それでも貴方が好き。

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1:マカロン:2015/06/01(月) 18:29 ID:nbk

それが…たとえ過ちだとしても、私
は、貴方の事が好き。キライになんて、
なかった事にするなんてできない…。




>>2キャラ紹介♪───O(≧∇≦)O────♪

2:マカロン:2015/06/01(月) 20:52 ID:nbk

キャラ紹介

名前/鳴海 亜李守 (なるみ アリス
年齢/14歳
性別/女
性格/大人しい子で、いつも本ばかり
読んでいる。まぁ、あまり目立たない子。
一人でいる事を好んでいるわけでは無いが、
人と関わる事が苦手。家では、部屋から
あまり出ない。部屋では、pcなどで
インターネットをしている。感がよく、
賢い子。
容姿/顔は、童顏なのに、大人びた雰囲気
が出ている。髪の色は、黒の強い紫。
長さは、肩くらいまで。(内巻き)瞳の
色は、上から、紫、下あたりは水色のグラ
デーション。あまり目立たない感じの子
というイメージを第一印象に持つ人が多い。
いつもギターの楽器ケースを持っていて
その中には、ギターではなく、弓が入って
いる。
備考/鳴海神社の娘。神社は、海の
近くにあり、神社から海を見れば、
とても綺麗。神社の手伝いをするときは、
巫女服を着ている。




名前/倉崎 聖亜(くらさき せいあ
年齢/14歳
性別/男
性格/運動は、そこそこできて、勉強は、
約200人中5位以内には入る天才。だが、
数学が苦手らしい。ニコニコ笑っていて、
友達も自然に周りにいるようなやつ。
アリスの事が気になっている。
容姿/明るい茶色の髪、そして、深い
緑色の瞳。制服をしっかり着こなす事が
出来ない。なので、シャツが出ていたり、
ネクタイが結べていなかったり、、、
先生に怒られる事も多々ある。
備考/倉崎寺の息子。
倉崎寺は、80年前に建てられた古い
寺。周りは、普通にマンションや、
コンビニなどがある。


名前/柏木 尋(かしわぎ ひろ
年齢/14歳
性別/男
性格/とても気さくな人。そして、とても
頭が悪く、約200人中、164位くらい。
だが、親には大して怒られない。親は、
共働き、寂しいと思っている。
容姿/黒に近い青に、水色の瞳。
特徴的なのは、いつも肩にある、
ヘッドホン。ヘッドホンがないと、
落ち着かないらしい。制服を着こなす
事は、100%不可能。先生たちも、もう
諦めたらしい。
備考/聖亜の親友。
アリスと遠い親戚らしい。だが、
尋は、知らない。アリスは、薄々気づいて
いる。←(教えてはもらっていないが、
なんとなくこの人……的な?)


【またキャラを増やすかもです‼︎】

3:マカロン:2015/06/02(火) 17:46 ID:nbk

ピピピッ…ピピピッ…
いつもどおり、朝5:40。
いつも通りの朝、いつも通りの時間。
でも、今日は、始業式。私みたいな
女の子じゃなければ、うきうきして、
新しいクラスで友達できるか心配で、
ドキドキするのだろう。でも、わたしは、
どんなクラスであろうと、関係ない。
だって友達なんて作らないし、クラスに
馴染もうとも思わないから。
「……めんどくさっ。」
思わず口からはそんな言葉が出る。
でも、本音だ。めんどくさい……
女の子なら、まず、大体の人がどんな
グループにはいるかを考えるのであろう。
さっきも思ったけど、友達なんて作ら
ないし……関係ないね。
「アリスー⁉︎起きてるのーー?朝ごはんできた
から、降りておいでーー。」
「はぁーい。」
私の部屋は、2階にある。いちいちいちいち
降りるの、めんどくさいんだよね。
……朝ごはんは、目玉焼き、味噌汁、
白ご飯。ザ・和食って感じだよね。
「いただきまーす。」
私は、いただきまーすと言うと、
ぱくぱくと無言でご飯を食べていた。
6:50
「行ってきまぁーす。」
そんな声とともに私は、学校へと
向かった。そして、やがて周りは
桜の綺麗な花でいっぱい。
「桜……綺麗ね…………。」
「あー、綺麗だな。」
突然横から声がした。
「……聖亜ね…何か用?」
「うわっ、その言い方ひでーな……
なぁ?一緒に学校行くくらい、いい
だろ⁇」
バカか、こいつは。
「知るか、そんな事。……はぁ、
貴方、一緒に行っていいって言う
まで、絶対に黙らないでしょ?」
すると、聖亜は、笑顔で
「……あぁ!そのつもりだが、
何か問題でも?」
「問題でも?って、こっちは問題
あるんですけど⁉︎……聖亜って、
私にはどこがいいのか全くわからない
けど、モテるじゃない。クラスの女子に
睨まれたり、からかわれたりするの、
すっごく面倒くさいのよ。」
私は、聖亜の事、苦手なのよね…聖亜
じたいが嫌いな訳じゃないけど、モテる
から。一緒にいると、クラスの女子に
面倒くさい事されるから。……まぁ、
朝早いし、少しくらい、今日はいいかな…
って思うけど……でも…
「なぁ〜?いいだろ〜?一緒に行こうぜ〜」
「……まぁ、少しだけならいいわy……」
「本当か⁉︎いいのか⁉︎……サンキュー‼︎」
聖亜の笑顔って、かわいいな。以外と。
私は、笑顔の聖亜を見て、そんな事を
思っていた。
でも…でもっ…私は、学校の誰かと
恋をする事は出来ない。……だって、
私たちの掟。……定めだから。もとから
決められている人と結婚なんかもしないと
いけない。……私だって、普通にっ……
みんなみたいに恋をしてみたいよ……。

4:マカロン:2015/06/03(水) 18:31 ID:nbk

「……⁇アリス⁇大丈夫か?」
聖亜が私の顔を覗き込んでいた。
「……フェッ⁉︎大丈夫っ!なんでも
ないよーっ!」
やばい。こんな、こんなくだらない
定の……掟の事なんか、話せるわけない。
「……そうか?つーかさ、アリス
気付いてなかったかもしれないけ
ど、俺たち同じクラスだよ。あ、
余計だけど、尋も一緒。」
「は?そんなわけないじゃない。
だって、一緒だったのは、尋だ
けだったもの。」
そうよ。嘘に決まってる。こんな奴
と同じクラスにならなくて、どんだけ
喜んだ事か…
「……あー…やっぱり。あの時、
アリスさ、外……空ばっかり見て
たから、あのな、最初は、3組だっ
たんだけど、間違いで、1組だった
らしい。」
「……あっ、あっそ!そんな事、
どうでもいいけどね。」
少し頬を膨らませて見せた。
「えー絶対に喜ぶと思ったのに…」
んー、内心、嬉しかったりもする。
だって、こいつの事、絶対に口とか、
態度には表さないけど、好きだもん。
でも、私は、掟……定めを守らないと
いけないんだ。
「……少しは嬉しい…………かも。」
と言った。結構曖昧な答え方なのに、
こいつは、それでも嬉しそうな顔を
して、
「……ありがとな、アリス。」
……なんか、恥ずかしいじゃない。
そんな名前なんて呼ばれたら…
さっきからなんとなく、意識…
なんか照れてるのに、そんな…
「…な、なんでお礼なんて言っ
てんのよ‼︎仲……いいんだから、
礼なんて、もう言わなくていい
んだよ。っていうか、こういう
のって、女の子、あんまり言わ
なぃょn……⁉︎」
聖亜は、私の口を優しく手で塞ぐ。
「…そんな事言うなよ。アリス
は十分かわいいし、女の子だよ。」
聖亜は、そう言うと、私の口から
手を離した。あれ?こいつ、、、
今、なんて?かわいいって、言わな
かった⁉︎
「聖亜?今……かわいいって、
言ったでしょ。」
そう言うと、聖亜は、顔を真っ赤に
染めて、焦りながら
「……えー⁉︎そ、そんな事言った
っけ⁉︎……あは、はははははは。」
「……まぁいいわ。そう言う言葉は、
私じゃない女の子に言いなさい。」
すると、聖亜は、
「…へ⁇……なんでだよ。」
「だって、私なんて、クラスでは、
友達なんて作らないし、っていうか、
めんどくさい。まず、気の合う
女の子っていう存在がないんだもの。」
すると、聖亜は、バカなのか、
「俺、女子のそのどろどろした関係
がよくわかんないんだよなー……」
と言って、頭の後ろで腕を組んで、
困ったような顔をしていた。
「……いいのよ。わからなくて。
もともとあんたの周りには、人が
寄って来やすいから。わからなくて
も、無理ないと思うわ。」
「なんだよ、それ。人が周りに
いるだけだよ。その全員が、俺の
友達って訳でもないんだぜ?
あと、アリスはさ、自分の事を、
ちゃんと知った方がいいよ。」
自分の事を……?全然意味が
分からない。
「……意味わかんないし。」
とボソッとつぶやく。そして、
いつの間にか教室についていた。
宿題を出して、カバンを鞄だなに
入れる。そして、私が無言で
教室を出ようとした時の事だった。

5:マカロン:2015/06/03(水) 19:29 ID:nbk

「待てよ、アリス。」
聖亜が、私の左手を掴む。暖かい…
とっても。でも、待てって……?
「……まだ何か用があるの?聖亜…」
聖亜は顔を真っ赤にしていた。なぜ?
私、何かしたかしら。でも、こいつ、
顔では嘘つけないやつだったわよね、
しかも昔から。とってもわかりやすい。
「……あのな、俺っ、アリスの事、好き
なんだ。……付き合ってとまでは言わねー。
だって、ほら、なんか家庭の事情的なのが
あるんだろ⁇……気持ちだけでも、伝えて
起きたくって…」
そこまで言うと、聖亜は、黙り込んで
しまった。2人しかいない教室が、
しんと静まり返る。
「…な、なんで知ってるの⁉︎掟の事…
私、14年間の中で、言った事ないっ!
生まれてから今日まで、ずっと、嫌だっ
たけど、隠してきた!それをなんで……
しかも聖亜が⁉︎」
「……あのな、俺…倉崎寺の息子って、
知ってるよな?それで、……だけど、
俺だって、知りたかった訳じゃねーよ。
親が、親が教えてきたんだよ。鳴海家の
掟は厳しいって…でも、隠してるアリス、
スゲー辛そうだったから。後、アレだろ⁇
いつか、その掟とやらで、夜鬼っていう
奴と、戦わないといけないんだろ⁇その、
楽器のケースに入ってる弓で。」
なんだ、そんな事まで知ってたんだ。
最悪。……私が、友達を作らない、
作れない理由のほとんどをこいつは
知っていたんだ。最初から。それを
知った上で、私とこんなに仲良くし
てくれていたんだ。思わず涙が溢れ
てくるんだ。人前で、泣いた事なんて、
一度もなかった。でも、友達っていうのが
とても楽しそうな事、友達のいる、心強さ。
そういうのに、憧れていたっていう事は
事実ではあった。
「……アリスッ⁉︎……なんで泣くんだよ!
泣くなって‼︎」
「じゃあなんで、……なんで知ってるなら、
知ってるって最初で言わなかったのよ。
こっちが辛い思いしてる事も、あんた、
知ってたんでしょ‼︎なら、なんで……?
なんで好きだなんて言ったの……⁇そ
んな辛いの知ってたくせに!知ってた
くせにっ!なんで黙ってたのょ……。」
この14年間……ずっと黙っていた事、
隠し続けてきた事、そういう重荷が
なくなり、ある意味、すっきりした。
私だって、聖亜の事、好き。好きなんだ。
でも、そんな思いを、伝える事は、絶対に
叶わない事だと思い続けてきた。
でも、私だって、こんなくだらない……
ウザったらしい掟にずっと従うのは
それだけは嫌だった。
「……ごめんな。俺、こんなつもり
じゃ……。」
そこで、聖亜は、気を失ってしまった。
……聖亜の首には、黒赤い蛇の模様が
浮かんできていた。
「……せ、聖亜っ⁉︎…へ、び?蛇の模様⁉︎
蛇鬼の呪い……⁉︎…」
私は、先ほどより、涙が溢れていた。

6:マカロン:2015/06/04(木) 17:56 ID:nbk

呪い……そんなもの、この世に
存在しないよ!という人が沢山
いるけど、案外、そう多くはないけど、
呪いっていうのは、存在してたりする。
でも、呪いをかけられる人物も、この世に
そう多くないのだ。世界中探して、やっと
確認されたのが、4人と言われている。
この4人のことを、四天王と呼ぶ。
4人というのは、あくまでも、しっかり
使いこなせる人の人数であって、まだ
下手くそだが、まぁ、使えるという人も
含めれば、20人くらいにはなるだろう。
………聖亜を助けたい。初めて、こんな
にまっすぐに私に気持ちを伝えてくれた
人だから…そして、聖亜に私も伝えないと
いけない事があるから…でも、今の私の
力じゃ、聖亜を助けられっこない。
しかも、聖亜の息は、もう消えてしまいそう
なほどまでになっている。…だが、
私も、一応呪いを使える。だが、呪いの
解除などは、最近やっとできるように
なったばかりだ。しかも、蛇鬼の呪いは、
私のような初心者では、到底解除できる
訳もなくて、、、解除できるとしたら、
四天王の誰かくらいだ。その時、
「……よーっすアリスちゃん、聖亜⁉︎……
アリスちゃん⁉︎聖亜どうしたんだよ⁉︎」
「……ひ、ろ?聖亜を助けてよ!蛇鬼の呪い
で、死んじゃうかもしれないのっ‼︎聖亜をっ!
お願いだから……お願いだから助けてよ…。
私なんかじゃどうにもできなくて。」
尋は、私の言葉を聞くと、聖亜の首筋を見て、
「……蛇鬼の呪いじゃねーよ、これ…多分、
その簡単にした初心者でもできるバージョン
だよ…。これくらいの呪いなら、俺やお前
でもどうにか出来るぜ。」
尋は、カバンから、カッターを取り出し、
左手の親指をスッと切った。そこには、
赤い線がまっすぐ滲み出てきた。
「……呪いよ、解けよ。」
そう言って、聖亜の首の、蛇の模様を
自分の血で見えなくした。すると、
聖亜の息は、少しずついつも通りに
戻って行き、落ち着いてきたのか、
すーすーと寝息のような音を立て始めた。
「……尋…ありがと。私一人じゃどうにも
できなかった。尋が来てなかったら、
私…わたしっ……っっっ!」
少しホッとして、涙は止まっていたが、
また、だんだん瞳には涙がたまってくる。
「アリスちゃん……俺が来るまでに何が
あったのか、説明できる?」
「……っ!せ、聖亜が、好きって言って
きたの。そして、そしたら、言い合いに
なっちゃって、その途中で聖亜が倒れ
ちゃって、それで…」
尋は、驚いた様子で、
「……はっ⁉︎あいつ、お前に告ったの⁉︎
……うん、そっか。」
と言った。そんな驚くことでは……っ!?
告った……⁉︎…それって、好きって伝え
られたってこと?……私、そのことまで
尋に言っちゃったの⁉︎……恥ずかしいっ‼︎

7:マカロン:2015/06/04(木) 22:14 ID:nbk

「あ、そういえばアリスちゃん、泣いて
なかった?」
尋はニヤニヤクスクスしている。
「……なっ⁉︎そんなことないっ!
見間違いだっ‼︎幻覚だっ‼︎幻だ‼︎お前の目
なんか節穴ダァーッっ‼︎」
「……アリスちゃん⁉︎そ、そこまで言わ
なくてもよくない⁉︎……ひどくね⁉︎」
「酷くないわーっ!泣いてなんかない
もん!節穴やろうめっ!」
「……アリスちゃんやっぱり酷いよ。」
「んー……あぁ。アリス⁇⁉︎なんで尋が
ここにいるんだよ⁉︎」
突然聖亜が起きた。目を覚ましたんだ。
「……聖亜っ‼︎」
私は思いのままに聖亜を抱きしめた。
無事でよかった。目を覚ましてくれた。
ちゃんと生きてる。大好き。大好き。
目を覚ましてくれて、ありがとう、聖亜。
「……アリス⁉︎…おまっ、お前何して⁉︎」
最後に私は顔、耳まで真っ赤にしている
聖亜の耳元でコソッと一言告げた。
「……聖亜、大好きよ。…付き合ってほしい。」
と言った。
「……お二人さん、なんか悪いんだけどさ、
クラスの人来るかもよ?やるなら、放課後
にやりなよ。」
「尋がいなければよかったわ。」
「はぁっ⁉︎……お前さっき、俺がいなかったら、
なんもできてなかったって言ったばっかり
じゃんかよ‼︎」
「ふざけるな、私は、事実を言ったまでだ。
さっきは来て欲しかった、いて欲しかったが、
今は消えていて欲しかった。」
私はドヤ顔をして見せた。
「……やっぱりアリスちゃん酷いよー。」
と棒読みでいう尋、苦笑いしながらも
私たちの様子を見ている聖亜。幼なじみ
って、いいなって初めて思った瞬間だった。
聖亜、尋……14年間も、私のこと、気遣って
くれて、ありがとう…嬉しかったよ。
「……そういえば尋さ、宿題やったの?」
尋は、げっ……という顔をして、
「俺、数学の宿題やってねー。」
「数学の時間、1時間目よ。その単細胞頭で
1時間目までに、解き終わるかしら?」
「……うっ、痛いとこつくな、アリスちゃん。
でも、全然わかんねー。訳わかんねーしw」
勉強のべの字もできないくせに、笑ってる。
本当に馬鹿な幼馴染を持ったものだ。でも、
こういうの、幼馴染だから、慣れちゃった
なぁ。
「教えてやるよ。」
「同じく。さっきのやつ、これでチャラに
してね♪」
「はぁっ⁉︎まじおまえらっヒデーやつだなっ!
マジで俺を敬え……」
「はぁ?ダ・レ・ガ・お前を敬うって?」
「アリスちゃん怖いよ‼︎聖亜に嫌われr」
聖亜は、尋の口を手で塞ぎ、
「はい、黙って宿題やろーね、ヒ・ロ・くん!」
尋はさっきから私たちに攻撃されっぱなしだ。
でも、尋も、Mだし、なんか楽しそう。
まだ、教室は、3人だけ。神様、もう少し、
ほんの少しだけ、3人だけの時間を楽しん
でもいいですか───…………⁇⁇

8:マカロン:2015/06/05(金) 20:39 ID:nbk

「さぁーって!帰るとするか。あっ、
俺さ、3組の小野方と帰る約束したから
お二人で帰ってよー。じゃーねー。」
は?待ってよ、私、2人で帰るとか、無理
なんですけど⁉︎嫉妬深いあのめんどくさい
女どものせいで帰れないの!わかる⁉︎
「なぁ、アリス、どうする?べ、別に、
一緒に帰りたくなかったら、別々に
帰ってもいいんだぞ⁇」
聖亜は、弱虫で天然馬鹿な私を心配
してくれている。優しい。私は、つい
この優しさに甘えてしまう。
「……いっしょにかえりたぃ。聖亜、
一獅ノ帰えろぅ⁇」
すっごく恥ずかしかった。まず、この
セリフ自体が私としては、絶対に言わ
ないセリフなんだもん!
「……あ、あぁ。アリスがそう言うなら。
でも、クラスの女子のことは、もう良いの
か?」
そんな言葉が胸に突き刺さる。
「……良くないけど…もうめんどくさい
なぁ〜って思った」
「……そうか。じゃあ、帰ろうか。」
「うん。」
教室の中に残っている人の視線が私達に
集まる。怖い。視線は、この世で一番怖い。
視線が集まる瞬間、それが一番嫌い。
靴を履いて、学校から出る。まぁ時間が
たったというのに、ずっとこのことが
頭にあった。
「アリス……⁇大丈夫か?」
「うん。全然大丈夫だよ。」
色々と疲れちゃったんだよね、今日は
特に。
「嘘はよくないよ、アリス。」
「……朝のことがあったから、疲れてる。
でも悪いのは、私だから。聖亜は何にも
悪いことなんてしてないから、気にしないで。」
桜が散っている。すごく寂しい気持ちに
襲われる。寂しい……か。昔はそうだった
なぁ…。

──8年前…──
「アリス‼︎しっかりしろ!お前は、夜鬼
と戦わないといけないんだ‼︎もう一回や
れ‼︎ど真ん中に当たるまで終わらせない
からな。」
「……はい、おじいさま。」
怖いよ……おじいさま。私のこと、
嫌いなのかな、いっつも私に怒鳴り散らして
ばっかり…今は、弓のお稽古の時間。
おじいさまに教えてもらってるけど、
夜鬼っていう奴らと闘うためらしい。
夜鬼っていうのは、この世界の裏で
何かしようとしている奴らのこと…
とっても強くて、大した魔力もなくて、
呪いも使えないような奴らじゃ、
戦うこと、まず、触れることすら出来ない
らしい。私の家の人たちは、こいつらと、
1000年くらい戦い続けているらしい。
「……あっ、。」
「……良くやったな、アリス。稽古は
終わりだ。じいちゃんから教えられる
ことは、もう無いからな。」
的に……ど真ん中に当たった矢。
それを見るなりおじいさまは、呟いた。
でも、私は、、、、、
「……?私っ‼︎まだまだなんです‼︎
おじいさまは、私のことをお嫌いになら
れたのですか⁉︎……もう、教えてくださら
ないのですか⁉︎」
「アリス……そういうな。ワシもな、もう
年だしな、まず、アリスはよくやったよ。
本当に…じいちゃんの寿命も、もうそう長く
はないんだ。」
「……わ、私はっ‼︎おじいさまがかっこいいと
思って頑張ってきたのです‼︎なのにっ!なのにっ
目標を……お手本を失った私は、どうすれば」
おじいさまは、私の頭にポンと手を置き、
「……夜鬼を倒すんだ。じいちゃんの分も、
じいちゃんの負けた分も、よろしくな、
アリス……。」






「……ア…ス?……アリス‼︎……アリス⁉︎
大丈夫か⁉︎今日はどうしたんだよ⁉︎」
「……ん。せい……亜?」
心配そうな聖亜の顔…そして、此処はどこ?
……馴染みのある匂い、見たことのある
白い天井…。此処は……どこだっけ⁇
「……アリス‼︎……大丈夫か?」
「……大丈夫、大丈夫。ってか、此処……
何処?ねぇ、聖亜。」
辺りをキョロキョロ見渡してみる。見たことの
ある部屋。
「……あ、あぁ。俺の部屋。アリスさ、
帰ってる途中に倒れたんだぞ?
母さんが言うには、貧血だそうだ。」
「…貧血?そう。わかったわ。ありがとう
なんで貧血なんて起こしちゃったのかしら。
いつも……今まで貧血なんて無かったのに。」
そうよ。貧血って……何かがおかしいわ。
そう。何かが。

9:マカロン:2015/06/06(土) 12:35 ID:nbk

「……おかしいわ。ねぇ、今日、
なんかおかしいわよ!すっごく
変なことしか起こってない。私、
嫌な予感がするの。」
そう。何かが。何かがおかしいんだ。
「……嫌な予感?んー、アリスのなんか、
かんていうのか?良く当たるからなー…。
なんなら、此処に泊まってもいい……
あー、親がいるかー…………。」
聖亜はどうしよっかーと頭をかしかし
かいて、考えていた。
「私の家に来て。そうしたら、親なんて
…………聖亜の親は大丈夫なの⁇」
「あ、アリスの家に泊まるのか⁉︎
親ならなんとか出来るが、、、?」
「はやく、準備して。何日泊まること
になるかわからないけど、3日分くらい
着替えとかあれば、なんとかなると思うわ。」
「OK‼︎じゃあ、準備するよ。30分で終らせ
るからねー!」
と聖亜は、せっせと準備をし始めた。
充電器やら、iPod、着替えとかをどんどん
詰め込んでいく。
「……あ、お邪魔しました。」
玄関で一礼。
「んじゃあ、かーさん、行ってくるー。
澪と、蓮斗は仲良くしとくんだぞー。」
そして、私達は、鳴海神社の近くの家へ
向かった。まだ少しだけフラフラする足で
なんとか歩いている。

家の前まで来た。家には誰もいない。
っていうか、みんな今日は帰って
来ないんだよね。でも、家に電話かけて
くるから、家にいないと、怒られちゃう…
少し怖いけど、聖亜を中に入れてさえ
しまえば、なんともないだろう。
「……上がって。靴は、、、持ってきて
貰える?」
「お、おう。」
聖亜を家に入れたのは、初めてだ。
掟とやらでは、15年の付き合いのやつ
以外は入れてはいけないらしい。
ま、もうどーでも良いけどね〜。
「ここ、私の部屋よ。少し汚い……
んだけど、、、ごめんね⁇」
「……これで綺麗じゃないのかよ⁉︎」
「うん。なんか汚い。」
「……マジかよ。」
「今日は誰も帰ってこないから、ゆっくり
してて。お茶持ってくるわ。」
あー、今更だけど、なんかドキドキする…

10:マカロン:2015/06/07(日) 09:43 ID:nbk

「はい、お茶。」
「ありがとう。アリスの家、入ったの
初めなんだよなぁー。」
「……そうだね、入れたことないよね。」
『♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜……』
「……LINEか。誰だ?」
「見せて〜‼︎」
「良いけど?ほい。」
【尋:荒草地区に、夜鬼みたいなのが現れた
らしい‼︎今、アリスと、お前どこいるんだよ⁉︎】
そしてすぐに聖亜は返信する。
【聖亜:アリスの家。鳴海地区。】
『♪♪〜♪♪〜♪♪〜』
返信が尋からきた。
【尋:はやくそこから逃げろ!夜鬼みたいな
のが向かってんのは、鳴海地区だ‼︎急げ!
お前ら2人とも死ぬぞ‼︎取り敢えず、俺ん家
のある地区まで走ってこい!まだ間に合う!】
「……夜鬼っ⁉︎」
「アリス‼︎逃げるぞ‼︎まだ間に合うから。」
「ちょっとまって、巫女服に着替えるわ。」
「あぁ…わかった。」

「着替え終わったか?早く、行こう。」
「……う、、ん。」
意識が遠のいていくわ──……。
「アリス⁉︎」


「う、ん……。」
「はぁっ、はぁ……アリス⁇目、
覚めたか?」
気がつくと、私は、聖亜に抱かれて
いた。お姫様抱っこの体制だ。目が
覚めて、思ったことはそんなことだった。
「……夜鬼はっ⁉︎」
「あぁ…まだ後ろにいると思うぜ。
お前を抱いてたとはいえ、全力で
逃げてきたからな。」
「あっ!家に弓、家においてきちゃっ」
「持ってるぜ。ちゃんと持ってきたよ。
もしもの時のために。」
よく見ると、聖亜の背中には、弓の
入っているギターケースがあった。
「ありがと。今、ここ何処?」
「えーっと、多分もーすぐ尋の家に着くよ。」
「わかったわ。おろして。………聖亜は、
先に尋のところに行ってて。私、
夜鬼と戦うわ。危ない戦いに
聖亜たちは巻き込めないもの…」
もう聖亜には、おろしてもらったし、
……あ、弓…
「聖亜……弓を渡して。それが無いと、
私死んじゃうわ。殺される。」
「俺……アリスと戦うよ!邪魔になるなら、
そばにいる事だけでもさせてくれよ!」
聖亜にしては、勇気があるじゃない。
でも、勇気だけじゃ、絶対にダメ。先に
行ってほしいのに。
「ダメ。私のそばにいると、みんな死んじゃうの。
だからダメ。絶対に聖亜は死んじゃいけないの。
夜鬼は、絶対に倒すから。私に構わずに、、
行って。時間は稼ぐから…」
聖亜は何も言わずに弓を私に渡して、そして、
「俺、近くに隠れておくよ。ピンチの時は、
俺も出て行く。夜鬼何て、早く倒しちまおうな。」
優しいやつ…
「わかったわ、仕方ない。取り敢えず、この辺、
まだ人がいるから、怪しまれないようにして
いて。少しずつまた、鳴海地区に追い込んで
行くから。鳴海地区なら、誰もいないから。」


「お前、誰だよ。そこをどけ。邪魔だ。」
「……っ⁉︎夜鬼…………⁇」
今、私の前には、人がいる。だが、こいつは
夜鬼だ。左目の下、泣きぼくろなどが
ある位置にむらさきいろの星のマーク、
夜鬼で決定だ。
「……お前、鳴海家の、アリスって奴か、
はは、やっぱり女だったんだ?へ〜?
以外とかわいいじゃん。俺こんな子を
倒さないといけないの〜……やる気失せる。」
「なっ⁉︎…そんな事ないっ!女だからって、
手加減してもらっちゃ困るっ‼︎なめないで!」
「え〜⁉︎本気でやっていいの?俺、強いよ?
戦うためだけに育てられたようなもんだからね〜
ま、そんな事、どうでもいいんだけどね。」
夜鬼はとても寂しそうな表情をする。
夜鬼……か。名前は、なんなんだろ。
私も、鳴海家のアリスとかじゃ嫌だしな。
まぁ、これが最後の自己紹介になるだろうし。
「私、鳴海 アリス‼︎アリスよ!貴方は?」
「へ〜?僕の名前〜?んーっとねぇー……
ディバリアっていうんだ〜リアって呼んでね〜
よろしく〜ア・リ・スちゃ〜ん。」
「わかった。私は、お前なんかと馴れ馴れしく
話したりするつもりはない…ディバリア……
お前は、寂しい奴だったんだね。」


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