榊 美弥俚と言います。
初小説の題名がおかしくなってしまったので立て直させて頂きました。
よろしくお願いします!
『序章 見かけた少年』
桜は、4月に咲き、そして散る。
散った後、人間は見向きもしない。
そんな見向きもされない葉桜を僕は、一人きりで眺めていた。
ここは、学校の校庭。何の変哲も無い。
もしかしたら、一人きりでは無いのかもしれない。
この一人ぼっちの葉桜を見ているから
自分まで一人ぼっちな気持ちになっているのかもしれない。
花が散るまではあんなにキレイだなぁとちやほやされていたのに。
散ってしまえば、素通りされるだけだ。
更には虫だの何なの嫌われ者扱いされるハメだ。
人間とは、つまらない生き物だ。
そう言っている僕自身人間だ。
こんなことを考えいても仕方ないと思い、校門へ向かう。
もう5時だ。空は紫がかっている。
随分明るくなったものだ。
この前までは、この時間帯だったら真っ暗だったのに。
葉桜は、ザワザワと声を発している。
風が吹いているのだろう。
何故だか僕には、その風は微塵にも感じられない。
まぁ、そう珍しい事じゃない。
そんな事を考えていたら、校門の前まで来ていた。
葉桜は何時の間にか静かになっている。風が止んだのだろう。
葉桜の方を振り返る。
眺めていた葉桜から目を離して、僕は、校門を出た。
学校の昇降口の前。校庭には花が咲いてる時はキレイな桜がある。
今はもう葉桜で、ちっともキレイじゃない。
そんな葉桜を眺めている少年が1人。あれは・・・誰だろう?
少なくともここの学校の生徒ではない。
そんな疑問を持ちながら歩いていると、その少年は、葉桜に背を向けて歩き始めた。
校門に向かっている。
帰るのだろう。明るいと言ってももう5時だ。
私も校門へ向かう。
すると、少年が葉桜の方へ振り返った。
その時・・・少年の姿が一瞬透けたように見えた。
視界に入ってるはずの私にも全く気が付いていない。
さっきから葉桜が葉を風に揺らして音を立てている。
少年が校門から出たときにもその音は止む気配を見せずザワザワと音を立てている。
校門から出て右と左を確認するも、少年の姿は見えない。
私は、さっき少年の姿が透けて見えたのが気がかりで仕方なかった。
少しぐらいいいだろうと思い、確か、右に曲がったはずの少年の後をつける事にした。
少し足を速める。このまま追いつけなかったら意味が無い。
これが、全ての始まりだった何て、今の私は知るよしもなかった。
来ました〜
では感想行きますね!
ほとんど悪い点はありません。良い点を言います。
・ちゃんと間を空けている
・主人公の気持ちがよく分かる
・分かりやすいストーリー
こんな感じかな?
私も小説書くのは下手なのですが、この小説を参考にさせていただきます。でも悪い点もあります。
気持ちを表すのなら()とかを付けた方がいいと思います。
私も「恋の訪れもの」で気持ちを表す所には()を付けなかったのですが、やっぱり()付けた方が分かりやすくて読みやすくなります。でもストーリーとかはいいので。ぜひ、よろしくお願いします。
〈アドバイスありがとうございます。
私の作品は、書いてる事の大体がキャラの気持ちなので、
()をつけるとそれこそ訳が分かんなくなってしまいそうなので、つけないようにしています。
簡単に言うと、キャラ目線って事です。〉
分かりました〜。
7:榊 美弥俚:2015/07/12(日) 13:35 ID:ZoA〈アドバイス、大変ありがとうございました〉
8:榊 美弥俚:2015/07/12(日) 13:40 ID:ZoA 1章–揺れる世界観–
さっきから、風は全く感じない。
ただただ、歩いていた。
その刹那・・・
周りはただただ白いだけの世界に変わり、先程の風景など微塵にも無かった。
「ここは・・・一体・・・」
少年の後を追いかけていると、あの少年の後ろ姿を見つけた。
その後ろ姿を見て私が驚いた事、
それは、少年の周りはまるで、陽炎のように・・・ユラユラと揺れていた。
そこだけ、次元が違うかのように、ユラユラ揺れている。
私は、それでも少年に近づこうとした。
もう理由なんか分かんない。
少年に近づいていくと、だんだんとこの世界まで揺れて来た。
それはもう目が回るほどに。
とたんに、少年が一瞬にして消えた。
それでも、この揺れは収まる事は無く、大きく波打ち、
目まぐるしく、グルグルと渦を巻いている。
その途端、この世界の全てが、白い世界に紛れて消え去った。
何も無い、ただ白いだけの世界。
「ここは・・・何処・・・?」
痛みも無ければ、さっきのような揺れも感じない。
私は、今そんな不可思議な世界に居る。存在している。
そして、座っている。
酸素です。評価させて頂きます。
話の内容:★★★★☆
書き方:★★★★☆
総合:★★★★☆
全然駄文じゃないです。むしろ
私が見た中で一番いいと思います。
心情とかは今のままの書き方で良いと思いますよ。
書き方的にライトノベルを書きたい訳ではなさそうですしね。
★4なのはまだ序盤で話がこれからというのと
一箇所だけ惜しいなあと思ったので。
期待を込めてあえて★4です。
惜しいところ、というのは(…)ですね。
三点リーダーを使ってはいかがでしょう?
三点リーダーを偶数で揃えていればもうあとは
私からは言うところがないレベルです。
話も書き方も好みです。応援していますよ。
良いところ
書き方と話ですね。
葉桜、ということなので初夏でしょうか。
初夏のあの爽やかな雰囲気があって良いと思います。
ファンタジーは結構難しいと思うんですが
ちゃんと書けていて素晴らしいです。
レス有難うございました。
これからも拝読させて頂きます。
〈ご指摘ありがとうございます!3点リーダーを偶数で揃えるとは・・・どういうことでしょうか?
もうすこし、詳しくお話伺いたいです〉
>>11:三点リーダー(…)を2つ、4つつまりは
……、…………ってことです。
説明不足でしたね。申し訳ないです。
〈そういうことですか!いちいち私なんかの為に説明ありがとうございます!これからもよろしくお願いしますっ!〉
14:榊 美弥俚:2015/07/12(日) 16:16 ID:ZoA この真っ白な世界にいるのは、僕だけなのだろうか。
「誰か……居るの……?」
返答は……ない。
静寂を保った白しか無いこの世界。
僕は、本当に誰か居ないのか僕は辺りを見回してみる。
そこに、1人の少女が座っていた。
制服姿の女の子がこの白だけの世界にポツーンと座っていた。
僕にはまだ、気付いていない様子。
取り敢えず、声をかけてみる。
「大丈夫……?」
僕は、女の子に手を差し伸べる。
すると、女の子は僕の手を取って、立ち上がる。
「ありがとうございます」
そう、御礼を僕に言うと、僕の顔をチラッと見て少し驚いた素振りを見せた。
「どうかしたの……?」
僕は少しだけ気になって聞いてみると、
「いえ……特に……」
と返してくるので、そこは深く問いかけない事にした。
「それにしても……ここ、どこでしょうね……?」
不意の女の子の問いかけに少し、驚いたけど、僕も
「どこだろうね……」
と、一言返す。
ふと、1つ頭に疑問が浮かんだ。
–この子一体誰なんだろう?–
そのまま聞こうとも思ったが、人から名前を聞く時は自らが先に名乗るのが常識だと思ったので先に名乗る事にした。
「僕は、北条 蓮(ホウジョウ レン) 君は?」
女の子は急な僕の問いかけに驚いた様子だったが、しっかりと、名乗ってくれた。
「私は、遠藤 璃音(エンドウ アキネ)です」
ふーん、璃音ちゃんって言うんだ……。
「宜しくね!璃音ちゃん!」
すると、
「あっ、宜しくお願いします」
と返して来たので、僕はこのまま会話を続ける事にした。
「ここに迷い込んだのは、僕たちだけかな?」
2人で辺りを見渡してみるが、
「居ないですね……」
璃音ちゃんの言う通り、僕たち以外に誰かが居る様子はうかがえなかった。
うーんと、さっきから違和感があるんだけど……。あ……。
「あと、敬語堅苦しいから要らないよ」
さっきからの違和感はこれだったのだ。
他に手がかりは無いか、2人で探してみるが、タメになるようなものは全くと言っていいほど出てこなかった。
読ませていただきました。
単刀直入に言うと惜しい……ですね。
ですがなかなかの作品だと感じましたし、私自身勉強させていただきました。
さて何が惜しいのかと申しますと、文章構成がバラバラだということですね。
全体を通して主人公の思考と現実の描写が1つの文に混在していて、一体どこからが主人公の感じた部分なのか分からない。
また、「まぁ、そう珍しい事じゃない」のように主語が無く、何のことを言っているのか分からない文や、「少年の後を追いかけると、あの少年の〜」のような無駄に主語(少年)を重ねている文もあったので、全体的に少し読みづらい作品だなと感じました。
とはいえ、文章のレベルはかなり高い方なので、
さらなる上達のために作者様自身で何度も作品を見直しながら書いて行くことをお勧めいたします。
〈ご指摘ありがとうございました。おっしゃる通りです。今後は注意したいと思います。
大変、ありがとうございました〉
真っ白な、真っ白な世界。
何処だかも分からなければ、私以外に人が居るのかすら分からない。
すると、
「大丈夫……?」
という声がして、目の前に手が現れた。
無視しても悪いので、手を取り、立ち上がると、
「ありがとうございます」
と一言で御礼をいい、手を差し伸べた人物の顔を見て、私は少し驚いた。
それは、私が追いかけていた少年だったからだ。
すると、
「どうかしたの……?」
と問いかけられ、更に驚いたが、
「いえ……特に……」
と答えると、相手も深くまで追求してこなかった。
このまま沈黙もキツいので
「それにしても……ここ、どこでしょうね……?」
と問いかけると、急な私の問いかけに驚いたのか、少し表情が変わったが、すぐに
「どこだろうね……」
と返って来たので問いかけるような事はしなかった。
頭の中にさっきからある疑問。
–この少年は一体何者なのか–
聞こうとしたときに、相手に先を越された。
「僕は、北条 蓮 君は?」
先を越されたのに驚きながらも、
「私は、遠藤 璃音です……」
と名乗る。
えぇと……蓮さんだったっけ?
「宜しくね!璃音ちゃん!」
と言われたので取り敢えず、
「あっ、宜しくお願いします」
とだけ返しておくと、相手が更に会話を続けて来た。
「ここに迷い込んだのは、僕たちだけかな?」
2人で、辺りを、見回してみるも、
「居ないですね……」
誰一人見つからない。ましてや、小さな小鳥すら居る様子は無かった。
「あと、敬語堅苦しいから要らないよ」
と言われた。その時の相手の表情は、何かもやもやが取れた時のようなスッキリした顔をしていた。
その後、少しでもタメになることはないかと2人でこの真っ白な世界を散策してみるも、特に何も無かった。
「無いな……」
そんな事を僕が呟いたのとほぼ同じタイミングで目の前に眩しいほどの光が現れた。
目を開けていられないほどの強い光。
その瞬間、どこかで聞いた事のあるような超音波のような音がした。
耳の奥の方でリピートするような音。
そして、ただでさえ白い空間を白く眩しい光が一瞬にしてその場を制した。
「どうなってるの……」
「これは……一体……」
これには、僕も、璃音ちゃんも驚きを隠せなかった。隠す事は出来なかった。
先程の真っ白な世界が嘘かのように消え去り、目の前には花が咲き誇る草原が広がり、その中には大きくそびえ立つ
–葉桜があった–
「無いな……」
そう蓮さんが呟いたその時、目の前に白い光が現れた。
眩しくて、目を開けていると痛くなるような光。
その時、耳を塞ぎたくなるような音が鳴った。
耳を劈き、頭の中で何回も何回も再生される。
そして、この真っ白な世界をこの光でいっぱいになった。
「どうなってるの……」
「これは……一体……」
この光景に、私は息を飲んだ。きっと蓮さんも同じようにしているだろう。
さっきのありえないほど真っ白な世界は消え、草原が広がり、私達の目の前には立ちはだかる
–葉桜があった–
2章–そびえ立つもの–
目の前にそびえ立つ葉桜は、この前学校で見た時と同じように声を発していた。
あの時とは違い、風は感じる。とてもあたたかな風だ。
––––
身体の中で何か自分じゃないものが動いた気がした。
僕の身体の中で何が起こったのだろうか。
一瞬そんな考えが頭をよぎったがすぐに気のせいだろうと思い、考えるのをやめた。
そうやって考えている間でも葉桜はさっきと変わらない様子でザワザワと声を発していた。
「キレイだな……」
自分の口からそんな言葉が漏れた。
「どこが……キレイだと……?」
璃音ちゃんだった。
そりゃ、そうだ。花が散ってしまった葉桜をキレイと言う人などそうそう居ないのだから。
しかし、ここがどこだかは今だ分からない。辺りを見回しても一面草原だ。
色々考えた末に僕は、璃音ちゃんの方に顔を向けた。
目の前には、学校にあるのより大きい桜の木が立っていた。
風に揺らされて、音を立てている。
蓮さんはさっきから考え事を続けている。
この葉の茂った桜を見上げながら、さっきから3分ほどずっと考え事をしている。
「キレイだな……」
そんな言葉が蓮さんの口から出た。
不思議でたまらなかった。こんなただ葉が茂ってるだけの木をキレイと言う何て。
「どこが……キレイだと……?」
思わず問いかけた。
すると、蓮さんは一瞬だけこっちを向いて、また木の方に目線を戻してしまった。
この辺りは何にも無い。一面360°全て草原だ。
その時、蓮さんが私の方に顔を向けた。
「さっきの質問の答えだけど……」
僕は璃音ちゃんに話しかけた。
「いずれ……分かるよ……きっと……」
僕はお茶を濁すような言い方で璃音ちゃんの質問に答えた。
実際の所自分でもよくわからない。
でも、なにかがあるんだ。僕の心の奥ではなく、
動物自身の何かが、身体が……そう言っているんだ。
僕の身体の中で何か僕じゃないものが蠢いている。
そんな気がしてならなかった。
あの後、2人で相談をして、ここから離れてみる事にした。
辺りを見回しても草原ばかりだったが、1つだけ、黒い大きそうな影が見えた。
取り敢えず、そこに向かおうと考えたのだ。
「さっきの質問だけど……」
葉桜を向いたまま、蓮さんは、私に話しかけて来た。
「いずれ……分かるよ……きっと……」
はぐらかすかのような言い方だった。
私は不思議でたまらなかった。
普通に答えれば良いのに。
その後も蓮さんは、葉桜を向いたまま考え事に没頭している。
その後、2人で相談をして、ここから離れる事にした。
蓮さんが街らしき影を見つけたのだ。それも私には見えないほどの小さな影だったけれど。
取り敢えず、そこに向かう事にした。
(ここから、少し書き方変わりますがご了承くださいっ)
25:榊 美弥俚:2015/07/28(火) 14:12 ID:ZoA 目的地に向かう途中。
僕は、違和感を感じていた。
あの、何かか蠢いている感覚がさっきから消えないのだ。
なんと言うか、自分がその蠢く何かに乗っ取られそうな気がするのだ。
その時……蠢く何かが大きく動いた。
僕は、光を帯びて輝いている。
もう目も開けられないほどの眩しい光。
おかしいという気持ちは僕の中から消え去っているようだ。何も感じない。
ただ、光を帯びているというのだけ分かる。
ようやく、光が収まって目を開けた所、目の前にあったのは、大きな都市だった。
赤煉瓦の家が都市を覆い尽くしている。
なんだろう……懐かしいと言う気持ちがこみ上げてくる。
ここには来た事が無いのに。こんなおかしな世界、見た事も無いのに。
ただただ、懐かしいと僕の頭の中の何処かが騒いでいるのだ。
ここは、一体なんなのだろうか……。
街の人に聞いてみると、ここは『ルーナ』と言う国なのだという事がわかった。
私は先程から気になっている事がある。
それは、国の人達の視線。
国の人達の目に浮かんでいるのは、驚きの色。
そして、嫌っているという感情が表情にでていた。
私はこんな所に来た事など無いし、見たのも始めてだ。
蓮さんもきっとそうだろう。
そう思い、聞いてみるとやはり、見覚えは無いと言っていた。
それでも、人々の視線は変わらないまま。
私は思いきって聞いてみた。
その人は、逃げるような事もせず、私に話して来た。
「アイツからは離れた方が良いよ」
多分、蓮さんの事だろう。
その人が次に発した言葉は、驚くべきものだった。
「アイツはね……」
『 ……あの子は……無事伝える事が……できるかな……』
28:榊 美弥俚:2015/07/28(火) 14:33 ID:ZoA 私は、その言葉が信じられなかった。
他の人にも聞いてみたが、みな同じ事を言っている。
私は、開いた口が塞がらないほどオ驚いた。
いや、驚く事しか出来なかった。
私達はその後、この国の王の元を訪ねてみた。勿論ダメ元で。
門を守っていた兵隊達も驚いてカチコチに固まるかダッシュで何処かへと向かうかしていた。
相当驚いたのだろう。当然だと思う。
すると、門が開いた。兵隊達も入っていいと言う。
私達は、門をくぐり中へと足を進めていった。
この扉を開ければ、王と対面出来ると言う扉の前まで私達は来た。
そして、扉は開け放たれた。
玉座に座っているのは国王だろう。
その右下の女の人は女王だろう。
僕は、国王のずっと下の所で顔を上げた。
「お前らを通した理由はわかるか?」
国王の大きく図太い声。
その声に似合うがっちりとした体型。
国王というよりかは、戦う戦士のように思える。
通した理由など分かるはずも無い。
璃音ちゃんに着いて来たらこの様だ。分かり様も無い。
「わかりません」
僕は、素直にそう答えた。
「そうか……まぁ……良く来たな……」
その後の言葉は、聞き逃さなかった者はその場には居ないだろう。
国王は、その図太い声で言った。
「……我が息子よ」
3章-絶命の皇太子–
蓮さんは、この国『ルーナ』の皇子だったのだ。
それも、皇太子。つまり、国王の長男という事だ。
その皇太子が今この国に記憶を無くし、私と一緒に帰って来たという事になる。
7年前、蓮さんはこの国を追い出された。
身に邪悪な者を宿していると言う風に告げられて、
それを国王が王族にはあってはならぬ事と言って追い出したという訳だ。
そして、国民には邪悪な者を宿した者はこの国から消え去り、息絶えたと伝えた。
それが、生きて帰って来たのだ。驚きを隠せない訳が無い。
その中で唯一国王だけが冷静さを保っている。
その目には何も浮かんでいなかった。
感情というものが全く感じられない。
我が息子よと、言われた蓮さんは、納得したような顔をしていた。
今、国王と蓮さんが2人で話している。
内容なんて私には難しくて分からない。
話し合いが終わったのか、蓮さんは一礼してこっちへ戻って来た。
私達は、扉を出て、門へと向かった。
門を出たときには、空はオレンジ色に染まっていた。
見渡してみると、空だけではなく街もオレンジに染まっていた。
僕の中には、疑問がいくつかある。
1つ目は、僕の中で蠢いているモノはなにかという事。
2つ目は、僕は何故、記憶を失っていたかという事。
まだまだ疑問は湧き出るほどある。
それでも、絞り出すとしたらこの2つだ。
その後、僕たちはどうやって夜を過ごすかという事を考える事にした。
もう、夜の闇が夕焼けのオレンジの中にちらほらと見え始めている。
考えに考えた結果、夜をこす事が出来る方法は1つだけ。
『野宿』それ以外に、思いつくものなど無い。
結局は、野宿になったのだが、問題がある。
2人とも、野宿をした事が無い上に生じる問題だ。
2人で考えている所、中年であろう女の人が、こちらに近づいて来た。
「そこの子ら、うちに泊まっていくかい?」
僕らは、お言葉に甘える事にした。
女の人の家は、暖かくすぐに眠気がして来た。
僕は、ご飯を食べ終わると、すぐに眠りに落ちた。
眠りについた僕は、不思議な夢を見た。
何かが僕に話しかけてくる夢。
不思議なのは、その何かは僕の内側から話しかけているという事。
『君は……伝えてくれるかな……』
そんな風に僕に話しかける。
一面の草原に少女が立っている。
少女は僕に話しかけてくる。
まだ7歳ぐらいの少女。
『伝えてね……』
僕は、草原に来た事がある気がした。
考えた末に少女の場所にあるべきものに気が付いた。
葉桜だ。あの葉桜が大きくそびえたって居た場所に少女は居る。
少女は、葉桜の思いだと僕は直感的に思った。
そして、疑問になるのは、
『僕の中から』と言う事だ。
少女は、僕の内側から話しかけている。
考えているうちに僕は目覚めた。
朝日が差込んでいた。空はもう明るく陽が照っていた。
天気は良く、青空が澄み切っている朝。
私は、蓮さんと共にある場所へと向かっていた。
「どうなるんだろうね……王女様との会話……」
王女、つまりは蓮さんのお母さんとの会話。
今日はそのために王宮へと再び行くことになった。
王宮の前へとつくと、兵隊たちは、快く向かい入れてくれた。
門は開け放たれ、門をくぐると兵隊の一人であろう人が案内をしてくれた。
王女がおられる部屋にはすぐに着いた。
案内がいなかったら今頃迷っていることだろう。
そうして私たちは、王女との対談が始まっていった。
王女との対談は様々なことを話した。
今までどうしてきたか、何故戻ってきたのか
その内容はまさに様々。
他に浮かぶ言葉は沢山とかそんな感じだ。
しかし、僕は自分の中で蠢くものの話はしなかった。
この正体は自分で突き止めるんだ。
瑠璃ちゃんは、よくわかっていない感じだった。
それもそうだろう。政治に関することも無いわけではなかったから。
外に出ると、昨日のように夕日のオレンジ色が街を包み込んでいた。
僕はその夕日の綺麗な景色の中、深呼吸をした。
そうすれば、少しは気持ちが落ち着くと思ったからだ。
「蓮さん…?どうかした?」
僕は、瑠璃ちゃんの声で物思いから解放された。
「何でもないよ…じゃあ、行こっか」
そうして、僕たちは宛もなく歩き出した。