いつも聞こえる、心の中からの声。
小さい頃の私は、それが怖かった。
登場人物
水無月真綾
9人の人格を持つ少女。
泣き虫の雅、照れ屋の明日香、寂しがりやの波瑠、頭の良い美奈、冷静な彩、焼きもち焼きの裕、あわてんぼうの波。
後の2人は男だった。
スポーツ好きの陽向、いつも怒ってる蓮
真綾は、小さい頃作り出した人格のせいで、心さえない。
宮野翔
真綾の人格を、直ぐに見抜くことが出来る。
優しい性格で、相手が誰でも、どんなやつでも、相手になる。
小さい頃から、真綾と一緒にいて、真綾の事で知らない事は無い。
いつも思っている。
私は誰≠ニ・・・。
小さな頃から、人格を作り続けて、今では自分が誰なのかさえ、わからない。だけど唯一の光である、翔の顔は、どの人格の時でも、必ず目の前に居てくれる。
手を差し伸べて、優しい笑顔を浮かべている。
そして、強く抱きしめて、大丈夫だよって言ってくれる唯一の人。
「おはよう、翔君。」
今、翔に声を掛けたのは、同じクラスの柳川さん。目がクリッとしていて、髪は胡桃色のふわふわだ。家の学校でも人気がある女子。
その時、私の中の人格が、表に出た。それは裕だった。ヤキモチでも焼いたのだろう。裕は翔の元へ行った。
「翔、おはよう。」
精一杯の笑顔を見せたかと思うと、翔の腕を掴み、用具室の近くまで走った。
「どうしたんだよ、裕。」
「私がヤキモチ焼きなの知ってるよね?翔は・・・。」
裕は、溢れてくる言葉をそのまま口に出す。私は、その流れを唯唯見守っていた。
「俺が好きなのは、真綾だけだから。」
するっと口に出した言葉は私の中の人格が反発するような言葉だった。私の胸に届いていたとしても、今のままでは絶対に無理だろう。
「私は、真綾の中の人格なのよ。それに真綾は人前に出て来ないもの。」
裕が、寂しそうな目をしながら下を向き、そう言った。本当にその通りだった。授業の時は美奈、体育の時は陽向、友達と話すときは波、男子と話すのは連。と出す人格を使い分けているが、私自身の人格は、出した事がない。
事の発単は覚えてないけれど・・・。
「それは知ってる。俺だって、あんな事言いたくなかったんだ。・・・ごめん、裕」
と言って、私の体を抱き締めた。
「ちょっ、翔くん。」
今度は、照れ屋の明日香が裕と入れ替わって出てきた。
それから一緒に教室に入った。
「おはよう、真綾ちゃん。」
「おはよう。」
朝入って一番に声を掛けてきたのは、木蛹さんと上松さん。
「おはよう、綺那、三成。いつも言ってるじゃない。私は波。」
「ごめん、波。」
「ううん、大丈夫。」
二人に笑顔を向け、席についた。
「そいえば、借りてたこれ、返すね。ちょー面白かったよ。」
三成が、ママレードボーイの本を私に返してきた。それを受け取りながら、
「そう言ってもらえると嬉しいな。じゃぁ、今日違う漫画持ってきたから読む?」
「読むー。題名何?」
「何だったかなぁ。確か『みゆき』って言う題名。」
「あだち充の?」
「うんそう。」
「読みたかったんだ。有難う。」
三成が、ポニーテールの揺らしながらジャンプする。その後、小さくて、とても深いため息が聞こえた。
「どうかした?綺那。」
「実は・・・」
「ん?」
「今日の昼休みに話す。屋上に来てくれない?」
「了解。」
「さあ、聞かせてもらおうかな。」
ちょっとした検討はついているのだろう。波は、赤くなった綺那の顔を見ながらそう聞いた。
「好きな子が居るの」
「そか。やっぱりね。」
「うん。・・・、それが・・・。」
「ん?」
「宮田くんなの・・・。」
「宮田・・・?あぁ、宮田蒼紫?」
「うん。」
宮田蒼紫。2ーC。
顔はイケメンで、優しくて、頼れる。木蛹さんが好きになるのも無理はない。
「つい最近まで、普通に接してたの。でもね。あたし、小説書いてるじゃない?」
「うん。」
そう、木蛹さんは小説を書いている。私自身、木蛹さんの小説は好き。呼んでいるのはほとんど波。
「それで、この前図書館で。『何書いてるの?』って聞かれて。小説って答えたの。からかわれるかと思った。・・・でも。『見してくれない』て言ってくれたの。」
「よかったじゃない。」
「うん・・・。でも、厳しいよね。」
「何で?」
「彼も小説を書いてるらしいの。だから、駄目出しされちゃった。」
「そっか。」
「うん。」
そんな時、チャイムが鳴った。
「帰ろっか。」
「うん。」
面白いです!人格の一人一人がまだ覚えれません。
けど頑張ってください!
ミナさん、コメントありがとうございます。
実は、私も人格を覚えて居ません(笑)
「どうした、そんな顔して。」
と、翔が隣りにやって来た。
「いえ、なんでもないのよ。それより翔。頼みがあるんだけど。」
「ん何?」
美奈は耳元で囁くように、翔に言った。
『友達の一大事なの、手伝って。』
と。
「了解。真綾がそう望むなら、俺は何だってやってあげる。」
「有難う、翔。」
そこに、神谷孝宏がやって来た。
顔はそれこそ、ジャニーズ系で、男女問わず人気のある。
「水無月、ちょっといい?」
「うん、いいけど・・・。じゃぁ、翔。そう言う事だから。」
人格は美奈のまま、神谷くんについて行く。
「俺、水無月の事ずっと前から好きだった。十人人格があることも知ってる。」
と神谷くんに言われたのだ。勿論、その告白には答えられない。私自身が、翔の事を好きだからだ。これ自体は十人人格だろうと何だろうと、変えることは出来ない。
「・・・何で知ってるの?」
美奈は、彩と入れ替わり、今は彩だ。
「今は、彩だろ?そしてさっきまでは美奈。」
「なんでそれを・・・。」
「さて、どうしてでしょう。」
私の事を見抜けるのは、翔だけだと思っていた。だけど違った。他の人でもいとも簡単に見抜けられたのだ。
ドンっと、私の顔の横に手を置いた。いわゆる壁ドンという事だ。
「だから、俺にしなよ。」
「真綾から離れろっっっっ。」
と言う声が響いた。聞きなれている声で、だけど聞きたくなかった声。
ー翔だった。
「たんまたんま。宮野君、僕≠ヘ何も。」
「じゃぁ、どういうつもりだったのかな?」
「ふっ。」
隣から、吹き出したように口元を緩め、小さな声でこう言った。
「好かれてんじゃん。」
「ごめんごめん。そんなに怒らないでよ。僕≠ヘ何もして無いから。」
じゃねー、と手を振りながら屋上から出ていった。
神谷君が出て行ったあと、翔は私の方へと来て、こう言った。
「真綾、何かされたのか。」
「ううん。助けてくれて、ありがとう翔。」
今の人格は、本当の真綾だった。翔はそれに気付いたのか、私をギュッと抱きしめた。
「良かった。お前に何かされたって思うと胸が張り裂けそうなくらい傷んだ。」
顔をしかめながら、私にそう言ってくれる。私も、自然に、翔の背中に腕を回した。
この人は傷付けてはいけない。私の思考はそう告げていた。
登場人物〜追加編〜
木蛹 綺那
女子力が高く、男女問わず人気のある性格。
髪は、腰ぐらいまで伸びていて、それを大きく三つ編みで束ねている。
好きな人→宮田蒼紫
上松 三成
性格は、のんびりしていて、悠長。顔は可愛いから、毎日一回は告られているらしい。
髪は、お尻よりちょっと下まで伸びていて、それを頭上で団子をし、おろしている。
好きな人→?
神谷 孝之
一人用語は、僕と俺。性格は、人によって使い分ける。
髪は、前髪を伸ばして、それを固めて横に流している。女子には、外見からして好かれて居るが、本当の性格を知って、分かれることの方が多い。
好きな人→真綾
宮田 蒼紫
本編ではまだ登場していないが、性格はおっとりしていて、頼りやすい。それに、外見も超が付いてもいいほどのイケメン。
今時の男子には珍しい長髪で、歌もうまい
好きな人→?
くっつくのは、真綾と孝之となります。
そこにたどり着くまで、まだひと波乱やふた波乱起こりますが、よろしくお願いします。
それから二ヶ月が過ぎ、遂に待ちに待った修学旅行がやって来た。3泊5日と言う、短い間だけど、東京に行く事に成った。
私達が住んでいるのは、岡山だから、東京に行くのは本当に楽しみなんだ。それに、小豆島にも行くことになっているから、益々楽しみだ。
そんな中、今日はバスの席決めをした。隣の席は、神谷孝之。翔とは、席が遠い。
しかも、隣が神谷くんだなんて。
「よろしくね、彩ちゃん。」
又、私が今、誰の人格かを当てた。この人が、何考えて居るのか到底理解できない。
「真綾ちゃん。席、近いね。いっぱい話そう。」
そう言ってきたのは、上松さんだった。その後ろには、木蛹さんと、宮田君が居た。
「うん。楽しみだねー。修学旅行。」
着々と準備が進み、部屋割りも決まった。
男子と混合で部屋を使う事になり、一部屋に5〜6人ずつ入る事と成った。
私達は、六人グループ。
女子は、私と上松さんと木蛹さん。男子は、神谷くん、翔、宮田君に成った。
❮蓮❯(また、あいつと一緒かよ。)
❮波❯(私、神谷くん嫌い。)
❮陽向❯(俺は、あいつかっこいいと思うぜっ?)
❮彩❯(陽向っ、何言ってんのよ。真綾を惑わすことばかり言って。)
と、心の中で、呟いている。私は、一体誰を信じていいのか、分からなくなった。
そんな時
「どうかした?真綾ちゃん。」
神谷君が、唇の端を持ち上げ、うっすらと笑みを浮かべながら聴いてきた。
そして、耳元でこう囁いた。
「今、波の人格と蓮の人格、それと陽向の人格と、彩の人格が交互に喋ったんだろ?」
私は耳を疑った。
今、起こったことが全て詠まれている。
「っ・・・」
「真綾、どうかしたのか?」
翔が、声を掛けてきて、しゃがみ込みそうになったのを堪えて、大丈夫≠ニ答えた。
「大丈夫って顔してねぇだろ。」
翔はそう言うと、私を抱き抱え、先生に
「保健室に連れていきます。」と、一言だけいい残すと、教室から出た。
後ろからは、冷やかしの声が聴こえ、その後意識を失った。
目が覚めるとそこは、一度だけ見た事のある、保健室の天井だった。
私は、重い体を持ち上げると、ベットの隣の籠に掛けてある、カーディガンを取り繕った。
そして、締め切って合った、カーテンを開けると、そこには、待っていたかのように、翔が立っていた。
「帰ろっか、真綾。」
「・・・うん。」
私は、さっきの事も、今までの事も、何も話さぬまま、ずっと黙っていた。
自分で自分を卑怯だと思った。
好きな人は、翔の筈なのに、肝心の事は何も言えない。
そんな自分が、本当に嫌だった。
そして、修学旅行の当日。
私はいつもより早く起きて、お弁当の準備をした。今日はサンドイッチとデザート。
サンドイッチの具は、レタス、ハム、チーズ、トマト、卵。
デザートは、ちょっと手間が掛かるけど、ゼリーの上にホイップクリームを乗っけて、その上に、チェリーを乗っけた。
お菓子作りは昔から好きで、パフェとかミルフィーユ、それからケーキも家で作っている。
お菓子作りの中でも、一番好きなのは、ロールケーキ。
最近ではそれで、動物の形を作ったりしている。
「うん、完成ー。」
私は綺麗にラッピングすると、学校に行くため、予め準備しておいたバックを持つと、行ってきますといい、家を出た。
「おはよう、真綾。」
「おはよう、・・・って、翔くん?」
「驚かせた?明日香。」
「驚いたじゃない。翔くん。」
家を出て直ぐ、翔に出会った。家も隣だし、偶然会うこともある。まぁ、何時も一緒に学校に通ってるから、偶然って訳じゃ無いけど。
「父さんが、送ってくれるらしいから、行こう?」
「うん。」
翔のお父さんは、宮野翔。字は一緒だけど、かけると読む。おじさんは、昔ブラストと言うバンドを組んでいて、ベースを担当していたらしい。同じ仲間の、永瀬奏や宮磨汐、城崎憂辭さんたちは、前に会ったことがある。
今は、汐さんと憂辭さんともう一人の新人がブラストとして、頑張って居るらしいの。名前は、廣瀬唯斗と言う。一度だけ会ったことがあるけれど、歳は同じ位だった。
「・・・あや、真綾?」
「えっ?あぁ、ごめん。翔。何?」
「嫌、着いたから・・・。」
「あっ、着いたの?」
「どうしたの?真綾ちゃん。ぼーっとしちゃって。」
と、かけるさんが聴いてきた。
「いっ、いえ。送ってくださって有難う御座いました。」
私は礼儀正しくお礼を言うと、車から降り、ドアを締めると、集合場所へと向かった。
「おはよう、波。」
「おはよう。」
いつも元気な上松さんと、最近付き合うようになった木蛹さんと宮田君が話し掛けてきた。
「おはよう、三成、綺那。それから宮田君。」
今は、6時45分位だ。出発迄、あと指を織るほど。神谷くんはと言うと・・・。他の人達と話し込んでいた。私には見せたことの無い、屈託の無い笑顔で笑っていた。・・・ていうか、何で私はあんな奴の事を・・・。
「どうかした?真綾?」
「んーん、何でも無いの。」
「ならいいけど。」
不安そうだったけど、何故か話を切り上げてくれた翔。
今は、その心遣いが有難かった。
そして、出発時刻になり、バスに乗り込んだ。
勿論、私と神谷くんは隣同士。左側の5列目。
神谷くんが、車に酔い安いらしいから、前の方にしたのだ。私は勿論車酔いや、船酔いはしない。確かに、コーヒーカップとかでは、良く酔うけれど、吐き気とかはしない。
「何考えてんだよ、バーカ。」
神谷君がデコピンをしてからそう言ってきた。
「何も・・・。」
ちょっとヒリヒリする額をなでながら、そう言った。
「嘘付け、俺が酔い安いやら何やらって思ってただろ?」
ぎくっ。
私は図星で声も出なくて、ただ固まっていた。
「図星だって顔してるぞ?」
私の頬をツンツン突きながら、屈託の無い笑顔で笑っていた。私は、かぁっと頬を染めて下を向いた。
「もう直ぐ、岡山駅です。皆さん、荷物を御忘れなきように。」
と、担任の先生が言う。それを聴いた皆がガサガサと動き初めた。勿論私も、ナップと、ショルダーバッグを持つ。
東京には、新幹線で行く。胸を躍らせるようなワクワク感。新しい土地に行くドキドキ感。そんなものを感じ乍、バスを降りた。
「んー、やっぱり都会だねー。」
町中を見廻しながら、木蛹さんが言う。
此処は、東京の新宿。まず、一日目は東京市内を転々と回る。二日目は、ディズニーシーで、遊んだり、お見上げ買ったりする。三日目は、フェリーで海を渡り、小豆島を散策する。
4日目は、決められた市内で、買い物する。
修学旅行だから、自由に出歩けないって言うのが玉に瑕かな?
でも、4日目は、銀座でお買い物だから、凄く楽しみ。それに、読みたかった本も買える。
一石二鳥って所だ。
「なに、浮かれてんだ?」
何時のまにか、私の隣を歩いていた神谷くんが、そう問いかけてきた。
「何でも良いでしょ。」
「まっ、いいけど?」
と、意味不明な態度をとって、前を向いた。
❮陽向❯(なっ、いい奴だって言ったろ?)
❮連❯(俺は気に食わねーけど)
❮波❯(私は、陽向の意見に賛成)
❮明日香❯(私も///かな)
❮雅❯(私も)
❮美奈、裕、波瑠❯(私も)
❮彩❯(私は、連の意見に賛成。)
私の心の中で、また井戸端会議が始まった。いつものことで、もう慣れたが、いい加減鬱陶しい。
私はふと、前を歩いている、神谷くんをみた。
読ませていただきました。
二度言うのもなんですが、こちらの作品でも不可解な言い回し、文章構成が目立ちました。
かろうじて登場人物設定と照らし合せて理解することができましたが、妄想をそのまま垂れ流しているような、あまりに自己中心的すぎる文章だな、というのが読んでみての感想です。
少なくとも他の人が読むことを考えた文章とは思えません。
もっと内容を見て、と言いたい作者様の気持ちは分からなくもないですが、それ以前に小説として、文章として成り立っていないので評価することができません。
1つ言えることがあるとすれば、人格が瞬時に変わり続けるキャラを、それも主人公として書くのはどんなプロでも不可能かと思います。
主人公は語り部です。よく考えて物語を練ることをお勧めいたします。