暑さ寒さは彼岸まで、

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1:きの仔◆sw:2016/10/31(月) 20:40

小説ぼちぼち書きます。

荒らしは厳禁だけど、コメント、アドバイスは全裸待機してます(*´꒳`*)

小説は普通に門外漢ですので文の形式とか適当です!
間違えてたりおかしかったら、笑いながら教えてください。

あと仲良くしてくれる人は年中無休で募集中です。
(´-`).。oO(葉っぱに知り合いほしい……)
長い前書きになっちゃったけど、よろしくお願いします!

2:きの仔◆sw:2016/10/31(月) 21:53

∵登場人物

⁂年少組
▲嘉月(かづき)
13歳のおにゃのこ。天真爛漫な性格で「きゃぷぷっ」って笑うのが特徴。

▲霞(かすみ)
12歳のおにゃのこ。内気で嘉月をてとてと追ってる。あだ名は「すみちゃん」。

⁂年中組
▲燕(つばめ)
15歳の双子のアネキ。天真爛漫じゃないけど、とりあえず真っ直ぐ。四字熟語なら猪突猛進…?

▲鷽(がく)
15歳の双子のオトート。真面目な大人ぶりたいけどやっぱりまだまだ少年です。

▲椿(つばき)
16歳のおねーさん。大きな包容力でみんなを見守ってるけど…? 弥生さんのかのーじょ。

⁂年長組
▲弥生(やよい)
17歳のたーいしょっ。優しきリーダー役。椿ねーさんの彼ぴっぴ。

▲蚕月(さんげつ)
18歳の多分イケメン。ふらふらーっとしてるちょっと不安定なお兄さん。

3:閖時雨◆YQ ナンシー:2016/10/31(月) 21:53

支援致しますぅ〜

4:きの仔◆sw:2016/10/31(月) 22:08

>閖時雨さま
あ゛あ゛あぁ〜、ありがとうございますぅ〜!!
よろしくお願いします╰(*´︶`*)╯♡

5:閖時雨◆YQ ナンシー:2016/10/31(月) 23:01

>>4
いぃえ〜

6:きの仔◆sw:2016/10/31(月) 23:05



∵プロローグ

「いっち、にぃ、さっんぽーっ!」

雨上がり。
元気な声が勢いよく跳ね上がった。

虹もない薄暗い空の下で、嘉月(かづき)は黒いセーラー服の裾(すそ)を翻(ひるがえ)しながらリズムよく、薄い水たまりの上を跳ねてみせる。
裾の揺れと共に持ち上がっては落ちる、眉より随分上の前髪。
跳ねた拍子に弾けた泥が、三つ折りされた白い靴下にシミ模様を浮かべた。

「おおっとーっ?!」

突然路上にしゃがみこむ嘉月に、後ろから追いかけていた霞(かすみ)は勢いを抑えられずに鼻を嘉月の背中に激突させた。

「見てください、すみちゃん! 小さな春、みーつっけた!」

きゃぷぷ、と独特の笑い声と共に指差した先には、ほんの少し頭を出した土筆(つくし)の姿がある。
嘉月の隣に小さく座った霞は、自分の長い前髪を左手で押さえながら嘉月の指先を目で追う。

すると、

「おらおら、ガキどもー! そんな地面のど真ん中に座り込むなっての」

嘉月と霞の後ろを追っていた残りの5人がすぐ後ろに来ていたようで、弥生(やよい)は嘉月の頭の上に、先ほどいつもの店で仕入れて来た買い物袋を乗せる。

「むむむっ! 大変です、首が動きませんよー」

嘉月は大問題です、と言いつつもその声は明るい。
その様子を隣の霞も、やわらかくふにゃりと笑いながら見守る。


ほらよ、と荷物がどかされると、また嘉月はきゃぷぷと笑い、すくりと立ち上がり駆け始めた。
出遅れた霞も、それをまた後ろからそれを追い始める。

「おい、2人ともー? どっちに行く気だーっ?」

いつもの秘密基地である寂(さび)れたビルディングとは逆方向に行こうとする2人に、弥生は声を張り上げる。

「私たちーっ、春っ、研究隊は! 春を探しに行く任務があるのでっ、しっつれいしまーす!」

それに対し、嘉月がにいーっと笑顔で振り返って、両手を振った。
その横に辿り着いた霞も、こちらをウェッジウッド色のスカートと胸の紐リボンを揺らめかせ振り返った。

「し! しつれいしまーすっ!」

続くように霞が叫び、少し顔を赤らめて俯く。
嘉月は気にした様子もなく、すみちゃん、行こう!と霞の手を引いて進み始める。

「夕飯には帰って来いよーっ!」

後ろ姿に投げかけられた言葉に、仲良く2人は声を揃えて返事をする。

「ったく、お子様組は」

小さな鷽(がく)の呟きと共に、小さくなる2人の後ろ姿。
残されて5人は銘々(めいめい)の荷物を片手にその背中を見送った。

「取り敢えず、俺らは帰っか〜」

弥生の声に止まっていた彼らの足が動き始める。


――春はもうすぐそこまで来ていた。

7:きの仔◆sw:2016/10/31(月) 23:10

うめうめ。

プロローグらしからぬ長さになってしまったσ(・・;)
おかしいなあ。
読みにくい点あったら、すみません〜

8:きの仔◆sw:2016/11/01(火) 21:05

∵第1章「卯月」
⁂第1話「隠れ家・三月荘@」

トン、トン、トントントン。

軽い足音が鉄を響かせリズムを奏でた。

嘉月。
そう仲間内で呼ばれる少女は、薄茶の色素の薄い短い髪を揺らして行く。
無駄のないすらりとした身体は、真っ黒のセーラー服に身を包み、胸ではリボンが白を主張する。

裾を気にしようともせず、黒からにゅっと出た二本の足をリズムよく躍らせた。

トン、トン、トントントン。

くるりと身体を回し、次の階段に体を向ける。
そしてまた非常階段を駆け上がる。
最後の段まで来ると、にっこり微笑んでそのままのスピードを乗せ、

「おっ……空へ、ダーイブっ!」

勢いよく最後の段を踏み、そのまま最上階に飛び立った。

9:きの仔◆sw:2016/11/02(水) 20:36

こんばんは[壁]_・)チラッ

また夜頃に更新しますが、もしこの小説を読んでる文字書きさんがいたらぜひ共有したくて……!!

Twitterで回って来たサイトさまなんですが、小説の採点(?)をしてくれます!
ウイルスの危険性とかはわからないですが取り敢えず私は大丈夫だったのでオススメ!!
プロローグを採点してもらいましたが、自分の文の癖がよく分かります( ˘ω˘ )

己の腕を磨くためでも、暇つぶしでも面白いのでぜひ!

http://www.ennach.sakura.ne.jp/index.html

10:きの仔◆sw:2016/11/02(水) 20:37

(今更だけどめっちゃ宣伝っぽいですな。回しもんとかじゃないです。自分の診断が的確すぎてはしゃいでます)

11:きの仔◆sw:2016/11/02(水) 22:19

⁂第2話「隠れ家・三月荘A」

町の外れにあるこの廃ビルは、元は「ハイツ・元命(もとなが)」という名前だったらしいのだが、数年前に元の大家が手放して以来、買い手は無かった。
その後も誰も寄り付かず、区画整備された街の方よりもそれなりに高台に面したことも拍車をかけ、人の手の届かない荒れ果てたものとなっていた。

そのため、元は綺麗な白だったであろう壁には黒いシミが目立ち、駐車場には廃棄されたゴミが投げ出され、どこかから運ばれてきた種子が強く根を張り、ビルの3階まで蔦(つた)を張っている。
建物自体は全部で3階まであり、更に屋上を持っているが、屋上と言っても貯水タンクと申し訳程度に作られた粗末な柵があるだけである。
また、建物内――屋根の下ともいう――にある階段とは別に、ビルの横には非常階段として設置されていたが、鉄製の折返し階段になっているそれは、所々錆(さ)び禿(は)げ、酷いところは段が抜けていた。

これが、近頃数人の若い男女が住み着いた、彼らの生活スペースである。


「やーよーいーっ! ねぇーねぇー」

嘉月は3階にある、全員の共有スペースである1室で、リーダーである弥生を捕らえていた。
しかし、先月の出費の書かれたレシートと家計簿で睨めっこをしていた弥生は、はいはいと答えるものの、どう考えても生返事。
ちょうど側にいた椿(つばき)が、気を使ってか嘉月にお茶を淹れる。

ビルは元はハイツだったというだけあって、全9部屋、内一つが一階のテナント部分であるが、それを抜かせばあとは全部屋1LDKの割と広い、普通の家のようになっていた。
7人は1人1室ずつ利用し、余った3階の1室は全員の共有スペースとして使われている。
話し合いなどで使われるのは専(もっぱ)らここだ。

12:越後:2016/11/03(木) 11:44

情景描写が程よく的確で非常に分かりやすい、いい小説だと思います。

突然入り込んでしかも上から目線っぽくて申し訳ない(
というか文才下さい(

13:きの仔◆sw:2016/11/03(木) 17:48

>越後さま
ああ〜!!勿体ないお言葉ありがとうございます😊😊
飛び入り大歓迎です╰(*´︶`*)╯

越後さま、「デジタルな価値観、リアルの価値観。」お書きになっていますよね!(先ほどお見かけしました)
読みやすい、いい小説だと思いました(*´◒`*)
疾走感があって、テンポよく読めます!文才十二分にあると思いますよ〜

あっちに書き込んだらいいのか迷って、取り敢えずこっちに感想書いてます。
あちらのスレにも後ほどお邪魔しますね٩( 'ω' )و

14:きの仔◆sw:2016/11/03(木) 18:06

>>11
おおっと、ミス発見!
話数が第1話なのが正解です。第1話は果てしてマル何まで続くのか……。

15:越後:2016/11/03(木) 18:45

>>13
有難う御座いますw
良ければ小説家になろう版も是非()

16:きの仔◆sw:2016/11/03(木) 22:39

⁂第1話「隠れ家・三月荘B」

耳元で騒ぐ嘉月に、ガシガシと自分の頭を乱雑に掻くと溜め息を零す。
そして、弥生は観念して横の嘉月に向き合う。

「分かった分かった、取り敢えず大人しく座れ。……ったく、で? どんな用でそこまで騒ぐんだ?」

ようやく話を聞く体勢に嘉月は目を輝かせて言った。

「大掃除! しようっ!」

「……はあ」

大掃除ー、大掃除ーと目を輝かせ騒ぎ立てる嘉月。
予想もしていなかった出来事に、思わず弥生は面食らってしまっていた。
そんな彼に一生懸命に想いを伝えたいという様に、嘉月は足りない言葉で懸命に言葉を紡ぐ。

「掃除って、ええっとー、なんていうか、物に対してありがとうっていうか、感謝を伝えられるから、うーん……」

嘉月は何度も言葉に詰まってしまうが、その続きを急かすことなく弥生は待った。

「……それって、すっごく大切で、ドキドキで、目一杯楽しいことだと思う。私たちがこれから過ごす場所だよ? ぜーったい! ピッカピカにする方が、みーんな、いーっぱい幸せだと思うの」

「……そうだな」

だよね、ねっねっ!といつものようにきゃぷぷと笑う嘉月に、弥生もまた、微笑みかけた。
満足そうに笑うと、嘉月は椿が淹れた紅茶に口をつけた。
ふんわりと、やさしく苺の香りが口内を駆ける。辺り一帯にも、その柔らかな甘い香りが広がった。

「俺らが過ごす、大切な場所だからな」

弥生はそう言うと、よいしょと立ち上がり、掃除道具を近所の人に借りてくると言って部屋をあとにした。
残された椿は、ちらりと同じく部屋に残る小さな少女を見て、微笑む。

「明日はいい天気だといいわね」

きゃぷぷ。

2人は図ったように、一緒に窓の外を見る。
窓の向こうには、高台ならではの見晴らしのよい景色と、綺麗な夕焼け模様が見える。

「きーっと晴れますね!」

ほのかに苺が香った。

17:きの仔◆sw:2016/11/12(土) 21:46

⁂第1話「隠れ家・三月荘C」

雲ひとつない、薄い水の空が高い。
太陽はまだ南よりも東に近く、ゆっくりと地面を照らし始めたばかりで肌寒い。
その空の下、集まったメンバーはまだ薄く目を開き始めたばかりで、どこか眠たげだ。
薄茶色の髪をした少女は、爛々と目を輝かせていたが。

「あーーー、っつーわけで皆で楽しくハイツ・元命をキレイにしましょー」

中心にいた人物――もちろんリーダーである弥生――がそういうと、面々も小さくオオー、っと声を出す。
元気よくそれに答えたのは発案者である嘉月だけだ。
普段こういうノリに強い燕(つばめ)も滅法朝に弱いらしく、気のせいか、高い位置でいつも縛られている髪も、シュンとして見えた。

「とりあえず、今回の目的は元は駐車場であったこの場所の雑草の排除。ビルディングの壁の清掃、蔦の撤去。それと、非常階段の簡易的な補強だな」

「はーいっ!りょーっかいでーす!」

ビシッと嘉月が敬礼する。
くるりと体を回転させ、霞の腕をとると、行こ行こっと除草に移り始める。
周りもそれに倣って、散り散りと行動を開始した。


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