登場人物
主人公
矢澤薫AGE17
FROM日本
男子高校生
ミリス・サウドゥAGE16
FROMアメリカ
本人曰く前世は矢澤薫の妹(真偽不明)
兄と愛し合っていたが結ばれなくて自分の命と引き換えに来世では兄と結ばれるように呪いをかけた(本人談)
ピンクに近い紫色の髪で後ろにバラの花のように束ねているが髪の長さは腰下まである。
美人長身Cカップ
???(名前不明)
AGEFROM不明
白髭のダンディな親父
基本的にスーツ
頭に大きい金魚鉢を被っている
セーラ
AGE9
???の娘?
揺るぎない正義の心を持つ可愛い子
枕元に母親の写真を置いて寝る
母親から言ってあるところの成長は絶望的か。
花見祭
AGE19
FROM日本
女子大生
祭という騒がしそうな名前とは正反対の性格で根暗で夜更かしが過ぎる
外見のパーツはいいが夜更かしが原因のクマで美人に見られることが少ない
シャーロック・アンバー
AGE17
FROMイタリア
矢澤薫の同級生
茶髪で端正な顔立ち
赤または緑のジャケットを好む
矢澤はどこにでもいる普通の高校生だった。
彼の家に1通の手紙が届くまでは。
その手紙には呪いの専門学校【ザ・シャトー】から転校しろと半ば脅迫めいた文章で書いてあった。
矢澤がその手紙を無視しようとすると彼の両親が同時刻に別々の場所で交通事故にあったと警察から電話があった。
しかも矢澤の携帯には知らない番号からの着信が28件入っている。
29回目の着信が鳴る。
矢澤が着メロに設定していないどころかダウンロードすらしていないLove Destinyが流れている。
彼はもうどうにでもなれという自棄気味に応答する。
「もしもし!!!!!」
矢澤はイライラしながら誰だと聞く。
「あ、兄(にい)やん、やっと出てくれたのか良かった。心配したんだ」
「ミリス?」
ミリスは矢澤の父母が事故にあったことを知っており、彼を驚かせた。
彼女は交通事故のことをとてもよく知っていて、彼らが無事なこと、呪いには呪いで対抗し、命を救ったと言って一方的に電話を切った。
ミリスの電話があった時から1時間が過ぎたころにまたザ・シャトーからの勧誘の手紙が届いた。
矢澤がそこに転入しなければ次はミリスから狙うと書かれている。
彼は両親の件、ミリスのことを鑑みてしぶしぶと転入を承諾することを呟いた。
すると転入のための書類がすぐに届く。
「兄やん・・・」
矢澤が驚いて後ろを振り向くとそこにはミリスが居た。
「ミリス……お前背高くねーか?」
「久しぶりの挨拶がそれか兄やんは・・・」
彼女はあきれながらも、189cmだよと答えた。
「ちなみに体重は?」
「93・・・」
矢澤の質問に素で答えたミリスはその長身から忘れて忘れてと彼の頭を叩く。
矢澤の身長がミリスよりも低いせいで柔らかい感触が彼の体に当たる。
我を取り戻したミリスはコホンと咳払いをして彼に今の状況の説明を始める。
「兄やん・・・、実は兄やん達の家族はザ・シャトーと敵対する組織に狙われている」
「なんで?」
矢澤の問いにミリスは言いにくそうに答える。
「実は私の前世が、その組織のトップの前世に好かれていたんだけど・・・、私が彼を拒否したの・・・」
ミリスは続けて言った。
「私よりも私に前世で関係のあった人を苦しませるのが一番私を苦しませると・・・」
彼女は矢澤を抱きしめ、耳打ちをする。
「兄やん・・・私は前世からずっと好き・・・」
矢澤は少し考えて言った。
「お前、身長サバ読んでるだろ」
ミリスは矢澤から身体を離して、赤面しながら192だと答える。
ミリスは咳払いをして「兄やんは私のことが好き・・・?」と聞いた。
「妹みたいなもんだし、嫌いじゃないよ」
「兄やんのバカ・・・」
彼女のアプローチに気づかない彼はどうしようもない鈍感だ。
あまりの鈍感さに業を煮やしたザ・シャトーの職員は無理矢理矢澤を引きずり込んだ。
ミリスもそのあとに続いていく。
ザ・シャトーに入った彼らは学校の教室のような場所に居た。
いや、ザ・シャトーは学校なのだから教室であることは疑いようのないことだ。
「兄やん・・・ここが私が通っている学校だよ」
「そうなのか」
「兄やんは冷静だね」
「小さい時からミリスに驚かされていたからね」
「で、ミリスが急に出てきたり、引きずり込まれたりしたのはあれも呪いなのか……?」
「ふふふ・・・あれは魔法だよ・・・」
呪いの専門校なのに魔法と矢澤は疑問に思った。
「兄やんが私のモノになれば教えてあげるよ・・・」
ミリスはからかうような笑みを矢澤に対して向けている。
彼女の笑みは妖しく美しく、見る者を狂気に陥れる。
はずだった。
矢澤は彼女の笑顔の取り込まれず、狂気に満ちた彼女の愛に溺れることも堕ちることもなかった。
そう!彼は1000年に1度現れるか分からない鈍感男だ。
ギャのルゲの主人公すら呆れるであろうというぐらいの鈍感である。
それというのも幼少期から彼女の魅了の術を受け続けていて、恋愛という人間の本能そのものに免疫が出来ているのだ。
睡眠薬を飲み続けていると、だんだんと効かなくなってくると同じような現象だ。
彼が異性に興味がないと言えば嘘になるが、恋愛という行為に興味が沸かないのだ。
「兄やん・・・適当なところに座ってくれ・・・」
ミリスは席につくように彼を促し、矢澤が座るとどこからか水筒とコップを取り出た。
彼女はただの紅茶だよと言ってコップに注ぐ。
矢澤がそれを飲み干すと急に眠くなり、意識が途絶えた。
ミリスは矢澤を彼女の部屋まで運び、自身のベッドに寝かせる。
彼女は矢澤を抱きしめるようにして眠りについた。
夜が明けるころ、へぼっ・・・という謎の呻き声が矢澤の目覚ましになった。
ミリスの背が伸び、彼女の頭の方にあるベッドについた引き出しの取っ手に頭をぶつけたのだ。
矢澤が彼女の方を向くとかわいらしいパジャマの間からへそとパンツが覗いていた。
「頭と腰と背中と膝が痛い・・・」
「ミリス、頭はともかく背が急激に伸びてる」
彼女は矢澤の言葉に頷き、ゆっくりとベッドから降り、身長を測る器具に乗る。
それは彼女の背を199cmと示していた。
彼女が体重計に乗ると、それは94.7と示している
「あれだけ気を付けていたのに太った・・・!?」
矢澤は違う違うと手を横に振り、背が大きくなって、胸が大きくなってると教えた。
「兄やん・・・優しい・・・」
彼女は顔を赤らめる。
少し冷静になって彼女は考える。
クローゼットを開け私服、制服を漁るとどれも彼女のサイズに合わなくなっている。
ジャージのズボンをパジャマの上から合わせるとギリギリ入るが、くるぶしより少し上の場所まで出ている。
「外に出れない・・・」
彼女は学校に電話し宅急便が来るまで休むと伝えた。
ミリスが太っているならともかく、痩せているからちょうどいサイズがないのだ。
太っていると思うかもしれないが、矢澤を運べるほどの腕力があり、胸も大きめ、髪の毛を特殊な形に束ねても膝下まである。
彼女を禿にして、貧乳にしたところを想像してみよう。
髪の毛は40cmでだいたい125グラム。
彼女の身長を2メートルとしよう。
最低でも彼女の身長と同じ長さはないと出来ない。
髪の毛だけ625グラムもあるのだ。
胸は大体体重の1パーセントというが、彼女の背でCカップなので2パーセントとみていい。
約4キロだ。
彼女の実質の体重は先ほどの体重計の結果から4.6キログラム減らすと出る。
この結果からボンキュッボンだと言うことが出来る。
矢澤は彼女の背丈に似た知り合いがおらず、彼女のサイズに合う服屋を知らない。
ミリスはジャージにとりあえずということで着替えようとする。
いや、着替えた。
矢澤は普通に見てた。
異性として見れない故の行動だ。
ミリスは矢澤の朴念仁に呆れていた。
「おかしいな・・・」
と彼女は呟いた。
彼女は矢澤に小さい時から魅了の術をかけていたことを知らない。
当時の彼女はお兄ちゃんが大好きなだけで、自ら術をかけていたことを知らないのだ。
割と期待してる。
ていうか身長2メートルってでかいな〜(小並感)