タイトルにある通り、これから始まるのは平凡極まりない私の日常生活をただ書き記しただけの無意味な日記。
自己満足にも程遠いつまらないだけの内容となる予定ですが、それでも覗いて下さるという方は、暇つぶし程度に御覧下さい。
では、次から開始とさせて頂きます。
>>4 全自動SS投下機械さん
こんなお目汚しにしかならないであろう文章が長々と綴られた日記をわざわざ読んで下さって、有難う御座います。
ポロリ・・・ですか、そうですね。何をポロリすればいいのか分からないので的確なポロリは出来ませんが、ポロリを『恥を晒す』という意味に捉え、ここは小学六年生当時の私が書いた小説とも呼べぬ短い駄文を上げておきましょう。
五歳の誕生日。
生まれて初めて母に貰った誕生日プレゼントは、身体に押し付けられるタバコの火だった。
「五歳の誕生日おめでとう、○○」
母さんが私の事をなんと呼んでいたのかは、もう忘れてしまった。
確か、愛だったか望だったか優だたっか。そんな陳腐でどこにでも有り触れた夢みがちな名前だった気がする。
でも私の名前が花子だとか明子だとかそういう時代錯誤した古めかしい名前だったとしても、私は別にどうだっていい。
だから私は、私の事を母がそう称していたように自分を「化け物」と呼ぼう。
「貴方が私の子として生まれてきてくれた時、私は本当に嬉しかったわ」
まるで蛆虫でも見ているような嫌悪に溢れかえった瞳で、母さんが私の事を愛しげに緩慢な動きでぎゅっと抱き締める。
予想以上に強い力だったのか、私の細い両手がミシミシと嫌な音をたてて軋んでいた。
しかしそれでも母の力は弱まらず、まるで「もっと壊れろ」とでも言うように更に力が増していく。
叫んだかどうかは覚えていないが、押し付けられたタバコの火の熱さを忘れるくらいには痛かったと思う。
「母さんって呼ばれた時は『何でこんな化け物にそう呼ばれなくちゃならないんだろう』って、あまりの気持ち悪さに自分の耳をそぎ落としたくなったんだけど。でもそんな事しちゃったら私が痛いし、貴方みたいな化け物が原因で私が傷物になるなんてそんなの屈辱でしょ?だから代わりに貴方の喉を潰そうと思って熱湯を注いだんだけど、泣き喚くだけで喉は全然潰れなかったの。本当、少しくらいは私の思いを理解してさっさと潰れてくれたらよかったのに」
剥き出しの肩に食い込む、赤いマニキュアで塗られた母さんの長い爪。
でもそんな痛みは今更で、何の反応も無くただただ私は無表情で母の呪詛のような調子で紡がれる言葉を黙って聞いていた。
「私の血が混じってるんだから、マトモな子が生まれてきてくれるって思ってたんだけどね。そんな訳無かったわ。もしも貴方が私にソックリだったら、私は貴方を愛せたかもしれないのに。でも貴方には私を離れて他の女なんかと出て行った、あの人の血が入っているんですもの。あの頃の私は純粋で真っ白で……三百万も貢がされても、全然可笑しいなんて思っちゃいなかったわ。それなのにあの人ときたら、私にもうお金が無いと分かるなり私を捨てて……!」
昔の男―――確か、本来は私の父になる人物だったらしい―――を思い出しているのか、力の強くなった母さんの腕は私の腕をポッキリと折った。
でも、やっぱり私は叫ばなかった。
肩に食い込む爪の方が痛かったのか、押し付けられたままのタバコの火がまだ熱かったのか、それとも他に何か理由があったのか。
とにかく本来なら泣き叫んで喚くべき怪我を負っているのに、私は顔をしかめる事もなくただただ母さんの髪から漂ってくる安っぽい香水の香りに溺れていた。
「もうあんな人の事は忘れて、他の男ともう一度恋に落ちようと思った矢先よ。貴方がお腹の中にいるって分かったのは!はっきり言って、初めは降ろす気満々だったわ。だってあんな男の血が半分以上も入っている子供なんて、あとの半分が私の血でもロクな奴が生まれないって分かりきってるんですもの。・・・ソレでも、私は貴方を生んだわ。何故だか分かる?」
視線を虚空で彷徨わせたまま、私は答えない。
「答えは、ストレス発散よ」
ブチィッ。と、食い込んだ母の爪が私の肉を引きちぎって離れていく音。
それでも私は無表情。無意志で無感動な、人形のような伽藍堂な無表情のまま。
「そのまま降ろして何の苦痛も無い人生を終えさせるより、意地でも生んで貴方に苦痛に満ちた人生を歩ませたかったの。そうすれば、少しは私の気も晴れる。あの人の為だけに費やした私の青春時代が、報われるのよ・・・。だから、私は貴方が生まれて来てくれたとき本当に嬉しかったわ」
「その嫌味なくらいに整った顔も、抉り出したくなるくらい綺麗な瞳も、人の神経を逆撫でするくらい透き通った声も、剥ぎ取りたくなるくらい真っ白な肌も」
のろのろと重々しく立ち上がった母の足が私の頬に飛んできて、私の軽い体はボロボロの砂壁に叩きつけられた。
頭がぼーっとする。錆の味がする口の液体を飲み干したら、吐きそうになった。
「みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな!!!アイツにそっくりだったのよ!うずうずして仕方なかった!早く貴方を殴りたくて蹴りたくて切り刻みたくて踏み潰したくて、でも生まれたての貴方にそんな事をしたらすぐに死んじゃうから、代わりに醜く泣き喚く貴方を力の入らない手で必死に力強く抱きしめた!!
そしたら貴方はピタッと泣き止んで、私に笑顔を向けたのよ!嗚呼、そんな表情まで本当にアイツそっくり!!!腹いせに貴方の視界をふさいでやろうとして目を塞いだら、貴方ったらきゃっきゃっなんて楽しそうな声で喜ぶんですもの。その瞬間思ったわ、やっぱり貴方は化け物なんだって!」
壁に凭れ掛ったまま力無く咳き込む私の腹に、踏み躙るようにして置かれる母さんの足。
霞む視界の中に薄っすらと浮かび上がる母の顔は、滲んでいてよく分からない。
「あれだけの悪意を私に向けられて、貴方は喜んだ!きっと自分がこれからどんな人生を歩んでいくのか理解して、溢れかえるその苦痛を幸せだと勘違いしたのね!嗚呼、馬鹿なところもアイツそっくりよ!」
・・・きっと小学六年生当時の私がここで飽きたのでしょう、この続きはノートに書いていませんでした。
しかし、やはり昔の作品を読み返すというのはどうにも恥ずかしい事ですね・・・。
テーマには『暴力』と書かれていたのですが、これだとどう考えても『虐待もしくは母親の歪んだ愛情』にしかならないでしょう。
乱文失礼致しました。ちょっと今から昔の私に自害を申し付けて参りますので、これにて指を休めさせて頂きますね。
【2010年 9月20日 月曜日】
・・・私が飽きっぽい性格であるという事は自分でも重々に理解していたつもりでしたが、まさかこれほどまでに間を開けてしまうとは我ながら予想外の状態でした。
もう二年もやっている部活動なのですから、流石に慣れろと自分に言いたくなりますが・・・根はインドア派な私はやはり体力不足らしく、いつまでたっても運動部の練習を楽に感じません。
今日も午前の時間は部活で潰れ、午後は只管に惰眠を貪る不健康なのか健康なのかよく分からない一日。
明日は三日ぶりの学校と考えると、嫌にもなりませんが嬉しくもないというこれまた微妙な心理状況。
あまり遅くまでPCを弄っていては低血圧な私は早起きできませんので、今日もこれにて終了とさせて頂きます。
では皆様、どうぞよい夢を。