掛け持ちとかワロエナイ
恋愛系かいてきます
プロローグ
あれがすきだ
これもすきだ
なにもかもがすきだ
キラキラしてて、ふわふわしている
それが愛というものだと
わたしはおもうの
好きだらけの女の子のお話
「おはよう家族!」
扉を思いきり開けて、大事な家族に挨拶する
わたしは家族が好きだ。ううん、大好きだ。
わたしにとっての大切な存在。
「おはようございます恋歌さま」
メイドさんも大好き。
いつも優しくしてくれるの。
「いってきます!」
わたし、白石恋歌は、好きだらけの中学生
家が少しお金持ちってことが有名だけど、気にしてない。
「おはよう皆!」
クラスメイトのみんなも大好き。
遊んだり、話したり、馬鹿したり、時には喧嘩したりもする。
それでも、大切な存在。
「みんなだいすき」
それだけでよかった。
今は、ね。
感想などはご自由にどうぞ
5:エルチキ:2016/04/22(金) 19:10 ID:sag 「し、白石さん!付き合ってください!」
中学生後半になると、告白シーズンというものに入るらしい。
第2ボタンをくれ、付き合ってくれだの
恋歌の心には、なにも響いてこなかった。
「うん、いいよ!」
ただ、了承するだけだったのだ。
それの積み重ね積み重ね、いつしか恋歌にはたくさんの『彼氏』ができていた。
『調子乗ってるんじゃないの?』
『誰とでも付き合うんでしょ?きもちわるい』
それを、女子は不満に思う他なかった。
恋歌は家に帰ると、バンッと床を叩いた。
「違う違う!こんなの愛じゃない!」
壁に爪をたててキイッと引っ掻く、爪が剥がれるほどの傷がつく
愛は、キラキラしててふわふわしているもの。
こんなもの、愛じゃない!
恋歌は苦しんだ。
愛というものが、なにか、悩んで悩んで、悩み続けた。
白石恋歌は愛を知らなかったのだ。
「なにが!違うのよ!なにが!違うのっ!」
大好きだった縫いぐるみをズタズタに切り裂く。
綿が飛び散り、部屋が散らかっていく。
「恋歌、落ち着いて」
母親がぎゅうっと恋歌を抱き締める。
「これが落ち着いていられると思う?」
グッと、恋歌は手に力を入れた。
ズブッ
母親の腹にナイフが突き刺さる。
「恋歌…?」
一瞬なにが起こったの?という顔をしたが
耐えきれない激痛で、自分は刺されたという事実に気がついた。
「いっ…!ああああ!」
無様な悲鳴が響き渡る、しかし恋歌はうーんと首を傾げるばかり。
しばらくして、そうだ!というような顔をすると
「喉を潰さないとね!」
ナイフを喉に突き立て、そのまま刺した。
さらなる激痛に耐えきれず、母親の体は芋虫のようにびたんびたんと暴れる。
「じゃあね、お母さん」
恋歌はとどめにと、胸にナイフを突き刺した。
ゆっくり、ゆっくりと心臓を突き破る。
母親は苦しむ間もなく、ぐったりと息絶えた。
「涼香さま?…!!」
悲鳴に気がつき、ようやくやって来たメイドに気がつくと
恋歌はにっこりと笑った。
「愛ってなに?」
白石家は、恋歌の手により
その日のうちに、朽ち果てた。
恋愛系ってなんだっけ
あれから長い年月が経った。
恋歌はすっかり大人になり、ピンクの日傘を差しながら散歩をしていた。
恋歌のいた世界はすでに崩壊し、恋歌はまた別の世界で生きていた。
「そうねぇ…この家大分広いから、メイドが何人か欲しいわねぇ」
恋歌はぼそりと呟くと、パタンと傘を閉じる。
そして思いきり横一直線に振り回した。
「気配は消したはずなのだけど…」
背後には、一人の少女がナイフを構えてたっていたのだ。
恋歌はくすっと笑うと、少女に急接近し間合いを詰めた。
予想外の出来事に少女は目を丸くし、やられる。そう錯覚し、目を閉じた。
「あなた、メイドになりなさいな」
「はあ?」
ここからが本編、恋歌とメイドの少女は
『愛』の講義をすることになるとは、まだ知らないのだった。
こっからが本編
「話の流れが、読めないわ」
「まあまあ…あなたのお名前はなあに?」
少女は、話を聞こうとしない恋歌に腹が立ちナイフを構える。
しかし恋歌は、にこにこと微笑んでいるだけだ。
「名前…ね…ないわ、そんな洒落たもの」
恋歌はあら残念と一言言うと、傘を差す。
そしてしばらくの間、なにかを考えるとパンッと手を叩いた。
「愛夢なんてどう?愛の夢とかいてあむ」
「…愛なんていらないわ、愛が無いで愛無がいいわ」
恋歌の顔が一瞬曇ったが、にこにこと笑うと
仕方ないわね、と一言呟いた。
「よろしくね、愛無」
スッと恋歌が手をだし、握手をしようとする。
しかし愛無は、ペチッと恋歌の手を振り払った。
「よろしくなんて、言わないわ」
「悪い子ね」
二人の間違った関係は、もっと深くなるばかり