区切りのいい15までいったよー
>>1000をとるのは誰だろうね?笑
〜ルール〜
・入る時は必ず敬語で、了解が出てから入ること
・荒らし、喧嘩、仲間外れはやめて下さい
(荒らしは無視)
〜入れる条件〜
KZを愛する、常識のある人
このスレは、以下の3つのスレと連動しています。
________________________________________
『 スレッド無駄に多いやつあるよなw』https://ha10.net/kz/1473695951.html
解説:このスレでは、KZ板の課題である、スレ羅列防止対策や、KZ板の雰囲気を良くするための、
「KZ板大憲章」制作を行っています。
なお、「KZ板大憲章」の話し合いは、>>36から始まります。
『*KZ板深夜メンバーの寝室*part9』https://ha10.net/yy/1487604639.html
解説:このスレは、KZ板のどこのスレにいるか関係なしで、KZ板にいる全員が
入れるスレです。ここのスレ以外のスレでも、ドンドン宣伝してくれて構いません。
なお、このスレは>>1を見れば分かりますが、18時〜6時の間しか書き込んではいけません。
『分かれの季節でも前を向いて歩んで行くKZloveなGirlsの専スレ Part16』
https://ha10.net/yy/1487691480.html
解説:このスレはここのスレに入っている人限定の専スレです。
(スレタイの“分かれ”は気にしないで下さい...。打ち間違いなので。)
なお、*KZ板深夜メンバーの寝室*part9と、
分かれの季節でも前を向いて歩んで行くKZloveなGirlsの専スレ Part16は、
雑談スレです。
なるべく、ここのスレではKZに関係の無い話は避けたいので、
伝えたいことや、言いたいこと、別のアニメ、小説、漫画の話を
したいのなら、この二つのスレを使って下さい。
>>2はあけといてね、それ以前に来るのは14が終わってから!
10 >>278-280
第8話
彩葉side
う、上杉君と若武がポッキーゲームー!?
お、男同士でやるなんて…。
「上杉なんかとできるかよ!!」
「貴様、それは俺の台詞だ!!」
若武と上杉君は騒いでいる。
まぁ、男同士でやるなんて地獄よね・・・
「若武と上杉〜。王様の命令には絶対服従★」
翼がニヤッとしながら言った。
「「そんな…」」
若武と上杉君は真っ青になった。
「男同士のポッキーゲームかぁ…。一回、見てみたかったのよ…」
美里がニヤニヤしながら言った。
「うちも見てみたい‼」
雪が言った。
「黒木ぃ、小塚ぁ、アーヤァ…」
若武が涙目になりながら、三人に訴えだした。
「諦めろ、若武。」
「王様の命令だしねぇ…」
「しょうがないよ、二人とも頑張って!」
黒木君、小塚君、アーヤが言った。
…アーヤ、それ、慰めになってないと思うよ…。
「もうグズグズせずに、さっさとやっちゃいなよー」
みーこが言った。
「そうだよ!時間の無駄だよ。」
ひなが言った。
「二人とも諦めてやったら?」
りっちゃんが言った。
「二人がやらないと、先に進めないもんね」
ゆもん♪が言った。
女子グループからのブーイングが凄い。
「と言う訳で早くやってね★今から一分以内に始めないと、ポッキーゲームより酷い命令出すよ?」
翼が笑いながら言った。
「「分かりました、やりますよ……。」」
若武と上杉君が青い顔で言った。
だ、大丈夫かなぁ…?
「ハイ、ポッキーどうぞ☆」
かのんが上杉君にポッキーを手渡した。
「ルールは途中でポッキーを口から離しちゃダメだよ★離したら、バツゲームー★じゃあ、スタート★」
翼が言った。
ついに二人の口にはポッキーが!!
ゆっくりとポッキーを食べ始めた二人。
あぁ、二人の顔がどんどん近づいていく。
みんなは固唾を飲みながら、二人を見守っている。
このゲームの結果はどうなるの!?
ボキッ!
…え?
「やっぱ上杉なんかとできるか〜!!」
「若武なんかとできるもんか〜!!」
二人はポッキーを折ってしまったのだ。
みんなは唖然としている。
「あ〜あ…」
RARAが言った。
「せっかくあそこまで行ったのに…」
葵が言った。
「二人ともルール破ったから、バツゲームね★
二人とも、今から女装して★」
翼が言った。
ポッキーゲームの次は女装かぁ…。
二人とも大変だね。
二人はチェンジングルームに行った。
〜五分後〜
「着替えたぞー…」
そこで二人が着ていた服装は_____
10 >>344-345
第9話
雪side
「うわぁ…」
「え…?」
これ若武と上杉君!?
「「なんだよ。」」
「えっ!!まさかアナ雪でくるとは......」
と、ゆもん。
そう。二人が女装した服は、若武がアナで、上杉君がエルサだった。
「だって他はギャルとか、ゴテゴテのお姫様の服で、俺の中で良いのなかったんだよ!」
と若武。
「プッ、若武、上杉超似合ってるよ。」
翼がニヤッとしながら言った。
「「テメェ今、笑っただろ。お前がやれって言ったくせに何笑ってんだよ。」」
「まぁまぁ。私達から見ても可愛いと思えるくらいなんだから。」
と、杏莉が褒めて?いた。
「そうだよ。今度デート服っぽくして街を歩いたら、ナンパされるかもよ。」
葵が言って、彩葉も、
「そうそう!それでKZのみんなで歩いたら分かんないよ。」
と、のっていた。
「おい!マジでふざけんじゃねーぞ。」
と若武か言ったけど、そんな格好してるので、みんなで大爆笑‼
そろそろかわいそうに思えてきたのか、
「よし!そこらで若武たちをいじるのはやめて、次へ行こー‼」
とみーこが言うと、若武が、
「助かった。」
と、安堵の息を漏らしていた。
そこへ、
「でも、本当の女の子から見ても女子に見えるなら、変装して偵察するとき、便利だね。」
と、小塚君がフォローをしてくれた。
それにのるように、
「ホントだ!!」
と怜も言ったので信用したのか、
「確かに!!これは使えるぞ!今度使ってみるか。」
若武が言うと、
「ふざけんな。俺はやんねーぞ。」
と、上杉君が即拒否していた。
10 >>756-758
第10話
美里side
「次の王様はだぁれー?」
クジを引いたひなが訊く。
ところが、誰も答えない。
「持ってる?」
「ううん。」
まだ誰も引いてない?でも、私、クジ運悪いからなぁ。
そんな事を考えながらクジを引くと。…わぉ!
「あっ、私だ♪」
思わずクジを振った。
「おー、おめでとー。」
ゆもんが拍手してくれた。でも、男子組は…。
「み、美里⁉」
ギョッとしている。ホントに失礼しちゃうな…。
「何よ、あんたたち。私が王様…じゃなくて女王様で、何か文句ある?」
腰に手を当て、ツンと顎を上げて少し女王様ぶってみせた。
「女王…。」
「シンデレラとか、白雪姫に出てきそうな女王っぽい。」
「メイド服だから、『不思議の国のアリス』のハートの女王じゃね。」
「とにかく、我儘で意地悪な女王って感じじゃない?」
小塚君、若武、上杉君、翼が感想を述べた。
失礼ね!
でも、黒木君だけは違った。
「女王様。」
と言ってひざまずき、私の手に口付けするフリをした。
え⁉
一瞬ドキッとしたけど、こんな所で純情に頬を染めたくなんてしたくない。
女王の威厳がなくなるっ!←ソコ⁉
別に好きな人にされてるワケじゃあるまいし、落ち着いて。
気付かれないくらいに深呼吸して、黒木君に言った。
「お立ちなさい。」
黒木君が立ち上がった隙に、黒木君の手に包まれていた手をスッと抜いた。
さすがに、ずっと手握られてるのはヤバい…。
「さて…。」
私は皆を見回した。
「そろそろ、命令するわよ。」
雪の女王のような氷の微笑みを浮かべると、さっきまで私と黒木君のラブシーン(?)を見てニヤニヤしていた彼らが凍りついた。
「まず、3番。ピエロの仮装して。6番は探偵。8番と12番は双子コーデ。」
「はぁ、うちピエロ⁉」
葵が叫んだ。
「葵、ピエロなの?」
「まさか、葵、3番…?」
りっちゃんと彩葉が尋ねる。
返事の代わりにクジを突きつける葵。
確かに、紛れもなく[3]と書いてある。
2人はしばし顔を見合わせ…。
「…頑張っ。」
りっちゃんが囁いた。
「私、探偵だ…。」
アーヤが呟く。
「探偵いいじゃん!アーヤは実際にKZやってるし。」
ひなが慰める。
「KZ全員で探偵のカッコしたら楽しそうだよね〜。やってみたら?事件ノートとかに貼ったらよさそう。」
かのんが提案。
多分、アーヤにKZ全員で写真を撮る機会をあげたいんじゃないかな?
「私たちも一緒に映りたいなぁ〜。」
「両方撮ればいいんじゃない?私たちの中にも、写真撮れる物持ってる人はいる筈だし、プリントとかも出来るよね。」
「後でさ、皆、探偵のコスプレしない?」
「おい、うちにそんな沢山探偵のコスプレねーよ!」
「探してみよーっと。」
「そうだね!」
「ええよ〜!」
ひなと雪、アーヤ、若武、ゆもん、彩葉、葵…次々に皆が乗っかる。
葵も元気になったらしく、クローゼットやら風呂敷包みを探している。
折角だから、私も探そーっと!
ゆもん、彩葉、葵などと一緒に衣装を探すと、すぐに探し終わった。
でも…。
「若武、『うちにそんな沢山探偵のコスプレねーよ!』とか言ってたのに、どうしてこんなに探偵のコスプレあんの?アーヤの分入れて6着もあるんだけど。」
衣装をセットにしていた雪が問う。
「知らねーよ!」
「昔、若武の家で遊んだ頃はこんなになかったと思うけど…。ね、上杉?」
「あぁ…。」
小塚君、上杉君も首を傾げている。
彼らも知らないのだから、なかったのだろう。
「でも、これ年代物っぽくない?20年くらいは昔のものに見えるけど…?」
若干、言葉を濁しながらも彩葉が言う。
「確かに古そうだよね…。」
みーこも呟く。その時、翼が口を開いた。
「これ、若武の親の物でしょ。」
「あぁ。」
「若武の親って今何歳?」
あ、と私をはじめ、彩葉や藍紗、かのん、黒木君、小塚君、上杉君などの表情が変わった。
そういう事かぁ…。合ってるか確信はないけど、多分合ってる。
若武が「?」という顔をしながら告げる。
「2人共、38歳。」
ほぼ全員、これで分かったらしい。ぶっちゃけ、若武以外の人が。
「若武の親って若っ!」という呟きが漏れる中、彼は訊いた。
「おい、なんでそんな事訊くんだよ?」
皆、大爆笑っ!!
「逆に、なんで当の息子が分かんないの?」
翼が笑い転げながら尋ねる。
普段、クールビューティな彼の顔は真っ赤。
「じゃ、若武がKZ全員で探偵コスプレするって言ったら、謎解きしてあげる。」
若武に向かって、雪が可愛く小首を傾げながら言う。
「分かったよ!じゃ、最後はKZ全員で探偵コスプレ…プラス、他の奴らもなんかコスプレして写真撮影!所長権限だ!」
「アイ・アイ・サー。」
「かしこまりました、所長。」
翼と黒木君がおどけて敬礼。上杉君も、
「こういう命令だったら従ってもいいよな。」
などと嘯きながら敬礼している。
「いつもこういう感じで権限行使してくれたらいいのに。」
「今回のは、若武だったら思いつかないよ。雪のお陰だよね。」
アーヤが呟き、小塚君が雪をフォロー。珍しく、雪がちょっと照れてる。
どうしたんだろ、小塚君って雪の事…?そんな事を想像してると。
「おい、雪、謎解きしろよ!」
若武が叫んだ。煩いな…。
「うっさい、若武。謎解きしてあげるから黙んな。」
雪がビシッと言い返した。調子、戻ったみたい。
「さて…。」
探偵の常套句。謎解きの始まり!
10 >>848-849
第11話
葵side
葵、ピエロの格好かぁ・・・
「葵は元気で明るいイメージがあるから、ピエロの格好は似合う筈だよ。」
お姉ちゃんが笑顔で言ってくれた。
「そういえば八番と十二番のクジを引いたのは誰なの?」
みーこが聞いてきた。
そういえば誰だっけ?
「あっ、私八番だった。」
「私は十二番。」
八番はりっちゃんで、十二番はひなだった。
「とりあえず着替え組はまず着替えない?着替えないと、謎解きはできないし。」
雪がそう言ったので、着替え組の葵、ひな、りっちゃん、アーヤは更衣室に行った。
〜着替え中〜
ふ〜、結構派手な柄だけど、変じゃないかなぁ。
「着替え組のみんなは、着替え終わった〜?」
かのんが聞いてきた。
「終わったよー!」
「じゃあ、出てきて!」
ゆもんの合図でみんなはカーテンをあけた。
「葵、ピエロの格好似合ってるよ。」
お姉ちゃんがそう言ってくれた。
りっちゃん&ひなの双子コーデは本当の双子みたいで、可愛かった。
りっちゃんはピンクと白のボーダー柄のパーカーに白に赤字の英字がプリントがしているシャツ。
膝より少し短い短パンに白と黒のしましま模様のハイソックスだった。
ひなは水色と白のボーダー柄のパーカーにおそろいのシャツ。
後はズボンも靴下も同じだった。
二人とも、髪を少し高めの位置で二つのおだんごにくくっていた。
「二人とも超似合ってるよ!」
RARAが言った。
アーヤは茶色い、ホームズみたいな探偵が着る探偵服だった。
少し年代物のようだけど、アーヤが着ると、その古い感じは華やかさに変わった。
「アーヤ、似合ってるよ!」
美里が言った。
「探偵姫、似合ってますよ。」
黒木君が言った。
「アーヤにすごく似合ってる。」
小塚君が言った。
「ん、まぁ似合ってる。」
上杉君がちょっと顔を赤らめて言った。
「アーヤが探偵みたい。」
と翼が言った。
「服よりはもう謎解きしねぇ?」
若武が頬を膨らませて言った。
「よしっ、そろそろ謎解きをしよう!」
アーヤの一言で、本格的に謎解きが始まった______。
10 >>889 >>891-892
第12話
彩葉side
謎解きが始まってからは皆、黙々と考えていた。
アーヤやかのんはノートに何か書いていた。
「ねぇ、かのんとアーヤは何をノートに書いてるの?」
私はかのんとアーヤに聞いてみた。
「とりあえず自分の考えをノートにまとめているんだ!まとめると、分かりやすくて考えやすいから。」
かのんがそう答えてくれた。
「私もかのんの意見と同じだよ。
一応、これも探偵チームKZの皆と解く謎だし、今回はワープしてきた貴女達も一緒に解いた謎として、事件ノートに記録したいの。」
アーヤがそう答えてくれた。
「アーヤはKZでの自分の役割に全力で尽くしているんだね!」
RARAが言った。
「そこ!あまり雑談しない!」
若武に注意されてしまった。
私は、だいたいの事は分かったかもしれないけど…
「俺、考えたけど全く分かんねー!だからKZの皆でアーヤ以外探偵服に着替えようぜ!もしかしたら、新しい発想ができるかもだし。」
若武が言った。
「合ってるかは分からないが、俺はだいたいは分かったと思う。」
翼が言った。
「俺もたぶん分かった。それにしても何時までも女装はしたくないから、早く着替えようぜ。」
上杉君の一言でKZの男子組は着替えに行った。
〜五分後〜
「着替え終わったよ、どうかな?」
黒木君が聞いてきた。
「わぁっ…!」
皆、本当の探偵みたいだった。
「探偵服を着ただけで、新しい発想はできたかな、若武?」
美里が若武に聞いた。
「うっ…それはまだ。ていうかまだ着て少ししか経ってない!」
若武が言った。
その時、ドアにノックをする音が聞こえた。
「和臣君達、私島崎です。
夕飯だけでは小腹が空くと思ったので、軽く夜食としてサンドイッチを持ってきたのですが…皆さん、どうなさいます?」
ドアをノックしたのは、島崎さんだった。
「僕は図々しいけど、欲しいな…」
小塚君が言った。
「私も欲しいな…」
雪が遠慮がちに言った。
「じゃあ部屋に入りますね。」
そう言って島崎さんは部屋に入ってきた。
「あら、皆さん昔旦那様達が着ていた服を着ていらっしゃるのですね。」
島崎さんがそう言った。
「島崎さん、よく若武の両親の服だと分かりましたね。」
上杉君が聞いた。
「昔、旦那様と奥様が一枚の写真を見せて下さった時に、その写真に今皆さんが着ている探偵服を着た旦那様と奥様とご友人達が写っていたのです。」
島崎さんがそう説明してくれた。
「じゃあ私の推理と似てるな。」
ゆもんが言った。
「ゆもんもなの?私もだよ!」
ひなも言った。
「皆の推理は何なんだよ。俺、ちっとも分からないんだけど。」
若武が言った。
「若武は今の島崎さんの話でも分からなかったの!?」
美里が言った。
「私は、昔、若武のご両親が探偵チームをやってて、その時の服だと思ったけど、皆は?」
りっちゃんが自分の推理を話してくれた。
若武以外の皆は一斉に頷いた。
「旦那様は探偵チームをやってたそうです。」
島崎さんが補足した。
「やっぱり、若武のご両親は探偵チームをやってたんだ。」
葵が言った。
「だからその息子の若武も親の遺伝子を受け継いで、探偵をやりたがったんだな。」
翼が言った。
「とりあえず謎は解決したね。」
小塚君が言った。
11
第13話
美里side
「そうだね。」
ひなが頷いた。
「じゃあ、皆で記念撮影する?」
「いいよ!」
「KZの世界に来れた記念だよね!」
「KZの皆と写真撮れたらその写真一生大切にする。ううん、家宝にするっ!」
かのんが訊くと、アーヤ、ゆもん、りっちゃんが即座に答えた。
「俺たちってアイツらの世界ではそんなに人気なのか?」
上杉君がボソッと呟く。
「うーんと、主に小中学生の間で人気かな。
青い鳥文庫っていう文庫に《探偵チームKZ事件ノート》っていうシリーズがあって、
そのシリーズを藤本 ひとみ先生と住滝 良先生が書いてるんだよ。」
葵が教えた。
「青い鳥文庫知ってる!」
アーヤが瞳を輝かせた。
アーヤも青い鳥文庫知ってるなんて!
「さすがアーヤ、知ってるんだ!」
RARAが嬉しそうに言った。
もちろん、RARAだけじゃなくてKZ板メンバー全員が嬉しいと思う。
「今、そのKZの本持ってる?」
翼が尋ねた。
「持ってるよ〜。ちょっと待ってて、取ってくるから。そうだ、お姉ちゃんも持ってる。」
バッグから2冊本を出した葵は、彩葉に声をかけた。
「お姉ちゃん、翼たちがKZの本見たいって。」
彩葉は葵と同じく、すぐバッグから2冊本を出して来た。
「はい、これ。」
葵が差し出したのは『消えた自転車は知っている』と『七夕姫は知っている』。
彩葉が差し出したのは『ハート虫は知っている』と『消えた美少女は知っている』。
早速、若武が覗き込んだ。
「オレがめっちゃカッコよく描いてある!
イラスト描いた人、駒形さんっていうのか。この人の絵いいな。」
「カッコよく描いてあるのは若武だけじゃなくてKZ全員でしょ。
アーヤもめっちゃ可愛いし…。」
雪が苦笑する。
「それから、うちも持って来てるよ、KZ。」
はいっと、雪が見せたのは『青いダイヤは知っている』。
少し恥ずかしそうに小塚君が言った。
「ちょっとそれ見せて。」
珍しく小塚君が大きく描いてあるもんね。
ペラペラとページをめくっている。
そうだ、青い鳥文庫のKZのサイトに色々書いてある!
それに私もKZの本持ってる!
私はバッグから持って来ていたiPadを出して、お気に入りに設定してあるKZのページを開いた。
「他にも色々とあるよー。」
iPadを見せる。
「へぇ〜。」
黒木君が私からiPadを受け取り、じっくり見ている。
「それから私も、ほら!」
私が持っているのは『赤い仮面は知っている』。
砂原が登場してるしね。
「砂原…アーヤと2人で仲良く並んでやがって、許さんっ!」
若武が叫んだ。
「え?」
「何だよ。」
翼と上杉君が若武の横から見る。
「本当だ…。」
「おい…砂原…。」
2人が顔色を変える。
上杉君も翼もなかなか迫力あるけど、私にとっては他人事。
というか、砂原とアーヤが並ぶと美男美女で綺麗!
もちろん、他のKZ男子もカッコいいけどね!?
「別にいいじゃない。煩くするとアーヤに気付かれちゃうよ?」
みーこが来て、ニヤッとした。
渋々という感じで大人しくなった2人。
「それに、私も持ってるよ、KZ。」
見てみる?とみーこが出したのは『緑の桜は知っている』と『黄金の雨は知っている』。
頷いて、上杉君が緑の桜を、翼が黄金の雨を受け取った。
「ねぇ、かのんとかも持ってるかな?」
アーヤが言った。
「訊いてみよっか。
_____今KZの本持ってる人ー?」
「はーいっ!」
「あ、はーい。」
「持ってる!」
「私、持ってるよ〜。」
「私も持ってる!」
かのん、ゆもん、りっちゃん、RARA、ひなが同時に手を挙げた。
かのんが持ってるのは『クリスマスは知っている』と『バレンタインは知っている』。
ゆもんは『シンデレラ特急は知っている』と『シンデレラの城は知っている』。
りっちゃんのは『キーホルダーは知っている』と『卵ハンバーグは知っている』。
RARAのは『切られたページは知っている』と『お姫さまドレスは知っている』。
ひなのは『裏庭は知っている』と『初恋は知っている〜若武編〜』と『天使が知っている』。
「すごい、ひな、3冊も持って来てるんだ!」
りっちゃんが驚いた。
「まぁ、文庫本だからね。」
事もなげに言うひな。
「全冊揃ったと思うんだけど、どう?」
その時、黒木君が口を開いた。
どうやら、私のiPadで調べていたらしい。
「消えた自転車、切られたページ、キーホルダー、卵ハンバーグ、緑の桜_____。
_____合ってるよ!」
ゆもんが数えた。
「皆で好きな本持って写真撮ったら楽しそう!」
RARAが提案した。
「それいいね!」
楽しそう!どれにしよっかなぁ。
キーホルダー?シンデレラ特急?シンデレラの城?クリスマス?赤い仮面?黄金の雨?
うーん、迷うけど黄金の雨にしよっと!
何しろ表紙に翼が初登場するし、アーヤが素敵っ!
「私、黄金の雨がいい!」
私が言うと、若武が真剣な表情で言った。
「オレは、お姫さまドレスにする。1番オレが目立ってるからな!」
「目立ってるって…。」
葵が笑っている。
「じゃあ、俺は天使で。」
「僕は青いダイヤかな。」
あっさり決めた上杉君と小塚君。
「俺は…、表紙に写ってるのが黄金の雨以降なんだよね。」
翼が、黄金の雨、七夕姫、消えた美少女の3冊を見比べる。
「でも、大きく写ってるのは七夕姫しかないから、七夕姫にする。」
「OK。じゃ、どーぞ。」
葵が『七夕姫は知っている』を翼に渡した。
「黒木君は何にする?」
彩葉が訊いた。
「俺は…緑の桜かな。アーヤとランニング出来たしね。」
そして、甘い視線をアーヤに向けた。
アーヤが頬を紅く染める。
うわぁ、この視線向けられたら恋に落ちそう!
私は好みじゃないし、他に好きな人いるから多分オチないと思うけど、
オチる女子はきっと沢山いるよね。
そして、黒木君はホントに好きな娘にそのテクニックを駆使するに違いない。
アーヤももう一押しでオチそうだし…。
しかし、そんな雰囲気を断ち切るように若武がやって来た。
もちろん黒木君を睨んでる。
「アーヤはどの本がいい?」
アーヤは若武の殺気立った様子には気付かないようで、おっとりと首を傾げた。
「うーんと、消えた美少女かなぁ。」