普通な学園生活を送らせてください!

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1:紺音 シキ:2014/09/18(木) 18:39 ID:lsg


 にっきー×紺音シキの小説です♫

 ズバリ!ジャンルは『恋愛』ということですよ〜♡

 アドバイス・感想などはオールカモンヾ(´・ω・;)=C<−ω-;)ノシ

 荒らしや暴言は固く禁じます。
 
 にっきーとあたし以外は書かないでくださいね……!

 >>2 登場人物紹介

 では、start★

 

2:紺音 シキ:2014/09/18(木) 19:06 ID:lsg


*夏芽 波乃*(カガ ハノ) ♀
【年齢】 高校2年生
【性格】 平凡を好む無気力系女子
【容姿】 平均身長で、茶髪ミディアムヘア
【備考】 主人公
運動は苦手だが、家事などは完璧
無自覚美少女


*三島 希音*(ミシマ キオン) ♀
【年齢】 高校2年生
【性格】 心優しく友達思い
【容姿】 身長のわりには細身。黒髪ポニーテール
【備考】 主人公の幼馴染であり、親友
     勉強はできるが二次元ヲタク
     だれもが認める美人

*巳守 陽*(ミカミ ヨウ) ♂
 【年齢】 高校2年生
 【性格】 元気で活発
 【容姿】 男子の中では中くらい。色素の薄い肩くらいの髪
 【備考】 主人公の幼馴染
      イケメンだが、同じく無自覚
スポーツしかとりえがない




※一応、『主な』登場人物です。これからさらに登場人物は増えていきます※

3:にっきー:2014/09/19(金) 19:27 ID:sAU

お!

立てたんだね!
出だしもよろしくお願いします!
うち出だし下手で・・

ごめんね!
そのあとはうちが続ける(^^)
二人でがんばろー(^^)( ̄▽ ̄)

4:紺音 シキ:2014/09/25(木) 18:25 ID:WDE

>>にっきー
 了解♫
 続きはよろしくね!
 がんばろね!

5:紺音 シキ:2014/09/25(木) 18:26 ID:WDE


 窓辺の席でついた溜息は、吹きこんでくる柔らかい風がさらって行ってしまった。
 私は騒がしい教室の空気から逃れたくて、ふらりと席から立ち上がった。うるさいのは嫌いだ。
 私はうるさい、非日常、非現実が大嫌い。平凡が一番だ。なのに、どうしてこうも騒がしいんだろう。
 と、イライラを募らせていると、肩に誰かの手が置かれたと同時に、明るい声がした。


「おぉ、今日の不機嫌さは絶好調だな、波乃!」

「……うるさい。つか、離して」


 朝からキラッキラな爽やかオーラを放ちながら、私をそうからかってくるのは巳守 陽。
 よく言えば幼馴染、悪く言えば腐れ縁のイケメン野郎。無自覚なところがより一層腹立つけど。
 まぁ、苛立ちなんて無駄な事を考えるのはやめにしよう。それより、気になったことを聞いてみることにする。


「巳守、キーは?」

「今日も置いてきた! あいつ準備遅いんだよ。毎回言ってるだろ?」

「ふーん……」


 まぁ、私には関係ない。余計な事を考えるのは面倒なだけだ。
 そのまま図書室に向かおうと巳守を押しのけると、巳守は不満そうにこっちを見た。


「なんだよー、愛想悪い奴―」

「それを一番理解してるのは巳守でしょ」

「まぁ、そうだけー……」

「お、おはよう波乃、陽!」


 会話に割り込んできたのは、さきほど言っていた「キー」だ。
 キーこと三島希音は、よほど急いできたのだろう、息切れをしている。


「おはよう」

「おー、希音おつー」

「おつーじゃないよ! なんで置いていくの!」

「希音が遅いからだろ〜?」

「うっ……。ごめんなさい」


 何度見ただろう、キーが巳守に謝っているところ。今思えば、毎朝繰り返されているような気がする。
 ……まぁ、これも私の平凡な日常の中の一つなんだけどね。

6:にっきー:2014/09/25(木) 19:51 ID:eQw


そんな平凡な毎日だけど、私にとってはもう充分。

だって、めんどくさい事が起こるよりはマシじゃん。

キーは黒い髪を揺らしながら、
「ねー、今日三人でどっか遊びに行かない?」
と言った。

キーは見た通り美人で、あちこちから
声が聞こえて来る。
まあ、本人は気付いてないけど。

「それいいな!」
調子ものの巳守はキーの意見にあっさりと賛成する。

私も別にどうでもよかったから、その提案に賛成した。

「それじゃー決定な!」
そう言う巳守は嬉しそうにニカっと笑う。

放課後誰かと遊ぶなんて久しぶりだから、少しワクワクして来た。

7:匿名希望:2014/09/26(金) 06:20 ID:I.A

アンアン

8:にっきー:2014/09/26(金) 18:00 ID:b1g

7>その書き込みは必要ですか?

次同じような事したら荒らしと見て
依頼出します。

9:紺音シキ:2014/09/27(土) 23:43 ID:Vss

>>7
 今後、そのような書き込みは後遠慮くださいね

10:紺音シキ:2014/09/28(日) 00:09 ID:Vss

 その時、ふと思い出したことがあった。……今日日直じゃん。
 今更って感じだけど、言わなきゃダメだよね。


「ごめん、今日日直だわ。やっぱパス。二人で行ってきなよ」

「えーっ!! なにそれっ」

「いや、ごめんって……。面倒だし、理解してよね」

「理解ぐらいしてるっつーの。そうじゃなくて、なんで波乃抜きで行くんだよ」

「そうそう!! 日直ぐらい、陽とあたしが手伝うから!」

「そうだぞー。そのあと、どっか行こうぜ!」

「ん……」


 反論するのでさえも面倒で、承認した。
 ……というか眠たい。とりあえず寝たい。


「なんか、波乃眠そうだね?」


 さすが我が親友であり、長年の付き合いである。私の様子をすぐに察してくれる。
 私はあくびを噛み殺しながら頷いた。


「ガッコ着いたら保健室で寝てくる……」

「なんだよ、夜更かしでもしたのか?」

「別に。ちょっと寝たりないだけ」

「一体何時に寝たの?」

「19時ぐらい」

「「寝過ぎ!!」」


 二人とも息ピッタリ。長年の付き合いってすごいよ。
 それにしても、12時間って寝過ぎなの?
 まぁ、なんだっていい。早く寝たい。寝られればそれでいいんだ。

11:紺音 シキ:2014/10/05(日) 15:46 ID:OLA

>>10の訂正です。
◎「ガッコ着いたら保健室で寝てくる……」

✕「一時限目始まったら保健室で寝てくる……」

 という波乃の発言を変更させていただきます。
 理由を言っちゃうと、もともと波乃たちは学校(教室)にいるんですよね汗
 にっきーに言われて気づきました。本当に申し訳ごぜいません。


 訂正バージョンの>>10です↓


 その時、ふと思い出したことがあった。……今日日直じゃん。
 今更って感じだけど、言わなきゃダメだよね。


「ごめん、今日日直だわ。やっぱパス。二人で行ってきなよ」

「えーっ!! なにそれっ」

「いや、ごめんって……。面倒だし、理解してよね」

「理解ぐらいしてるっつーの。そうじゃなくて、なんで波乃抜きで行くんだよ」

「そうそう!! 日直ぐらい、陽とあたしが手伝うから!」

「そうだぞー。そのあと、どっか行こうぜ!」

「ん……」


 反論するのでさえも面倒で、承認した。
 ……というか眠たい。とりあえず寝たい。


「なんか、波乃眠そうだね?」


 さすが我が親友であり、長年の付き合いである。私の様子をすぐに察してくれる。
 私はあくびを噛み殺しながら頷いた。


「一時限目始まったら保健室で寝てくる……」

「なんだよ、夜更かしでもしたのか?」

「別に。ちょっと寝たりないだけ」

「一体何時に寝たの?」

「19時ぐらい」

「「寝過ぎ!!」」


 二人とも息ピッタリ。長年の付き合いってすごいよ。
 それにしても、12時間って寝過ぎなの?
 まぁ、なんだっていい。早く寝たい。寝られればそれでいいんだ。

12:小桃(元ドクパン):2014/10/13(月) 03:21 ID:hWo

シキ!にっきーさん!見ましたー!!早く続き見たいなあ(*^^*)

13:にっきー:2014/10/18(土) 15:37 ID:0r2

小桃さん>ご観覧ありがとうございます。

よかったらこれからも見てください。

14:にっきー:2014/10/18(土) 15:45 ID:0r2


一時限目のチャイムが鳴ると同時に私は、保健室へ向かった。


長い廊下を歩き、やっとの事で保健師まで来た。
ドアを開けると珍しく誰もいなかった。

でも丁度いい。先生がいると色々めんどくさいし…。


それより早く寝たい。そう思い、カーテンを開けるともうすでに先着者がいた。

その人は幸せそうに眠っていた。

私はなぜかその人から目が離せなかった。


茶色い髪、それに男とは思えないほどの顔立ち。


大人っぽくで、綺麗で…、きっと私より年上だろう、と思った。


最悪、保健室にはベットが一つしかないので、私はあきらめて帰ろうとしたとき、

いきなり腕をつかまれた。


びっくりして、振り返ると、さっきまで寝ていたはずの彼が起きていたのだ。


茶色い瞳、ジッと私を見つめてくる。
なんか吸い込まれてしまいそう…。

15:にっきー:2014/10/18(土) 15:47 ID:0r2

14に間違いを八消しましたので、訂正します。

 × 長い廊下を歩き、やっとの事で保健師まで来た。

 ○ 長い廊下を歩き、やっとの事で保健室まで来た。

です

16:紺音 シキ:2014/10/18(土) 17:14 ID:dW2

>>小桃様
 ありがとうございます!
 パーフェクト教室につづき、こちらまで見ていただいて感謝です!
 

17:紺音 シキ:2014/11/06(木) 19:42 ID:tus


「な、なんですか……」


「なにって、そっちが急にカーテン開けたんでしょ」


 私が尋ねると、彼はそう返してきた。
 ……だから出て行こうとしてるじゃん。謝れってこと?なんかめんどくさい人だなぁ
 私はため息をつきそうになったが、それはあまりにも失礼だと言う事で堪えた。


「それについては謝ります。ですので、腕を離してください」


「別に謝らなくていいけど」


「……なら、この腕はなんですか」


「……なんとなく」


 私は頭を抱えたくなった。なんだ、この人は。
 口で言ってもダメだ。離してくれるように視線で訴えようと、じっと彼を見つめる。
 ……それにしても、やっぱり綺麗な顔立ちしてるなぁ。多分、いや、絶対私より女子力高いよ。神様不公平。
 

「どうしたの?」


「いや……、離してくれないかと思って」


「口で言ってくれなきゃわからないよ」


「さっきから言ってるじゃないですかっ」


「そうだっけ。まぁ、いいや。ごめんね」


 彼はさっきまでの会話など忘れたかのように、あっさりと腕を開放してくれた。
 多分、寝ぼけていたのだろうな。うん、きっとそうだ。
 今度こそと、彼に背を向け歩き出そうとした瞬間。


「なんですか……」

 また腕を掴まれた。本当に、なにがしたいんだろうか……。
 彼は、茶色のその瞳で私を見つめていた。


「寝なくていいの? 体調悪いんじゃないの?」


「あ、いえ。寝不足なだけですから、大丈夫です」


「ダメでしょ。寝不足ならちゃんと寝なきゃ」


「いえ、あなたが寝ていたので結構です。他人の睡眠を妨害するのは嫌なんです」


「はい、つべこべ言わない」


 そういうと、彼はベッドから起き上がり、手際よく私をベッドに寝かせた。
 私は彼の手際に良さに圧倒され、流されるしかなかった。


「これでよし……」


「……ありがとうございます」


 素直にお礼を言えば、彼は茶色の瞳を細め、優しげに微笑んだ。
 ……ダメだ、今女としての敗北を味わった気がする。


「君、名前は?」


「え、夏芽波乃ですけど……」


「波乃ちゃんか……。2年生だよね?」


「はい」


「僕は矢代 佐世(ヤシロ サヨ)。3年生」


 ……矢代、先輩か。
 私は矢代先輩の微笑みを最後に、夢の中へと誘われていった。

18:紺音 シキ:2014/11/15(土) 12:07 ID:qIg

にっきーの事情により、もしかしたら私が連続投稿するかもしれません!
にっきーの小説を楽しみにしている方、紺音で申し訳ございません…。

小説を読んでくださったなら、感想やアドバイスなどを書いていただけるととても助かります。

19:紺音 シキ:2014/12/13(土) 10:15 ID:fpE


「はぁ……」

 私は一人、ため息をつきながら教室を目指した。
 教室に戻ったら、きっとキーと巳守が「どんだけ寝てたんだ」ってバカにしてきそう。
 
 結局、私が目覚めたのは3時限目の途中だった。自分で言うのもおかしな話だが、寝過ぎだろう。
 時計を見たとき、思わず目をこすったからね。
 
 私は寝るのが好きだ。昔から暇さえあれば寝ていた。
 余計な情報も入ってこないし、変に悩むこともないし、面倒事が起こることは無い。
 唯一の私の至福の時間だ。

 とはいえ、睡眠時間が14時間を超えたなんてことは初めてだった。
 自分でも驚きだ。


「あっ、波乃!」


 教室に入ると、一番にキーが声をかけてきた。
 席に着いて、机にうつぶせになりながら答える。


「ん……。キーおはよう」


「おはようって……。にしても、よく寝たね」


「自分でも驚いた」


 いつもの調子で返せば、キーは楽しそうにな笑い声が響く。
 私はあんまり笑わない。だって、無駄な労力の消費だから。
 ……あれ?


「キー、巳守は?」


 いつもなら馬鹿みたいにうるさい巳守がいないことに気が付いた。
 不思議に思い、顔を上げてキーに聞いてみた。すると、キーは苦笑いを浮かべた。


「陽なら、女子に呼ばれてどこか行ったよ。もしかして、告白かもねっ!」


「あー……。巳守モテるからね」


「波乃だってモテるくせに?」


「まさか。キーに言われても嬉しくないし」


 ふわあぁ、とあくびしながら言うと、また睡魔が襲ってきた。
 14時間も寝たのにね……、なんて自分でも呆れながらも、睡魔に身をゆだねようとー……


「おい、波乃! なに寝ようとしてんだよ!!」

 
 睡魔に身をゆだねるのは、私の馬鹿な幼馴染によって妨害された。
 ……私の眠りを妨げるなんて、ありえない。

20:*恋花*:2015/01/23(金) 19:17 ID:pS2

続きを
いつまでも
ずっと待ちます♪

21:なつな:2015/01/23(金) 20:21 ID:Ijw

続きを待っています‼︎

22:にっきー:2015/01/27(火) 18:14 ID:n1s

恋花さん>ありがとうございます!

なつなさん>ありがとうございます

23:あーさん:2015/02/15(日) 17:33 ID:90.

続きを待ってます!

24:紺音 シキ:2015/03/14(土) 22:18 ID:fZs

>>*恋花*様
 ありがとうございます!
 更新遅くて本当に申し訳ないです……。
 そろそろ時間も出来て来たので早めの更新を心がけます!

>>なつな様
 ありがとうございます♪
 そういっていただけると本当に心の支えになります!
 もうすぐ更新できるかと思われますので、もうしばらくお待ちください汗

>>あーさん様
 ありがとうございます♡
 なかなか更新することができずに、本当にすみません……
 優しいお言葉を信じて、もうしばらく気長にお待ちいただけると幸いです!

25:紺音 シキ:2015/03/15(日) 10:28 ID:HkI



「巳守うるさい。つか、告白どうした」


「……なんで知ってんだよ」


「陽が呼び出されるなんて95%告白じゃん! で、返事はどうしたの?」


「こ、断ったけどよ……」


 そういってなにかモゴモゴと言ってる巳守を、キーはニヤニヤしながら見守っている。
 今思えば、私以外恋愛に関してなにかとあるような……。
 
 巳守はまだ好きな人はいないようだ。本人曰く、「女子は怖い」だそう。
 そりゃ、大層美人な元カノに四股かけられてたもんね。私はそれを聞いた時、初めて巳守を可哀想だと思った。
 
 キーは絶賛片想い中。相手は知っているが私との関わりはないため、協力する気は無い。
 かといって、応援していないわけではない。本人と接すること以外での頼み事はなるべく受け入れてる。
 

「そういえばさ、波乃って好きな人とかいないの?」


「んー……? いないけど」


「もう高校2年生だよ? 好きな人くらいつくればー?」


「だって、面倒じゃん。自分のペースを乱されるのは嫌い」


「んー、まぁ、波乃らしいけど……」


「それに、キーと巳守とこうやって喋ってる方が、ずっと楽しい」


「おぉ! 波乃、フラグ建築乙!!」


 そう、私はキーと巳守が好き。だから、何気ない会話でダラダラと時間を浪費していくのが幸せだ。
 恋愛なんて、キーと巳守との時間に比べれば天と地の差。
 その意図を込めて言えば、キーはパアッと顔を輝かせ、巳守は微妙な顔をした。
 ……今頃だが、フラグってなんだ。意味深すぎて怖い、やめて。


「巳守は嫌? キーと私と過ごす時間」


「んな訳ねーだろ。好きに決まってんじゃん」


「なんかすっごい微妙な顔してる」


「悪かったな! まぁ、理由をお前に言ってもわかんねーよ」


「どうせ、元カノに同じようなこと言われたんでしょ。……っと、メールきた」


 トラウマを衝いてやれば、予想外の反応をされた。
 てっきり怒るかと思ったのに、呆れているような悲しんでいるような、これまた微妙な表情。
 
 そんな巳守を無視して、ポケットで震えた携帯を取り出して差出人を確認する。
 ……わお、なんか意外な人からきた。


「誰から?」


「行き先のカフェのバイトさん」


「えぇ!? なにそれ、聞いてない! ちょっとどこそこ? 男?」


「言ってないし。男だけど、なに?」


「波乃―!! あんたフラグビンッビンに立ってますぜ! 写メないんすか!?」


「キー、大丈夫? ほい、写メ」


「うっわ、めっちゃイケメンじゃん! 紹介しろよ、コノヤロー!」


「じゃ、明日放課後行こう。巳守もくるでしょ?」


「当たり前だ」


 なぜ当たり前?
 そう思ったけど口には出さなかった。たいして気になることでもなかったから。
 まぁ、カフェは明日行くとして、今はメールの内容を見ないといけなかった。
 私は席を立って、教室についているベランダに出た。丁度人がいなかったからね。

26:にっきー:2015/03/17(火) 15:23 ID:Ew.



ベランダに出た瞬間強い風が私を襲った。


私は携帯を出して確認する。
そこにあった内容は予想外のものだった。

『今日の放課後空いてる?ちょっと大事な話がある』

大事な話?
何だろう、と不思議に思いながら、キー達との約束を思い出した。
そうだった。
今日の放課後遊ぶ約束をしていたんだっけ。
どうしよう。

私はもう一度携帯の画面に目を落とす。
「大事な話」

きっと本当に大事な話なんだろうな。
彼が連絡してくるなんて今まで一度もなかったから。
きっと何かある。

キー達とはいつでも遊べるし、後で断ってこよう。


私はケータイをポケットにしまい、教室に戻った。


「波乃、何が書いてあったの?」

キーが興味津々に聞いてくる。
その後ろで已守が険しい顔をしていた。
巳守どうしたんだろう、最近少し変な気がするけど。


「今日の放課後用事あるから、行けなくなった」

27:紺音 シキ:2015/04/06(月) 18:25 ID:jck



「えぇぇ!! 私らの方が先約じゃんー!」


 すっごい不満気な顔でキーが抗議の声をあげる。そんなこと言われても困る。
 学校は違えど、彼は大事な友人。だから無視はできない。


「ごめん。でも、アイツが連絡してくるなんて、よっぽどのことじゃない限り無いと思うから」


「……なら、しょうがないね。残念だけど、明日その人に会いに行くからね?」


「あー……、そんな約束したっけ。じゃ、そういうことだからごめん」


 キーが納得したことによって、不満そうな顔をしていた巳守も「しょーがねーなぁ!」と言ってくれた。
 そして、乱暴に頭をなでてきた。うわ、髪の毛ぼっさぼさになった。
 少し睨みながら巳守を見上げると、ニカッを無邪気な笑みを返され、押し黙った。
 そんな無邪気さを見せられると、怒る気も失せるもんだ。


「んじゃー、俺ちょっと横のクラス行ってくるわ」


「おっけー、行ってらっしゃい!」


 巳守が教室から出ていくのを手を振って見守り、席に着いた。キーは、私の机に肘をおいて床に座った。
 その表情はニヤニヤしていた。まぁ、変な妄想してるんだろうけど。
 なに?と視線で伝えると、キーはニコッを笑顔を見せた。


「あーあ、陽ったら拗ねちゃったねぇ」


「はぁ? どこをどう見たら拗ねてるように見えるわけ。超笑顔だったじゃん」


「ははは、これは陽も苦労するわ……。昔から知ってたけど、ホントに波乃って鈍感だよね」


「……意味わかんない。もー寝る」


「はいはい、おやすみ」


 キーは呆れたように微笑む。そんな表情も絵になる。
 自分の席に戻っていくキーを最後に、私の意識は夢の中に誘われていった。


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