……もう、嘘なんかつかなくったっていい。
2:みゆにゃ:2015/11/20(金) 00:40 ID:Oj. 嘘つきの君
…今日もまた嘘をついた。貴方は私を親友だと思ってくれていて、貴方は私を信じてくれているんだ。それなのに、それなのに私はどうしても貴方を信じることができなくて、親友だと認識することができなくて…本当にごめんなさい。私は心からどうやって笑ったらいいのか解らない。上辺だけの笑顔、そればっかりが得意になって、上手くなっていくんだ。幼稚園生の頃の私も今の私も変わらない。
「ねぇ、沙耶ちゃんはなんでいっつも一人なの?」
幼稚園生は無邪気でかわいい。…でも時には残酷。とても残酷だ。前になぜ私が一人なのかを聞かれたことがある。私もなぜだか解らなかった。
「じゃあなんで美香ちゃんはみんなといるの?」
その時の私は幼稚園生。馬鹿な質問をした。美香ちゃんは…
「みんなのいると楽しいの。でもね、沙耶ちゃんも居てくれないと、楽しくないんだよ。だから一緒に…遊ぼう?」
そう言って手を取ってくれた美香ちゃんに私は心からの笑顔で一言、
「ありがとう。」
って言えなかったんだ。
「沙〜〜耶!おはよう!」
私には出来ないキラキラの笑顔の美香ちゃん。私は得意なのか解らないけれど、とびっきりの作り笑いで
「おはよう。美香ちゃん。」
と言った。私には出来ない事が多い、最近そう思うようになった。やっぱりなぜかは解らない。まだ素直に答えを導き出す事ができない私。中学1年生にもなったんだから、何て思うけれど、大人になってゆくにつれて出来なくて悩んで悲しんで泣く事が多くなった。
「んー?どうしたのっかなぁ?沙耶すっごく暗い顔してるよ?」
「えっ、嘘ぉ⁉︎」
普通の反応、普通の反応、自分の中でそれを繰り返し唱える。普通の女の子の反応をするんだ。すると美香は顔に手を伸ばしてスッとおでこの位置まで手を持ってくると、ピンッ!と指をはじいた。
「いたぁっ!」
「よぉ〜し!さっきよりはマシになったね!」
満足気に腰に両手を当ててどうだ、と言わんばかりの顔をしている。
「美香…?今のでこぴんは何だったの?」
「え〜?いつも通り!そんな顔してたら、彼氏出来ないぞー明るい顔して彼氏作れーのおまじない!」
おまじないって、美香?もう貴方は13歳でしょう…?
「美香は彼氏いるから、心配する事何にもなくていいですねぇー!」
と少し拗ねたような態度を取ってみる。美香は顔にすぐに出るタイプだから…ほら、やっぱり顔真っ赤。彼氏の話を出すとすぐこれだもんなぁ。よく男の子なんて信じられるなぁ。
「私だって彼氏ほしいよー!」
「あっ!優佳!おはよー。」
後ろから声をかけたのは優佳。同じクラスで、とても真面目で、ガリ勉。まぁ、結果は当然学年トップ。かわいい顔立ちなのに彼氏は居ない。勉強に集中したいの、なんて言って断る事が目に見えている。
「私は…彼氏はいらないかなぁ。」
「え〜、以外とジュースとかおごってくれるかもしれないよ?」
どんな人かにもよるだろ。そんな文句を心の中で叫びながら
「そうだねー!今すぐにでも彼氏ほしくなってきた!」
すごく棒読だった。
おもしろいです。これからもがんばれ
4:みゆにゃ:2015/11/25(水) 17:02 ID:OEA >>3
【そう言ってもらえると嬉しいです!でも少しリアルな話になりますが、テスト期間中なので、投稿しようにも出来なくって(>_<)これからも頑張るので、応援お願いしますね!】
美香からの手紙と手紙のお返し
「はい、この問1の動点問題をといてください。5分後に答え合わせです。」
よりにもよって1時間目に数学…。私は数学が苦手で、全く問題が解けない。まず、動点問題って何それ美味しいの?となっしまう。そしてプリントや教科書、ノートに落書きを始める。
「さやえんどう、田ノ上から回って来た。」
「ん、ありがと。それとさやえんどうは禁句ね。」
隣の席の…名前なんて言ったっけ?多分陽介とかいうバカ。私の名前は沙耶だ。それをニックネームにすると、さやえんどうなのだそうだ。美香ちゃんの事は田ノ上 美香だから田ノ上って普通に呼んでいるくせに、私にだけは嫌がらせか。と心の中で文句を言っている間、丁寧に手紙折りにされた可愛らしいメモ帳の切れ端を開いていく。
(さやさやちゃんへ
また顔が死んでるぞー!またデコピ…じゃなくって、彼氏作れ〜のおまじないするぞっ!今度はさっきよりも念を込めて!
By美香ちゃん♡)
…念を込めるというのは、強さを先ほどより強くするぞ、という意味合いなのだろうか。それと無駄にテンションの高い内容の手紙。このハートマークはおしゃれなのだろうか。何かの儀式でも始めるのだろうか、手紙の最後にはミステリーサークルらしき物が書かれている。こちらからも嫌がらせを返してやろう。
(バカップルの美香ちゃんへ
えぇーっと、…彼氏様でも捧げる儀式を始めるのでしょうか?美香ちゃん?
By沙耶。)
お返しの手紙を美香と同じ折り方をして隣の陽介の肩を叩く。
「陽介、これ美香に渡して。」
「はぁ?…100円な。」
「何、そんな事でお金取ろうとしてるのよ!」
「うっせぇ!」
つくづくこいつはケチで、とても頭の悪い奴だと思う。100円くらい肩叩きでもしてかせげばいいのに。
「仕方ないからペチャパイさやえんどうの手紙を渡してやるよ。」
もうさやえんどうは諦めた。でも…
「ペチャパイとかいらなかったんじゃ…ま、いっか。」
手紙は無事に私、から陽介を伝って美香に手紙は届いた。