深夜、パトカーのサイレンが鳴り響く。
辺りは鮮血の紅で染まっている。
後輩、永井秀人<ナガイヒデト>がこちらに駆け寄ってくる。
「先輩!犯行現場の第一発見者から事情を聞いてきました!」
「話せ。」
結城慧<ユウキケイ>は静かに命令した。
「はい!第一発見者賀満由利<ガマンユリ>さんは夜9時頃、会社帰りで疲れていたため近道をしようとこの路地に入ったところ被害者が殺害されていたとのことです!」
秀人は手帳に書き綴られている文章を読み上げる。
慧は顎に手をあてる。
「被害者の死亡推定時刻は。」
「えっと、午後7時30分から9時の間です!」
「第一発見者が発見した時に被害者は息をしていたのか?」
「それは分からないようです!」
そうか...と慧は呟くと上を見上げた。