キミは、いつでも私の曇った心を照らしてくれる太陽みたいな人でした。
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「美雨ー」
私の名前を呼びながら頭をポンッと叩くのは
相原 仁太。
私の幼なじみであり、私の初恋の人。
「仁ちゃん今日早起きだね」
「昨日遅刻して散々怒られたからなー」
佐倉 美雨.高校2年生。
仁ちゃんに恋して10年目になります。
仁ちゃんとは家が隣同士で小さな頃から親絡みでよく遊んでいた。
仁ちゃんのことが好きって恋してるって思い出したのは、小学校に入学した頃。
ほかの女の子と仲良くする仁ちゃんにヤキモチを妬いてよく泣いてたな。
仁ちゃんはカッコいいしモテる。
だからいつも告白されてた。
けど仁ちゃんは誰も相手にしなかった。
そんな仁ちゃんを長い間見てきたからこそ、
告白なんてできずにいたんだ。
でもせっかく仁ちゃんと同じ高校にまで行けたんだからもうそろそろ告白したいな。
なんて考えるこの頃。
「なぁ美雨」
「ん?」
「お前彼氏とか作らねーの?」
仁ちゃんがいきなりそんなことを聞いてきた。
「作んないよっ仁ちゃんは?」
「俺よく分かんねんだよな」
「え?」
「これが恋なのかどうかとか分かんねんだよな」
仁ちゃんが..恋してるの?
いつも手の届く近くにいると思っていた仁ちゃんは
いつしか気付かないうちに遠い存在になっていた。
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「どしたの朝から上の空だけど?」
「夏奈〜」
「なになにどした?」
中本 夏奈
私の1番の友達で相談相手。
私は朝の仁ちゃんとの出来事もすべて話した。
「相原好きなヤツでもできたかな」
「やっぱりそうだよね..」
「うん、美雨には無理だよ諦めな」
「..やだ」
「だったらくよくよめそめそしてどうすんの!」
夏奈は続けて言った。
「このままだと相原どっか行っちゃうよ?!
アンタはそれでいいわけ?
ずっと好きだったんでしょ?
だいすきだったんでしょ?
だったらダメ元でもなんでもいいから気持ちぶつけなよ!」
私は夏奈の迫力に圧倒されっぱなしだった。
「夏奈..私頑張るよ」
「そのいき!」
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放課後、先生に頼まれた仕事を残ってやっていた時だった。
「佐倉さん?」
「あ、澤田さん!」
同じクラスの 澤田 凜 さん。
「遅くまで偉いね」
「ちょっと先生に頼まれちゃって」
「そっか、佐倉さんって相原くんと仲いいよね」
「幼なじみなんだ」
「そうなんだ、相原くんのこと好きなの?」
澤田さんの直球すぎる質問に戸惑った。
「仁ちゃんは..昔から憧れで..」
「好きなの?そうじゃないの?」
「..好き..だよ?」
「なら諦めてくれないかな?」
「え?」
澤田さんの顔を見たらすごい怖くて思わず顔を背けてしまった。
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