おっさん女子日本代表と愉快な仲間達

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1:匿名:2015/03/24(火) 15:36 ID:3Y.


____この学校には、見る者全てを魅了するほどの美少女生徒がいる……

最近ここ、小堺学園で囁かれる有名な話だ。

あくまで「噂」ではなく、本当の話………
その証拠に、今日も屋上の一角にはたくさんの人だかりができている

「おい……見ろよあの子!」

「わあ……!
噂通りだな………美少女って………」

頬を赤く染めた男子生徒たちの目線は、すでに一点にしか向いていない
男子生徒だけではない
屋上に集まっている者皆が皆、その一点を食いつくように見つめている

皆の視線が行き着く先を辿ると、日陰の隅に横たわっている体が目に入る

………そしていま、その体がむっくりと起き上がった

___太陽の光を受けて輝く、白金の長髪

長い睫毛の下に覗くのは、髪と揃った色の、金剛石のように煌めく、大きな瞳
雪のごとく真っ白な肌を一層際立てているのは、この紅の唇だろうか

「ふぇ…」

小さく首を傾げ、今おかれている自らの状況を考えているようだ

そして、そんな姿さえも愛らしい
小柄で可愛らしい体つきをしているが、胸だけは大人顔負けの大きさだ

「………みんな……?
どうしたの?」

固まっている周りを見て、少女はまた首を傾げる

今度は、人差し指をほおに当てて。

「「か…………」」

「蚊?」


「「可愛いいい!!!」」

……

………確かに、少女の美貌は全校生徒をも魅了してしまうもののようだ。

「ふ、ふぇ?
僕、可愛くなんかないよ………?」

…おまけに無自覚といただいた。
鈍感少女なんだな。きっと。

_______少女の名は、岡本アリスと言う。


この少女が主人公ならば、周りはモブ。

アリスきっと、イケメンに囲まれながら逆ハーレムのような日々をすごすのだろう。
将来は美男と幸せに暮らしたり………ロマンチックな展開も、あるかもしれない。

が。

…………誠に残念ながら、岡本アリスは主人公ではない。


そう、その頃。
アリスがちやほやされてるちょうどその頃、等の主人公は…………


「ぶぇっくしょーい!!」

胡座を掻きながら、ゲームコントローラーを握っていた。

2:匿名:2015/03/25(水) 11:48 ID:3Y.


紺色のコントローラーから、コードを伝って繋げられた箱型テレビ。
この二つのものの共通点は、どちらも薄汚れていることだろうか。

……箱型テレビの画面は今はまだ真っ暗で…………画面の目の前にいる少女の姿を、映し出している。

「………フン」

その姿を鏡代わりマジマジと見て、少女は憎々しげに鼻を鳴らした。
少女が首を動かすと同時に、画面に映ったその姿もまた首を動かす。

「どこの落ち武者かと思ったら、アタシかよ」

(女子とは思えないほど)ドスの聞いた低い掠れ声で、ため息混じりに少女は呟いた。

______ピョンと、ところどころ跳ねた黒髪。

その髪が地味に茶色がかっているのが彼女の自慢らしいが、正直どうでもいいと思う。
肌は白めで、よく言えば色白、悪く言えば不健康と言ったところだろうか……

瞳は淀んだ黒、やる気のない半開きの目………
アンハッピーセットで、隈と青白い唇も付いてくる。いらねーよ。

服装は、上はジャージ、下はスカート_____本人いわく、シワは入れないように常にアイロンがけしているらしいが………

もう一目見てニートである。学校入ってる分まあマシだとは思うが。
良くてもおっさんとしか言えない………不思議。

彼女の辞書に「おしゃれ」と「女子力」を書き入れてくれなかったのは、神様のイタズラだろうか。

「うぃ〜……対戦すっぞー」

少女が掛け声すると、何人か少年・少女がやって来て………
その中から1人、少年が出てきた

「えー……雅か……まーいーや」

「なんで嫌そうなんだよ………
ってもうスタートかよ! はえーよ!」

いつの間にか出ていたゲーム画面に向かい、少女はコントローラーを動かす。
少年も慌てて彼女の側に座り、ゲームを始める……


______柳 クレア15歳、高校一年生

・彼女にあるのは、ゲームとアニメに対する熱意と、愛情のみ


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