キャラクター
(スレ主の別名混じり)
○主人公・メインキャラクター
・霧河 志保 Kirikawa Shiho
数年前、姉を亡くし、数ヵ月前、両親を亡くした不運な子。今は、優しい親戚のところに居候しており、いつか借りを返さなくては…と思っている。家族全員を亡くしたため、一時は暗い性格だったが、幽霊と出会うことで、明るさを取り戻していく。
・霧河 志亜 Kirikawa Shia
志保の姉。何かの手違いで、成仏する一瞬前に、現世へと幽霊として戻ってきた。成仏する前だったため、生前の記憶がそのまま残っている。志保とまた会えたことを喜んでいるが、感情を失ってしまったため、顔には全く出ない。
○サブキャラクター
・安藤 優 Andou Yuu
志保の親友。名前の通り優しい性格。曲がったことが大嫌いで、駄目なことは駄目だと、はっきりと言える子。家族を亡くし、元気のない志保を心配している。志亜のことも知っていて、志亜が死んだとき、志保と一緒に悲しんでいた。
・中井 幸代 Nakai Sachiyo
志保を居候させている、志保の叔母。優よりさらに優しい性格。志保自身は口癖のように
「いつか借りを返さなきゃ……。」
と言っているが、いつも
「いいのいいの!」
の一言で済ます。まさに「理想の親戚」。
はい!長くなりましたが、今回はキャラ紹介だけです!本編はすぐ書きますので!
…何で私がこんな目にあうんだろう。
私は霧河志保。普通の高校2年生。17歳。この学年、この年齢は、死んだ姉と同じだ。姉は数年前、死んだ。自転車に乗って学校へ向かう途中、信号無視した車と激突。即死だった。その辺には、変わり果てた姉の死体と、飛び出た骨。脳と思われる気持ち悪い物体……。普通、吐いてしまうところだろう。でもその時の私は、目の前のグロテスクな光景より、姉が死んだことにショックを受けていた。
そして数ヵ月前、両親が死んだ。とある銀行に、銀行強盗が押し入った。ピストルを持ったベテラン警備員でも歯が立たず、人質とされた客、スタッフ、そして警備員…全員が死んだ。その中に、両親はいたのだ。姉を引いた車の運転手、銀行強盗の犯人、どちらも逮捕されたが、私は決してあいつらを許さない。
今、私は優しい叔母の家で居候中。その叔母……、もとい、中井幸代は私を引き取ってからというもの、あれこれ私のことを気にかけてくれた。だから、親戚の中で一番好きだ。ちなみに叔母さんは母親の姉。そういえば……私は「叔母さん」っていうけど、姉は「幸代叔母さん」って呼んでたな。母は「お姉ちゃん」で、父が「幸代さん」……。
ポタ…。
もういない家族のことを考えていたら涙が出てきた。毎日こうだ。思い出しては泣く。叔母さんに泣きついて、迷惑かけて……。そうだ、皆のあとを追って私も死のうかな。そうすれば、叔母さんだって、荷が軽くなるし……。あぁ、でも、怖いからやめとこう。第一、私にそんな勇気、ない。
ー続くー
初めまして。ナンシーさんの小説、読ませていただきました。続きが楽しみです!
これからも頑張って下さい!
>>3
ありがとうございます!!
自分には勇気がない。気弱で消極的だし……。友達がいて、いじめられていないのが奇跡。もう、全てを投げ出してしまいたい。でも、そんなことしたらもっと叔母さんに迷惑かける。
幸代「志保ちゃーん?ご飯できたけどー?」
志保「…分かったーすぐ行くねー。」
そうだ。今日は大好物のハンバーグ。嫌なことは食べて忘れよう。
「「いただきます。」」
志保「………美味しい……!」
幸代「そう?良かった!」
「「ごちそうさまでした。」」
志保「あ…私、洗い物するよ。」
幸代「あら、いいの?じゃあ、お願いしようかしら。」
ジャー…。流れる水の音を聞きながら、私は考えていた。本当に死のうかな。……駄目駄目!勇気ないし、お葬式の費用だの何だので、もっと叔母さんに迷惑かけちゃう。
志保「…………ったーーーーー!?」
幸代「志保ちゃん!?どうしたの?」
志保「ほ、包丁洗ってたら……っ、切ったみたい……。」
幸代「大丈夫!?あとは私がやるわ!」
志保「え…でも…。」
幸代「いいのいいの!」
叔母さんは豪快に笑ってそう言った。
………まただ。また叔母さんに迷惑かけた。
もう、こんな自分、消えてしまいたい。でも、こんな相談、叔母さんにできない……。そうだ!あの子に聞いてみよう!
ー続くー
今回、前作「天使と悪魔と私」のお話やキャラを使います。前作が気になる方は読んでみて下さい。
???「何?志保。」
志保「優…。ちょっと、相談したいことがあって…。」
優「いいよ。何でも言って?」
彼女は私の親友、安藤優。クラスで一番成績が良い。優しい性格で、学級委員長。「あいつだけ頭がよくて、目立ちたがりやで…嫌い。」などと陰口を言われない、皆から好かれている、憧れの存在。
志保「実は……。」
ー説明中ー
優「……バカ。」
志保「……………え?」
優「志保、あんた、自分が死んだらいいと思ってるの?その……幸代さん?に迷惑かけるっていうのは大体あってるかもしれないけど、そしたら沢山の人が悲しむんだよ。私だってね。」
志保「優……!」
優「ほら、そんなこと考えてないで勉強したら?今日、志保の大っっ嫌いな数学のテストだよ?志保、『駄目だー数学全然覚えてなーい。´・ω・`』って言ってたじゃん?」
志保「………?あ…あ、あーーーーっ!!忘れてた!!!どうしよう!!」
優「ま、まぁテスト6時限目だし、今からでも遅くないよ。」
志保「ありがとう、優!勉強してくる!!」
優「やれやれ……。」
ー数日後ー
(ここから少し優目線となります。)
志保「優!!私、数学のテスト………赤点免れたーーーーーっ!!」
うるさっ!!!でも、上手くいったみたいで良かった良かった。
???「うるさいですわよ!霧河志保さん!」
そう言ったのは転校生の瀬良愛乃さん。(設定は最後に。)N県S市の楽井由加里さん(こちらも、詳細は最後に。)が猛獣に食べられたという事件が起こった学校から転校してきた。
志保「………ごめん。」
前の学校でもそうだったらしいが、学校中からの嫌われ者。
優「…にしても志保、良かったじゃん。」
志保「うん!」
あぁ、でも、やっぱり志保、元気がない。家族が亡くなってから。心配だ。
(ここから、また志保目線です。)
ー志保の部屋ー
はぁ…。今日も疲れた………って、ん?何か光っているような……。
???「………あれ?ここ、現世…?」
ー続くー
新キャラ紹介
・瀬良愛乃 Sera Aino
転校生。お金持ちの嫌われ者。前作「天使と悪魔と私」から引っ越してきました。性格を変えずに登場させました。
・楽井由加里 Rakui yukari
こちらも前作「天使と悪魔と私」から。
・「猛獣に食べられた」発言について
前作のクライマックスのとこです。最後、悪魔さんを探すんですが、悪魔さんは人を殺して食べちゃったんですよね。で、由加里ちゃんも食べられたって話です。で、警察はもちろん悪魔さんのことを知りませんから、勝手に「猛獣に食べられた」と解釈しちゃった訳です。由加理ちゃん、主人公だったんですが、悪魔さん見つけてハッピーエンドだとつまらないので、主人公殺してバッドエンドにしたんですよねー。ww 気になる方は、読んでみてね!
志保「………。」
???「……………。」
志保「お姉………ちゃ…ん……?」
???「志………保……。」
志保「お姉ちゃん!!」
???「志保!」
彼女は私の死んだ姉、霧河志亜。
志保「でも、何でここに…!?」
志亜「……あー………。それが…。」
ー説明中ー
志保「……何かの手違いで現世に戻ってきた?」
志亜「…そうみたいで……。」
幸代「志保ちゃんご飯でき………!志亜ちゃん!?」
志保「えっ、叔母さん見えるの!?叔母さん霊感なかったんじゃ…!?私はあるけど…。」
幸代「さぁねぇ……。志亜ちゃん、何で居るの?」
志亜「幸代叔母さん……。手違いでここへ来たんだ。でもまぁ、皆に会えて嬉しいよ…!」
口ではそんなことを言っているが、幽霊だからだろうか、顔はピクリとも変わらず、無表情。
志保「あっ…そうだ!」
ピ、ピ…ピピ。ツー…ツー…ツー…。
優「志保?」
志保「あっ、優?大至急私の家に来て!」
ー数分後ー
優「………。し…、志亜さん!?」
やっぱり優も見えるのか…。だろうと思ったけど。
幸代「ま、まぁ志亜ちゃんも優ちゃんも!夕飯食べていってちょうだい!今日、多く作りすぎちゃって!」
優「え、でも…。」
幸代「いいのいいの!!」
優「……それじゃ、お言葉に甘えて…。」
久しぶりの皆で夕食。家族じゃなくても楽しいもんだな。あぁ、本当に、死ななくて良かった。人生も、捨てたもんじゃないな。生きていたから、こんな幸せなことを見つけられたんだ。
ー続くー
ー翌日ー
愛乃「霧河さん!」
志保「……!せ、瀬良さん…。何?」
愛乃「貴方、この前の数学のテスト……。満点取ったでしょう?」
志保「だ、だから何?」
愛乃「霧河さんは、数学が大の苦手なんじゃなかったかしら?」
志保「う…うん。」
愛乃「なのに満点を取ったということは……。」
なんとなく緊張が走る。瀬良さんは、前の学校でも気にくわないことがあると、お金で解決する人らしい。
愛乃「……私のテスト…カンニングしましたわね。」
志保「………………は?」
愛乃「私と志保さんの席は隣…。カンニングなんて、簡単ですわ!」
志保「だからって…なんの根拠もなしに……!」
愛乃「あら、口答えするというの?この私に?なんなら、先生に聞いたっていいのよ?」
志保「………いいよ。」
嫌な予感がする。もしかしてまたお金で解決する気なんじゃ……?
ー職員室ー
担任「…………っ霧…河は…瀬良の答案を……カ、カンニングした…っ。」
愛乃「ほ〜らねっ?」
志保「そんな……。先生!私、そんなことしてません!」
担任「……………っ!」
うっすらと、その目には涙が浮かんでいるように見えた。まるで我が子の無実を主張する父親のように。
???「先生は生徒より、お金が大事何ですか?」
「「「!?」」」
振り向いた先には……。
優が立っていた。
優「私、保健委員の仕事があって、さっき職員室に保健室の鍵を取りに来たんですよ。そのとき見たんです。脅しながら先生に大金を渡す瀬良さんの姿を。」
愛乃「………っ!!」
志保「優………。」
担任「……そうだな。お前のおかげで目が覚めたよ。金より生徒だ。ありがとう、安藤。瀬良、この金は返すよ。」
そう言うと担任は、嫌がる愛乃に大金を無理矢理押し付けた。すると愛乃は
愛乃「………くっ…安藤優……!!」
とだけ言い、走り去っていった。その時、担任は先生らしい一言を放った。
「廊下を……、
走るなっ!!!」
ー続くー
バフッ! 私がカンニングしたという言いがかりをつけられたその日。私はベッドに思いきり飛び乗った。
志保「あ〜スカッとした〜!にしてもあの瀬良の奴…。許さない………。先生まで巻き込んで……っ!」
私の怒りの木が、すくすく育っていくような感じがした。そして……、
憤怒の花が開花し、私は暗い…暗い独り言を呟いた。
志保「………殺してやろうかな。」
???「こら。お前暗いまんまだな。全く。」
志保「うわぁ!?」
見ると、いつの間にかお姉ちゃんが立っていた。
志亜「ったく…。」
志保「い、いつからいたの!?」
志亜「憤怒の花が開花し、〜の辺りから。」
志保「ちょっ、お姉ちゃん!それナレーション!メタいメタい!!」
志亜「ナレーションとか言ってる志保も同類だよ。」
そうだ……。私はもう、家に帰っても、叔母さんと二人きりじゃないんだ。家に帰れば姉がいる。こんなこと、久しぶりだ。
幸代「志保ちゃーん、志亜ちゃーん!ご飯できたよー。」
志亜「あ…私も食べていいんだ。」
一階に降りると、3人分の食事が用意されていた。
志亜「幸代叔母さん…ありがとう。」私は笑った。食べていいに決まっているのに。
………あれ?笑った?私、暗い性格になってから、一度も……、
笑 っ て い な い の に ?
ー続くー