我路

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1:朔:2021/04/26(月) 16:23

備忘録をつらつらと

2:朔 hoge:2021/04/26(月) 17:18

高校からの帰りに、アパートの躑躅を撮ろうとした。
地元は躑躅の名所だった。この時期になると、広い公園が一面紅色に染まる。躑躅、と言うと街路の低木に咲く派手なマゼンタの花弁が目立つが、自分は赤色のものが好きだった、と、ふと思い出す。とはいえ、地元に住んでいた頃にはその公園に頻繁に通っていた訳でもなく。しかしこの時期になると、唯漠然と、暖色に盛り上がった輪郭が脳の奥の方に浮ぶ。
躑躅の蜜を吸ったことが1度だけある。母が、「小さい頃にはよくこうやった」と、散歩の足を止めて花をちぎって見せてくれた。幼かった自分には、綺麗な花を捥いで吸う蜜は、ちょっとした背徳感の味がした。背徳感はいつも決まって甘ったるい、などと気障な言葉を書き連ねたり。
そういえば、蓮華躑躅には毒があるらしい。羊が立ち眩み死んでしまう程の毒。故に「躑躅」。紅色の美しい花に付ける名にしては、少し無粋ではないか。
さて撮ろうかとスマートフォン越しに花を捉えると、それらはもうすっかり萎れていた。


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