解放を、ただ待ってる

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1:匿名:2016/12/13(火) 15:15


____君という存在から開放されることが、

    僕にとっての、最後の手段なんだ。

2:匿名:2016/12/13(火) 15:33


* Prologue *


「さよならなの?」

そう聞く彼女の珊瑚色の頬に、つぅー……と涙が流れた。

それは、優しい月の光に反射して、悲しいくらいに輝いた。

「うん」

僕は短く返事をして、周りを囲むビル群を見つめた。

航空障害灯が、じっと僕らを照らしている。

「ばいばい……」

彼女が、僕の手をすっと振りほどく。

僕は、彼女を見ることもできなかった。

ただただ、お互いに、泣いていた。

3:匿名:2016/12/13(火) 15:57


1 mail

伶那から、初メールが来た。

『悠、部活お疲れ。次の試合、絶対見に行くから練習頑張って!』

僕は直ぐ様返信を打とうと自分の部屋に直行した。

伶那はガラケーなので、ラインのようにスタンプを使えないのが不便だけれど、それはそれでいいと思う。

「あ、り、が、と、う、 れ、な、も、ぶ、か、つ、」

ハッ!

僕はメールを打つ手を止めた。

何をしている。たかが彼女。僕ももう中3じゃないか。

愛してるの一つや二つ、言えなくてどうするんだ。

僕は必死に書いた文章を消し、代わりに

『伶那、愛してるよ。お互い部活がんばろう。』

と書いた。

そ、そ、そおおおしn……。

無理だ。

僕は恥ずかしさのあまり、クッションを顔に押し付けた。

中3のまだ子供な僕に、こんなキザなセリフは似合わない。

書いては消し、書いては消し、……。

結局、送ったのはこれだ。

『ありがとう。伶那も部活頑張れ(^O^)』

最初書こうとしてたのと同じ。


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