☆*:.。. レス禁.。.:*☆
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とある日のこと。
身が縮こまるような寒さから一転、暖かな日差しや小鳥のさえずりが聞こえだす季節…なのだがどういうわけか外は土砂降り。不吉なものを感じてしまう。
窓を見ると流星のようにつたう雨粒。
( ジュリア様とジュラ様、雨に濡れてないかしら? )
ついついため息をついてしまう。気分を紛らわそうと紅茶を入れよう、そう決めた。
「 あれ?リリル。紅茶でも飲むの?」
「 はい。アルス様も良ければ… 」
「 じゃあお願い 」
( 今日は……オレンジペコでいっか。 )
茶葉を入れ、蒸らす。特有のいい香りがふわぁと広がっていく。やっぱり落ち着くには紅茶に限る。
先程の不安はいつのまにか消えてしまっていた。
「 それよりさ、ジュリアとジュラの親を見たことないんだけど… 」
「 はい? 」
声が裏返ってしまった……。別にやましい気持ちも秘密もない。ただあの2人には特殊な事情があるのだ。
まぁアルス様には言うべきなのであろう。この方ならきっとわかってくれるはず…。
「 こほん…此処からは真面目な話になります。皆んなにも話してない事情です。2人がどんな正体だろうが受け止めてくださいますか? 」
「 え…あ、うん 」
ティーカップをそっと置く。高鳴る胸を抑えるよう深呼吸をする。
( ……ずっと話さないのもタチが悪いわ )
「 2人は…… 」
「 魔法で作られた人形…魔法人形です。」
「 は…? 」
アルス様から力がするりと抜け落ちる。まぁ無理もない話だろう。あの2人は“人間みたい”に動いてるから。
それも色々と訳あっての事だが…。
「 人が…神の真似事をして作ったのです。」
なんて愚かなのだろう、私はこの事を思い出す度に思ってしまう。怒りで全身の隅々までどうにかなりそうだ。
「 お2人は成功作として扱われて来ました。けど私の主人の魔法使いが逃したのです。それでこのお屋敷で暮らして、主人に呼ばれてしばらく離れてた間にお2人は貴方様と出会ったのです。
「 酷い…。作ったって…。 」
「 でも貴方と会えてジュリア様達も嬉しいと思います。それにスタンやいちごという大切な友達にも出会えました。きっと後悔はしておりません。ただ、これからも仲良くしてくださいね。 」
「 もちろんするよ。 」
「 なら良かった……。」
胸がポカポカしてきた。皆んな、私の大切な家族の様な存在になのだろう。これからも私は幸せに暮らしたい。その一心だ。
ふと雨の事を思い出し窓を見るといつのまにか虹が出ていた。雨粒も太陽に反射してキラキラと光を放っている。
( なんて美しいのでしょう… )
思わず笑みが溢れてしまう。
「 ただいまー! 」
「 遅くなった… 」
玄関からは2人の声だ。私とアルス様は咄嗟に顔を合わせ微笑み合う。そして日が差す玄関へと向かっていくのだった。