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今宵の月は恋暦
ジャンルは学園ラブコメ(?)を想定しています
多分需要がなければ長く続かないと思います^^;
コメントなど感想下さると嬉しいです^^
character
廣瀬 響華 Hirose Hibika ♀
湘蘭学園中等部2-S 美術部所属
普段は大人しい性格だが、仲のいい友人とは明るく接する(結構毒舌になる)
颯へ密かに想いを寄せているが、告白するつもりはない
status 成績○ 読書が好き 運動神経×
御神 颯 Mikami Hayate ♂
湘蘭学園中等部2-R サッカー部所属
いつもはクールな性格だが、結構騒がしい一面もある。
響華とは幼い頃から知り合いで、現在は塾も一緒。
status 成績○ サッカーが好き 運動神経○
松嶺 魅羅 Matumine Mira ♀
響華のクラスメート 美術部所属
響華の親友
周りからはぶりっ子と言われ、嫌われており、響華も嫌気が差している。
しつこい性格で先生にまとわりついては猫をかぶっている
status 成績× 運動神経△
宇夏美 美亜乃 Ukami Miano ♀
響華のクラスメート 帰宅部
魅羅と響華の親友
明るい性格で、ツッコミ役になる事が多い。響華は本当に友達なのか迷っている。
status 成績× 運動神経×
石等場 一誠 Ishiraba Issei ♂
響華のクラスメートで隣の席 バスケ部所属
成績優秀で運動神経もよく、人格が良いので人気
status 成績○ 運動神経○
情野 美英梨 Jouno Mieri ♀
響華がよく行くカフェ『ROSE亭』のオーナー
響華の相談にのってあげたりと、面倒見がよく優しい
T章 side by side 〜サイド バイ サイド〜
入学式から何ヶ月かして、もう五月が終わろうとしていた。
この頃になると定期テストと校外学習という2大イベントがある。
まだ六月だというのに、日差しが強かった。
猛暑とまではいかないが、この季節の気温ではない。
「あっつ……」
下敷きで仰ぎながら読書をした。
何とかして暑さを凌ぎたい。
あいにくエアコンは許可が下りておらず、使用できない。
「ひぃーびぃーかぁーっ」
真剣に一文字を大切に読んでいると、甘ったるい声がした。
魅羅がこちらに近寄って、私の机に寄りかかる。
私はムッとし、読書の邪魔をするなと心の中で、否、少し声に漏らした。
「何?読書の邪魔はしないでって言ったよね?」
「だってぇー、暇なんだもん」
私が半分怒っているのにも関わらず、平気で甘えてくる。
「何か用?無いなら私読書するから」
「ちぇーっ」
何か不満そうに口を尖らせると、しぶしぶ美亜乃の席へ行った。
まただ、またこんな態度をとってしまった。
いくら本音とはいえ、少し抑えるべきだった……
こんなんだから
こんなんだから友達がいなくなってく――……
翌日、普段家の前で待っている魅羅がいなかった。
いつもなら私の家の前で待っていて、一緒に登校することになっている。
まぁ、それはそれでこちらも好都合だ。
暫く行くと、魅羅と美亜乃が並んで登校しているのが見えた。
「ライブのチケット当たんなかったぁー」
「うちもー」
人気アイドルの話をしているのだろう。
私が横を通りかかれば気づいて声をかけてくるだろうか?
無言で横を通り過ぎた。
……だめだった。
彼女達は完全に私を無視し、そのまま話を続けていた。
「おはよう」
挨拶を交わしても話はやめない、見向きしない。
所詮、私とあいつらはインスタントフレンド。
お湯を注げばすぐ出来るように、一声お世辞でも言っておけばすぐ友達。
自分はぼっちではないと主張、証明する、使い捨ての隠れみの。
新しい友達ができればすぐに捨ててそっちへ乗り換える。
「ちっ」
私は2人を抜かし、先に学校へと急いだ。
学校へ到着し、ロッカーに教科書を入れて準備を済ませた頃に2人が到着した。
まだ同じ話題で笑い合っている。
どんだけ長い話なんだ!
「来週のドラマ、ヤバくない!?」
「そーそー!主役の悠斗君が!」
美亜乃が私の前の席なので、必然的に魅羅もこちらに来る。
私の席の前でたまって話を続けていた。
私は何となくイラっとしたので、読みかけの本を置いて廊下へ行った。
「いらいらする……一旦トイレへ逃げよう……」
ざわつく教室をあとにして、私はトイレへ向かった。
「でさぁ、ゆいがー」
「えーっ、うそぉ!」
…………ここもかーっ!
陸上部だろう、女子達が香水をつけながらたまって喋っていた。
鏡の前で日焼け止めを塗っている奴もいる。
甘ったるい香水の香りがトイレ中に漂う。
「なんだよ、落ち着ける場所はねーのかよ!」
私は溜息をつきながら廊下へ出た。
ちなみにちょっと実体験入ってます☆
6:ぽち:2015/05/29(金) 23:38 ID:Vno
実体験ってすごいですね!
更新楽しみにしています★
ぽちさんコメントありがとうございます!
恋愛とかについては想像ですけど、友情の描写は実体験です
更新頑張ります!^^
私は諦めて教室に戻り、読書を続けた。
頬杖をつきながら、周りを気にせず夢中になって。
ふざけ合って絡む男子、悲鳴をあげて笑う女子。
全てシャットアウトして、私は読書を続けた。
つまらない学園生活が要約一日終わり、一息ついた。
安心するのはまだ早い、これから塾だ。
でも――……
学校ではクラスが違うけど、塾なら辛うじて彼に会える。
いつの間にか好意を寄せていた『彼』に。
いつも彼の追試が終わるのをさりげなく待って、彼を最後まで見ていたい。
「分かってるよ……んなこと……気持ち悪いってコトくらい……」
塾は高いビルの20Fにあり、全国でも有名な塾だ。
入塾テストも受けさせられ、ある程度の成績がないと入塾出来ない。
「あ、舞ーっ!舞の席ここだよーっ」
遠くから仲のいい友人を見ていると、なんだか虚しいキモチになる。
自分は話しかける相手も無く、参考書とにらめっこしているだけだった。
皆どこかの誰かしらの机に集まっては楽しそうに話していた。
羨ましい気持ちは認めるけど、私は別にどうしようもない。
なんか、私だけ孤立してる――?
何を今更!
私は孤立する覚悟で生きているんだから、今更何を……そう、今更……
私はぼっちがなんだ、別に人生に支障はないだろ、と自分に言い聞かせた。
高校になれば、きっと私も友達くらい……
「テストをはじめるー」
先生の一声で私はハッとした。
化学反応式テスト、漢字テスト、計算問題と、3つぶっ続けでやらされた。
定期テスト前なので塾も気合が入っているのだろう。
「答案取りに来てー90点以下は追試と補習ー。廣瀬さん満点ー御神さん90ー」
名前と点数を大声で言われ、一人ずつ得点表に点数が記入される。
赤い字が並んで恥をかかされる生徒もいれば
満点の緑字が並んで優越感に浸る生徒もいる。
そして私はその後者にあたる。
「あー、2乗をつけ忘れた!やべぇ、補習ギリギリだ」
返却された答案を見てため息をつく颯がいた。
席は私より後ろで、中々姿が見えない……
「今回の満点は石等場と廣瀬だけかぁー、追試と補習5人ー」
先生はため息をつきながら引き続き得点表に書き込んでいった。
*アンケート*
響華「読者も少ないのにアンケート?果たして何票集まるかしらね」
はじまって間もない小説ですが、人気キャラ投票を行います!
一位になったキャラは、そのキャラの特別番外編を書こうと思います
颯「いわゆる作者のネタ切れってやつだな、開始早々」
(ヴッ……正論……あ、集まらなかったら私が勝手に決めマース)
>>1のcharacterfileに掲載されている人物から一人選んで下さい
まだ数回しかやっていないので未描写のキャラもあります。
無理に急いで投票する必要はありません^^
締切は今のところ7月初旬までです!
颯は数学はギリギリ合格したが、理科のテストが補習らしい。
関係ない生徒は教室から追い出されるので、廊下で本を読みながら待った。
所詮塾の本棚、と甘く見たら大間違いだ。
洋書、訳書、日本文学、図鑑などは勿論、なぜかラノベと絵本まである。
私が本棚から手にとったのは、『The Catcher in the Rye』だった。
主人公が成績不振で退学になって飛び出るお話。
10分程待っただろうか。
もう本では主人公が学園を飛び出ていった所まで読み終えた。
それと同時に、颯とその他の男子女子の笑い声が聞こえてきた。
なんか――……
虚しい――……
「帰ろ」
ぶっきらぼうに本をパタンと閉じ、棚に戻した。
何、やってんだろ
どうせ待っていたって、見向きもされないんだから。
すれ違うだけで、彼は正面を向いているのだから。
私と彼の視線は、交わらない⊥(垂直)みたいなもので。
絶対に彼の棒が横になって、並行になることはない。
絶対に彼の棒が横にずれて、垂直になることはない。
もう、やめちゃえばいいんじゃない――?
上の>>12私です
匿名になってました><
もう帰ろうと駅まで行き、ふと夜空を見上げた時だった。
「綺麗な……三日月……」
図鑑で見るような、はっきり鮮明な月だった。
大きく、黄金に輝いていると言っても過言ではないくらいに。
カシャ
私はスマートドンを取り出し、何となく撮ってみた。
肉眼程ではないけれど、それでもいつもより高画質で映っている。
「月に神がいるって……本当?」
まだ月から目を離さず食い入るように見つめていると、電車が来た。
「あっ、いけない!」
ハッとして我に返ると、ドアが閉まろうとしていた。
「危ない……」
なんとか間に合い、電車に乗り込んだ。