第一話『初恋の始まり』
桜の花びらが舞い落ちる中、私、北村恵麻は体育館の椅子に座っていた。
今日は、高校の入学式で、私は今日から高校1年生になるんだ。
校長先生の話を聞いて、新しいクラスに入る。
先生が来るまで、みんな友達とおしゃべりをしたりしていた。
その輪の中に入れず、一人でおとなしく読書をしている私。
普通、高校に入っても、中学の友達がいくらかは居るものだけど、この高校にはそんな人は一人もいなかった。
当たり前か。
だって、わざと、地元の中学生がはいらないような高校に入ったのだから。
中学生だった頃の私は、いわゆるいじめられっこだった。
毎日内履きに枯葉を入れられ、下駄箱は机の中には、「死ね」や「ブス」と書かれた紙がいくつも入っていたこともあった。
首謀者は何となくだけど分かっていたし、いじめられる原因は多分、いつも一人でいたからだと思う。
でも、別に暴力やお金を取られたわけでもないし、先生や親に言うつもりもなかった。
きっとそれがいけなかったのだろう。
いじめは、終わることもなく進むこともなく卒業まで続いた。