ファンタジー系の小説やイラスト、キャラや世界観の設定を見せ合うアンソロジースレ!
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>鷹嶺さん
どもども( ´∀`)
新スレ用に、悪魔+神+人間が関わる物語をなんとなく考えたりしているのですが…ちょうどプロローグのようなものが書けたので落としてもよいでせう?
>>2
(どうぞご自由に)
其の壱.
物語の悪魔と叡智の魔女
大昔、星を覆い尽くす大海原の上に、ひとつの箱庭がありました。海原の青と、空の真白の狭間に浮かぶ箱庭では、総ての生命が等しく神として暮らします。死のない世界では天に星が昇らず、朝も夜も存在することのない概念でした。
──『禁断の果実』より
次の頁は白紙だった。幾千にも綴られた文字と無機質な白は、区切りがよく丁度半分のところで隔てられている。未だ終わりがないこの物語を何遍も読んでしまうせいか、文字を追うより先に続きが浮かぶようになった。やはり今日も変わりない。「新たなる世界を。」最後の一節を読み終えて、静かに本を閉じる。
「グリモワール、私を呼びましたね」
「さあ、呼んだつもりはないけれど」
「では、あなたの好奇心が呼び寄せたのでしょう」
「唯一腐ることのない感情だからね」
「グリモワール、あなたは知っていますか?」
叡智の魔女は語る。
「なぜ空が色づくのか」
「なぜ星が昇るのか」
「なぜ箱庭が崩れ去ったのか」
「なぜ、天が地に落ちたのかを」
「愚問だね」
「あなたは知りうるでしょう」
「物語の続きは?」
「はい、グリモワール。私は叡智のすべてを知りました。この世に私の知らないことはありません」
「しかし、それではつまらない。あなたが物語に浸るように、私には叡智がなくては生きられない」
「それなら、どうするのかな」
「グリモワール、私は新たなる世界を創ります」
「回り巡る星座や、地に落ちた天や、空に鎮座する人の世がどのように創られたのか、言葉にするのは簡単です」
「退屈なのですよ、グリモワール」
天より深く、星の核に生きる悪魔。魔の世界の上には未だ知らない物語が溢れている。叡智の魔女の姿はない。どこまでも整然と並ぶ悪魔図書館の本棚へ、ボクは『禁断の果実』を戻した。