非凡な能力に恵まれた、少女たちの物語。
プロローグ
世界もこれで、やっと終わる。
これで私が待ち望んだ、無の世界がやっと訪れる。
私は遂に、宇宙を崩壊に導いた。
「…………」
静か。実に静かだ。
人間の泣き叫ぶ声も、物が崩れ落ちる音も、今はもう完全に消え去った。
…つまらない。
「やっめなさーーーーい!」
聞き慣れた甲高い声と共に、鈍い音が耳に入った。
見ると、私の腕からぼたぼたと血液らしいものが流れていた。
「もうこんなこと止めてよ!
止めようよ!」
彼女は必死に訴えてくる。
「私の邪魔をするな!」
「貴女、自分が何をしているのか分かっているの!?」
「僕の大切な友達を返してよ!」
「……本当に……孤独で悲しい人ね、貴女は……」
………
「……私が何をしているかって?
そんなの世界を滅ぼしているに決まってるじゃないの!
友達?あんな簡単に他人を裏切る愚かな人間なんて必要ないんだよ!
私は強い…強いから群がって他力に情けなく頼ったりしない!
私が私のしたいようにして………何が悪いの?」
私は、やられたことを、やり返してるだけなのに。