聖霊の番人

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1:吉住 美希:2015/07/26(日) 17:33 ID:ZoA

初めまして、吉住 美希と申します。
初めての小説なので大らかな心で読んで頂けると幸いです。

貴方を異世界へとお連れ致します。

2:吉住 美希:2015/07/26(日) 17:37 ID:ZoA

序章  風に聞いた噂

3:吉住 美希:2015/07/26(日) 18:10 ID:ZoA

1   噂話

 人が入ってくる気配でアメリは目を覚ました。
夜も開けた時刻で、小鳥のさえずる声が朝が来たという事を告げている。
 宿の若女将が入って来て、正座をしているのがはっきりと見えた。
音がしないように正座をしたままこちらに寄って来た若女将からは、おいしそうな匂いが漂って来た。
幼い頃には嗅ぐ事の無かった異国の地の匂いだった。
「……どうかされましたか?」
アメリは、寝具から身を起こしてそう言った。
「ちょっと……噂を聞いたの……」
「それをなぜ私に……?」
そう言いながら、アメリは若女将と同じように正座をした。
「貴方なら……救えると思ったからよ」
若女将は、躊躇気味にもをう答えた。
「よく、聞いてて頂戴?
 この国、第二皇子が居るじゃない?その第二皇子が帝に暗殺を仕掛けられているらしいのよ」
「え……?」
アメリは、よく分からないというような表情で若女将を見つめた。
若女将もそれを察したのか詳しく語り始めた。
「この国の第二皇子のコラン様が、帝に暗殺を仕掛けられているらしいのよ。理由はさっぱりなんだけどね。」
アメリは、若女将の話を一度も目を離さず聞いていた。
「そうなんですか……」
アメリは、真剣に思考を巡らせていた。
それに気付いた若女将は、あくまでも噂だからと言って、部屋を出て行ってしまった。
真剣に思考を巡らせていたアメリも考えるのをやめ、着替えて荷物を持つと、宿の階段を下へと下りていった。

4:吉住 美希:2015/07/26(日) 18:33 ID:ZoA

2   遭遇

 朝食を食べ終え、宿を出たアメリは、吊り橋を渡っていた。
アメリは、山の山頂の方を見ていた。
もう1つ隣の橋を馬車と騎士達が橋を渡っているのが見えた。
旗の紋章を見ると、第二皇子の紋章だった。
アメリは、もう一度前を向き直し、吊り橋の上を歩き始めた。
 その時、第二皇子を乗せた馬車の馬が暴れ始めた。
その籠の中から、男の子が川へ放り出された。
アメリは、吊り橋から飛び降りて岩場に着地をして放り出された第二皇子を空中で抱え、別の岩場に飛んだ。
「わかるかい?」
アメリは、そう言って第二皇子を見つめた。
第二皇子は、声は出さなかったものの小さく頷いた。
意識があるのを確認すると、アメリは、第二皇子を抱えたまま岩場を登り、
皇族の列のほうへ向かい、第二皇子を騎士達に預けた。
そして、一礼すると、そのまま一番近い街のアルノへと向かった。


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