ミルフィーユと申します。
自分が適当に書きたいと思った小説を書いていこうと思ひます。
____ここは、何処だ。
目前に広がる灰色の空を見上げながら思った。
朦朧とする意識、霞む視界。
私、野外で眠ってたのかしら。
顔をそのまま横に向け、周辺を確認する。すると、木の束や藁を重ねて作ったような小屋らしきものがいくつか目に付いた。こちらには気づいていないが、人がいるので民家と見て間違いないだろう。
それらはなんともお粗末で、内側から外側まで漏れなく全て薄汚れている。中にいくつか布や道具らしきものが見えるが、全部ボロボロオンパレード。
「おいちょっと、現代日本にこんなお酷いものがあっていいの?」
なんとも失礼な愚痴をこぼしながらゆっくりと体を起こしてみれば、体が軋む嫌な音が背中から鳴った。
と、同時に。
____脇腹から意識を失いそうになるほどの激痛が走った。
「ーーー!」
咄嗟に目を向けて、即座に後悔した。
そこは、赤。
まるで絵の具をこぼしたかのような赤黒い色が私の衣服を染め上げていた。
思わず目を離せずに、そこを凝視してしまう。気持ちの悪い稲妻が身体中を駆け抜けていった。
こんな大量の血液、人生でお目にかかれるかどうかさえ分からない。できればお目にかかりたくなかったものと私はこんな場所でご対面してしまった。
しかも、それの発生源は私の体。
「うそ、うそ。」
眠気なんてぶっ飛んで、神に懇願するように天を見上げた。
天上から降り注ぐ大粒の雫は、まるで私の暗澹とした心情を表しているようで。
思わず、「泣てぇのはこっちだ」とぼやいた。
『____体から多量の血液が抜けると、まず視界がぼやけるらしい。意識が曖昧になり、やがて………』
いつかに読んだなんらかの本の文面を思い出し、それらと私の現状が見事にシンクロしていることに気づいた。
え?待て。
私これから死ぬパティーン?え?え?見ず知らずの土地で?誰の目にも触れられず?
「オーマイガーっ!!!」
私の決死の悲鳴は、こだまになって響いた。
それに気づいた人々がこちらに駆けてきて、悲鳴をあげる。
私の顔を覗き込む人たちの顔が、かろうじて見えた。
金色、茶色、黒、赤、緑、白_____あれ?日本人ってこんな色鮮やかだっけ。
『_______』
最期に聞こえたのは、日本語ではない、何語かも分からない言葉。
でも何故か、私にはその言葉の意味が分かった。
『おい急げ!早くパンティー持ってこい!!』
私が意識を手放すのは、これから僅か数分後のことである。