小説板に建ててたんですけど二次創作の方に当てはまるという事
だったのでこっちに立て直しました
乃木坂46さんのドラマ仕立てのMVを小説にしようと思います。
自分なりの解釈なのでよく思わない所とかがあったらごめんなさい
※荒らしと批判は控えてもらいたいです
《帰り道は遠回りしたくなる》23枚目表題曲
プロローグ
−運命には分かれ道がある−
「やばい、遅れるーー」
いつもと変わらない朝。
草木はまだ青い葉を茂らせているが、半袖でいるにはもう肌寒い。
もう少しすれば、葉は赤くなり、散ってゆくのだろう。
バス停までの道。
特別綺麗だというわけではないが、
行き交う車、そびえ立つ建物、堂々と立つ木。
スケッチ欲をそそられる。
時間に余裕があったらスケッチするために立ち止まっていただろうが、
今はそんな余裕はない。
バス停に向かって走る。
バスはもう来ている。
間に合うか、間に合わないかーーー
1、
「間に合ったーー」
バスに飛び乗る。
「七瀬、遅かったね」と同級生達が身を乗り出す。
バスは、私を待っていたかのように、私が乗った瞬間に扉を閉め、出発した。
部活の時間。
美術部に所属する私はいつものように、黙々と紙に鉛筆を走らせる。
ふと周りを見ると、同じく美術部の祐希とみなみが
デッサン用の白菜やらなんやらで遊んでいた。
思わず頬が緩む。
沙友理も美彩も美月も、みんな笑っている。
昔から絵を描くのが好きで、それが理由で美術部に入った。
人見知りだった私は、友達と一緒に遊ぶとか、そういう事を
しなかった。絵を描くことでしか本当の自分が出せなかった。
でも今では、こうやってみんなとワイワイしながら絵を描いている。
友達とワイワイしながら描く絵はこんなに楽しいんだ。
私は部活が大好きだ。
笑いながら、私はまた紙向き合い、鉛筆を走らせる。
2、
「間に合うかもっーー」
私は走る速度を上げる。
バスまであと3歩。
「よかった、間に合っーー」
ドスッ
体に鈍い痛みが走る。
気付いた時には私は派手に転んでいた。
「メガネが…って!」
そんなことを気にしている暇はない。
私はバスに飛び乗ろうとする。
が、乗ろうとした寸前にバスの扉は閉まってしまう。
そのまま行ってしまうーーーー
メガネはヒビが入っていてもう使えない
仕方がないので遅刻を覚悟で次にバスを待つ。
待っていると、知らない男の人から声をかけられた。
「マネージャー新人開発スカウト担当 岡本祐樹」
もらった名刺には、そう書いてあるように見えた。
名刺と一緒にもらった一枚の紙。
アイドルのオーディションについて書いてあるそうだが、
メガネがないのでよく見えない。
急に声をかけてきた知らない人に少々の不信感を抱きながらも
バスが来るまでの間、私は紙を読むために目を凝らした。