とあさんの曲、「さよならスーヴェニア」を
自己解釈したものです。
亀更新なのでご注意下さい。
ゴソゴソ···
未来「よしっ!出来た!」
私は初音未来(はつね みく)
今、明日の準備が終わったところです。
明日は、
すいません途中送信してしまいました。
そして、レンミク注意です。
明日は、私の彼氏、レン君の誕生日です。
すっごい気合いの入った飾り付けにしてしまいました!
こうして祝えるのも、これで最後になるかもしれないから・・・。
転勤が決まったのは、3ヶ月ほど前。
とても急で、お父さんも申し訳なさそうだった。
私は明後日、北海道に行く。
だからきっと、レン君の誕生日を一緒にすごすのは、これで最後・・・。
私が引っ越すことは、誰にも言っていない。
友達のリンにも、レン君にも。
誰にも、言ってない。
悲しませたくないから。
ブブブッ!
メールの着信音。レン君からだ。
「明日は俺の誕生日祝ってくれるんだよな?
楽しみにしてるぜ!」
私は小さく笑みをこぼす。
はしゃいじゃって、子供みたい。
そんなところも、好き。
きらきらのパッケージに包まれたプレゼント。
心を込めて書き上げた、おめでとうのメッセージ。
君と出会えた日を思い出しながら、書き上げた一通の手紙。
準備は万全。
明日がレン君にとって、最高の誕生日になりますように・・・。
とりあえずここまで。
昼にはレスがついていることを願う。
〜翌日〜
ピンポーン···
「おお、いらっしゃい、未来」
「こんにちはレン君、お邪魔します」
今日はレン君の家で誕生日パーティー。
最高の誕生日にしてみせる!
「レン君、これケーキ」
「マジで!?ありがとう!」
「レン君、甘いもの大好きだもんね。
レン君の好きなショートケーキ選んだよ」
「未来マジありがとう」
レン君が真顔でお礼を言うから、私、笑っちゃった。
でもその瞬間、頭の中をよぎったの。
引っ越しのことが。
突然うつむいた私を心配したのか、
レン君が声をかけてくれた。
でも私は、笑顔で何でもないと返事をする。
せめて、レン君との最後の思い出の中での私は、
笑っている私でいてほしいから。
泣くのは少しあとで。
今更ですが、めっちゃ短編です。
12:とあfeat:2016/10/09(日) 18:26 本当に幸せな時間だった。
レン君にプレゼントを渡して。
一緒にケーキを食べて。
一緒にゲームをして。
マ●オカート、負けちゃったな。
でも、すごくすごく、楽しかった。
そして、楽しい時間は過ぎてー···
あっけなく、終わる。
「お邪魔しました。レン君、今日はありがとう」
「いや、俺こそありがとう。ケーキとか、プレゼントとか」
あともう少し、もう少し我慢したら、泣いていいから。
だから、まだ、出てこないで···。
「レン君」
「なんだ?」
「これ···」
そう言って私が差し出したのは、
一通の、手紙。
何度も何度も、書き直した手紙。
私の思いがたくさん詰まった、大切な手紙。
「明日の朝、読んで」
「今じゃダメなのか?」
「絶対、ダメ」
「···ん、わかった。明日の朝に必ず読む」
「ありがとう」
私は、微笑む。
泣きそうなのを必死でこらえて、笑う。
ああ、渡せた。
よかった。
「じゃあ、レン君、"さよなら„」
「またな」
さよなら、レン君。
私は、”またね„なんて言えない。
もう、きっと、会えない。
私はレン君に背を向けて、少し日が暮れた道を歩く。
足が重い。
腕が震える。
やだ、やだ、引っ越したくない。
喉から嗚咽が漏れる。
レン君に、聞こえちゃう。
止めなくちゃ、止めなくちゃ、止めなくちゃ。
止めなくー···、
ふいに後ろから、レン君に抱きしめられた。
「ーえ···」
「お前、どうしたんだよ」
びくっと、肩が強ばる。
「お前に一番好きな言葉、"またね„だったじゃねえか···」
···覚えて、た。
ずっと前、まだ付き合ってもいなかったころ。
二人が交わした、言葉。
少しミスしました。
二人で交わした、言葉。
です。
「お前の好きな言葉って、何」
「えっ?わ、私?
えーと···"またね„かな?」
「またね?何で?」
「またね、って言ったら、また会えるでしょ?
だから、幸せな言葉だな、って、思ったんだけど···。
へ、変···かな?」
我ながら少し恥ずかしいセリフだと思った。
「いや、すげえ良いと思う」
「えっ?···」
「またね、か。うん、良い言葉だ。
···あ、んじゃ俺、明日から初音には"またな„って言うわ」
「え?えええ?」
「嫌か?」
「ううん。すっごく嬉しい!」
あの瞬間、私は恋に落ちたの。