ふぅ、と息を吐き、木でできた床を歩き、黒板の前に立つ。大勢の視線が私に刺さる。
私は覚悟を決めていった。
「ま、マエリベリー・ハーンです!趣味は、えと、(ええい、テンパるなマエリベリー!読書です。よろしくお願いします!」
言えたぁ…。
はい、といって先生が指差したのは、窓から二番目の席。
話すこともなく、会釈だけして指定されて先へといく。
あ、挨拶とかしたほうがいいのかしら?
わたしは、よろしく、そう声をかけようとした時、
びっくりした。寝ている…
その少女は黒いハットを深く被り、眠っているのを隠しているようだった。
少々呆れながら、隣はこんな人なのか、と思った。
すると、先生が鋭い声で
「宇佐見!!またお前寝てるのか!?」
その声に反応したのか、ハッと起き、
答えた。
「いえ、瞑想ですっ!!」
なんだその答え。
でも、隣の居眠りさん宇佐見って言うのね。
にしても、日本はよくわからないわね。
あ、サークルとかもあるのよね。
決めないと。
そう思いながらサークルのポスターを見ていた。
すると、後ろから弾けるような明るい声で、サークルまだなのッ?
そう聞こえた。声の主は先ほどの居眠りさん。
皮肉を交えて、
「そう、まだなの。貴女は…瞑想で忙しいものね…」
そう言ってやった…すると、
あはははっ、見てたー?
そう笑う彼女に見とれてしまった。まるで子供のように夢や希望を信じている…そんな真っ直ぐな目をして笑っていた。
私の異変にやっと気が付いたのだろうか。あれ?
と声をかけてきた。
「オカルト部に入らない?私部長なんだけどさぁ、部員が1人もいなくって。せっかく手にいれた部室が無駄になっちゃうよ。」
話を聞いていて疑問に思った点を聞いた。
「…部室を手に入れるぅ?どうやって?」単純だが、それが聞きたかったのだ。私は。
「簡単よ。1人ゴーストバスターズ!!ってとこかな?」
「いやね、今の部室って、元生徒会室なんだけど、幽霊がいるって嘘ついてパパッと退治するまでの言っちゃえば
茶番?をしたらもらえたのよ。」
…それありなの?…茶番って言っちゃってるし。
でも、とっても面白い人。このサークルでもいいかなぁ。そう呟いた時、私の入部が決まったらしい。