昔、世界には七つの国がありました。
1つは七つの国最大貿易国『セルト』。
1つは七つの国最大の面積を持つ『ガイデリア』。
1つは七つの国最大の経済的な豊かさを持つ『フィリー』。
1つは七つの国最大の歴史を持ち今や鎖国状態の『ドルコリル』。
1つは七つの国最大の力を持つ『ストロンス』。
1つは七つの国最大の頭を持つ『デナ』。
そして最後の国、小国の『ジェリア』。
ドルコリルの書物によると昔七つの
国はお互いに仲良く助けあっていまし
た。ですが、そのうちにその国によっ
て人種やジョブ(仕事)も変わってきて
しまい七つの国はあっという間に敵国
として独立してしまったのです。今や
何の才もないジェリアは滅亡の一歩手
前。これは、そんなジェリアに生まれ
た天才的な魔法使い(ドルイド)のアリスの話。
「レイン!」
アリスが叫ぶとたちまち空には雨雲が広がり干ばつにより痩せ細った大地に恵みがもたらされた。
アリス・スカーレス(15歳)はこの狭いジェリアの地に生まれた唯一の天才魔法使い(通称:ドルイド)だった。
幼き頃母親が病で死に、父親は最大の敵国、ストロンスにより捕らえられ処刑されるという過酷な環境で育ったアリスはその金髪の綺麗な髪と真紅に染まった目から12歳まで火のドラゴンに育てられたという。
「アリス、凄いわね。とても素敵よ」
アリスの友、ユーリアはそのふんわりとした薄ピンクの腰辺りまである髪を揺らしながら近づいてきた。彼女耳は猫だ。そう彼女は亜人。子猫のような軽やかな動きを得意とする。
「芸術センス0。ぶっきらぼうすぎだ。アホアリス。」
「何それ!。あんただってないでしょーが!馬鹿ライ!」
アホアリスとさけでんできたのはライだった。ライもまた、ドラゴンに育てられた人物であり、その抜群の運動神経と魔法センスがプラスとなり今や立派な魔法戦士だ。
「あら、喧嘩はよしてくださいな。めんどくさいですわ。」
ユーリアがいった。彼女はどうやらそういうのが嫌いらしい。さすが猫。性格が出ている。その、笑顔も怪しい。絶対猫被ってる。
そのときだった
いきなりアリスの視界は揺らぎ、アリスは倒れてしまった。平行だった地面が曲線となりやがて、何かを叫んでいるユーリアやライまでが見えなくなっる。そして次第に暗くなりアリスは意識を失った。
「ーーーーーーー」
何かが聴こえる。物音?違う、人の声だろう。ゆっくりと目を開ける。でも、アリスにはこれが何処なのか何の声だかわからない。この声の響き、音色、優しさを何処かで感じた、そう心で唱えた。そう、誰もが知ってる感覚。アリスの心に言葉が浮かんできた。
ーねぇ、そこで私に囁いているのは誰?ー
その瞬間、左の手の甲が熱くなった。熱い熱い熱い熱い。見ると、手に魔法陣が浮かんでいる。そうか、ドラゴンなんだ。ドラゴンが私に囁いているのね。確かにこの感覚はとアリスは感じていた。大好きな大好きな私のマザー・ドラゴン。その名はーーー。
目が覚めた。
「「アリス!」」
ライとユーリアが叫ぶ。ユーリアが抱きついてきた。ふわふわの白い耳がアリスの頬に当たる。そして、わずからがらに泣いている。ああ、目が覚めたんだ。アリスは感じた。
そのあと、アリスは温かいスープを飲ませてもらい家へと帰った。帰る途中ライが、おぶってくれたのはびっくりした。ライの行動にはいつも脅かされてる。
初めて会った時、銀色の後ろで少し結んでる髪も紫と緑のオッドアイも、料理ができて私より100倍美味しかったことも、昔は私より小さかったその背も今は20cmくらい抜かされたことも全部全部。
でも、下ろした後、重かったと言われたのは許さない!アリスは心で叫んだ。
「アリス、いるかい?」
ドア越しに低いしゃがれた声が聞こえた。そしてその後に続いて、
「アリス様、お願いでございます、いらしゃって」
という、甘い綺麗な声も聴こえた。
アリスは待てよと思った。女王と長老ではないか?。ドアを開けると、金髪のあの女王、ディアーナ・ア・ルビアーナがいた