あの日。あのなんでもない日。
この学校はあまり良い子がいないよね。
友達から発せられた言葉から俺の心は波打った。
え、
瞬時に頭をよぎったあの子の顔。
「そうでもないと思うけど」
口から出た言葉はあまりにもわかりやすく、アンディは目を輝かせ問いかける。
「え、いるの?」
意味を理解するのに十分な言葉。好きな人、いるの?
この時にはまだはっきりした気持ちはなく、その問いかけは気づけば否定していた。
掃除の終わりを告げるチャイムが鳴り、俺たちは掃除用具をしまいに歩き出した。