スレタイのとおりですw
このスレは、去年の夏から冬にかけて『探偵チームKZ事件ノート(数字)』をはじめとした、
(都合により省略するが)KZloveやKZ板寝室、また、kzのスレッド多くね?などのスレで意見を交わし合ったメンバーが再び集うスレです。
ちなみに来れるメンバー以外の人は来ないで下さい。
メンバー:檸檬、怜、クスノキ、光流、美里、玲夢、かのん、ちえ、美琴(私)
しかしこのうち今も葉っぱに来ているのは5人、さらに普段から来ているのは私含め3人...。
(でも!誰も!『もう葉っぱは卒業するね』とか、『もう来ないから』って言ってないから!!)
もちろんこのスレはkzについて、語ったり小説書いたり語ったりとかの為に使います(だってwithKZだからね)。
...このスレが、来ていない人が戻って来た時の安心するようなスレになるといいなぁと思ってます。
だから...、荒し・なりすましはもちろん、私含めた9人以外の人の書き込み行為はやめて下さい。
それじゃ、START!!
【金の鹿は知っている】
*過去*
私の母はとても優しい人だった。
何故過去形か?…もういないから。
とにかく、母が私に怒ることなどなかったのだ。
私が、父を殺したときも。
殺した理由の前に、父がどんな人間だったかを説明しなければいけない。
父は医者だった。最低な。
難しい手術は他人にやらせ、高い金を払える患者にのみ媚び、看護師と愛人関係を結ぶ。そんな人だった。
私が父を殺したのは…なんでかな、よく分からない。
けれど、夫の酷い生き様に母が苦しんでいるのは知っていた。
だからだと思う。父を殺せば母が救われるような気がしたんだと思う。
ただそれだけかな、うん。
母に喜んでほしかった。自分に愛をくれる母に。
『麗亜奈、良いことを教えてやろう。
誰かに何かを言われたらな、とりあえず「はい。」と言っておけ。』
『えぇ、なんでー?』
『素直に従っておけば面倒くさいことにならないからだ。この言葉は、決して誰も怒らせずにいられる。』
『んー…はい!』
私は決めたのだ。
自分の手で母を救うことを。
父との思い出を血で汚すことを。
『貴女はできる子…これからもがんばるのよ』
『はい。』
【金の鹿は知っている】
*大人と愛*
ちなみに父の遺体は、母が海に沈めてくれた。それが5歳のときかな。
5歳の子供がどうやって父親を殺るのか?…あんまり思い出したくないな。
確か、父がお酒に酔ってるところを狙った気がする。
刺したのは喉だったっけな。
まぁ父の話はこれでおしまい。
7歳になって私は気付いてしまった。
自分は母に愛されていないと。
娘である私のことを「貴女」と呼び、ご飯はいつも冷凍食品、夜に家にいないのなんて当たり前。
当時はそれが普通だと思っていた。
だけど違う。知ってしまった。
私は愛されていないんだ。
それを理解した瞬間、私の中で何かが
消え、何かが芽生えた。
何が悪かったのかは分からない。
母のために父を殺してあげた。
『この人の遺体は…そうね、海に隠しましょう。いいわね?誰にも言っちゃいけないわよ。』
『はい。』
母のために「はい。」とだけ言った。
『洗濯と掃除、やっておいてくれる?あ、牛乳も買ってきて。』
『はい。』
母のために生きた。
『お母さんはね、貴女に医者になってほしいの。』
『はい。』
母のために…
…あぁ、お母さん。
財産目当てで医者のお父さんを選んだだけの汚い女。
今度は私を医者にしようとまでしてどこまでも金を求める女。
家事を娘に押し付けて自分は遊んでばかりの心の醜い女。
私はお母さんのこと、
本当に大好きだった…?