とある街の、王道てきな。

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1:ランド:2017/01/08(日) 16:15


なんとなーく思いついちゃった設定があるので。


更新不定期・駄作ですが、読んでやってください。

2:ランド:2017/01/08(日) 16:16

この容姿は望んで貰ったものじゃない。



けど、この容姿は嫌いじゃない。



この容姿のおかげで、あたしの人生での選択肢は増えた。




なーんて。かっこつけるのは、あたしには似合わない。









「…いつだって、あたしがやりたい事をやるだけ。」





「人生って、簡単でしょ?」

3:ランド:2017/01/08(日) 17:00


???side


ちょーっと、気に障っただけ。



それが次第に膨れて…今では大っ嫌い。



この街の支配者なんて、笑わせてくれるよね〜。



七神なんて言われてるけど…君らじゃ、神にだって支配者にだってなれないよ。





「ねーねー和泉、今からちょっと七神のとこ行こ。」



「コンビニ行こみたいな感覚で言わないで…まぁ、いいけど。」



流石、俺らのお父さん。



……それじゃ、ちょっと行ってこよ。

4:ランド:2017/01/08(日) 17:02



「あー小猫、今日は凛が来るから下に行ってて貰ってもいいか?」



申し訳なさそうな表情を見せず、支配者サンは言う。


うーん…なんかあの人に指示されるの、嫌いなんだよね〜。


あの人、にはね。



「…そ。あ、リオ、もしかしてコンビニ行く?」



支配者サンから目を離すと、通りすがったリオに出くわした。


財布もってるし、多分パシられてるよね。



「そうですけど…あ、なんか欲しいものありますか?」



「ん〜分かんない。荷物も重いだろうし、ついてく。」



「…まじっすか?!いや〜助かります!」



スキップしそうな程テンションが上がったリオについて行く。



…あ、こんにちわ、矢吹小猫です。


自他共に認める天才美少女、とでも思っといてください。

5:ランド:2017/01/08(日) 17:05


対して遠くないコンビニまであたし達はのんびり歩く。


「そーいや、最近総長も凛さんばっかですよねー。猫さんの事は眼中にないっつーか。」



「ねー。あたしがここに居る意味ってなんだろ。」



「それは…少なくとも、俺は猫さんの事必要としてますよ〜?ほら、ちゃんと証も。」



そう言ってリオは振り向き、首についたチョーカーを見せつけてくる。


真っ黒な革の生地、暗い赤の猫のシルエットが小さくワンポイントになってるチョーカー。


我ながらいい品物をあげたと思う。



「知ってる。でもそれ、恥ずかしくない?」



「俺は猫さんに忠誠を誓った身。こんなの恥ずかしくともなんともないです。」



「ふーん。」



リオが前を向くと、会話は無くなった。


双蛇理央。あたしにとって大切なのはリオだけと言えるくらい大切。


…というより、他の人が大切だと思えないだけかな。



あの日、リオを引き取ってなかったらきっと後悔してる。



…なんて、本人に言ったら調子にのるから言わないけどね。

6:ランド:2017/01/08(日) 17:09


あたしがナナガミに居る意味…それは、きっと兄さんのせい。


あたし、別に1人でもやっていけるのに。


何が兄さんをあんなに過保護にしたんだろ。



…ま、そんなこと考えてもしょうがないや。



「猫さん、何が欲しいっすか?」



「寒いし、あったかいの飲みたいな〜。あたし、向こうの方行ってるね。」



「了解っす!勝手に外出ないでくださいね?」



「はーい。」



あの人に指示されるのは嫌だけど、リオに指示されるのは嫌いじゃない。



っと、カフェオレは…あ、あった。


今頃支配者さんはきっとあの子の所。


お金持ちで性格が良くて女の子らしい、あの子の所。



辛い、助けて、苦しい。


恋愛感情は無くとも、大切だったから…最初は、当然そう思った。


だけど、支配者さんはあの子を選んだから。



……こんな風に割り切ってる自分が、ちょっと怖いようにも思えてくる。l

7:ランド:2017/01/08(日) 17:11

「…こんな重いの、もたせちゃってすいません。」



「いいよ、全然。むしろ1人だともっと大変だったでしょ〜。」



「まぁ、そうっーーーーすね。」



重たい袋を両手に持ち、倉庫へと戻る。


呑気に話しながら倉庫に着くと、ドア前に人が3人立っていた。


見たことないし…誰だろ。



リオは支配者さんから信用されてるし、何か知ってるかな?



「リオ、あれ誰か知ってる?」



「いや、作戦も何にも聞かされてないです。だから、奇襲と考えるのが…」



へー…じゃ、まずい状態?


真正面から行くとボコられちゃう系?


アイス溶けちゃうし…ってか、こんな寒い時期にアイスとか食べる人凍えないの?



そんな考えは思いつくけど、平和に倉庫へ入る考えは思い浮かばない。



「って言っても、ドアは1つしかないですし…近づきますか。」



「そうだね。」

8:ランド:2017/01/08(日) 17:13

普通に歩いて近づくと、1人がこっちに気づいた。


金髪の、美少女みたいな人。


女の子っぽいけど…男の子にも見えなくない……?



「あっれれ〜?ねーねー和泉、なんかいるよ。」



「あ"?総長やっと来たか…って、女連れ?」



多分、支配者さんはあの子を迎えに行ってるんだろうし…


ん〜もしかして、ここに纏められる人はいないんじゃ。


リオがいるし、どうにかなるかも…いや、相手も強そう、分かんないや。



「総長?なら多分お出かけ中だよ〜。そこ、通してもらっていい?アイス持ってるから。」



袋を強調するように少し手を上げ、一歩踏み出す。


リオが横で少し止めようとしてきたけど、気にしない。



「あの、通してもらっていい?みんなに買ってきたの、溶けちゃう」



「あーはいはい。ごめんなさいね。」



軽く睨むと、3人は道を開けてくれた。

9:ランド:2017/01/08(日) 17:14

入口のすぐ横にあるクーラーボックスにアイスを入れて、とりあえず袋を置く。


あたしが置いた袋の横にリオも袋を置く。


それを確認して3人に向き合う。



「で、何の用ですかー?」



「ちょっと猫さん、相手強そうですよ…?」



「まぁまぁ、まずはお話から。」



あたし、喧嘩は出来なくても頭脳なら負けませんから。


とりあえず、目の前に立っている3人を見上げる。


金髪美少女…よく見たら、金に近い茶髪だ。


近くで見ると、女の子には見えるけど男の子ってわかる。



で、黒髪の男。


背高…多分、あたしより年上。



そして真ん中に立つ、茶髪に赤メッシュを入れているこの人。


うーん、あたしが思うに、この人がリーダー?


けど、リーダー感がないなぁ、不思議。



「何じっと見てるの?」



目が合った赤メッシュに首を傾げられる。


…睨んでこないあたり、この人は多分喧嘩っ早くない。


なら、喧嘩にはならないよね

10:ランド:2017/01/08(日) 18:31

「いーえ、なんでも。っていうか、貴方達かっこいいね。」



「そう?俺にとっては君も可愛いと思うんだけど。」



「…まぁね。」



「可愛いんだから、いくらでも褒められてるでしょ?」



「そうかも。」



「…君は、七神の姫?」



「多分そう。」



台本があるかのように言葉を紡ぐ。

この人と喋ってると何も考えなくて済む。


……リオと話してる時みたい。



「へー…俺、君のこと欲しくなっちゃった。」



「あたしを?」



「うん、そう。」



赤メッシュはあたしに近づくと、あたしの手を取った。


…何するんだろう。握手とか?


なんてあたしの考えとは全然違くて、赤髪はあたしの手の甲に口を付けた。

11:ランド:2017/01/08(日) 18:33

「…猫さんっ!」


焦ったリオがこっちに一歩踏み出してくる。


「……大丈夫、今されたのは右手。」



「で、すが…」



心配そうなリオに笑いかける。


…大丈夫、リオは左手。リオの忠誠は上書きされてない。


赤メッシュに視線を戻すと、あたしの目を見てにっこりと笑っていた。



「やっぱり、君は可愛い。そこの忠犬クンも来ていいから、こっちに来なよ。」



「どーいう…」



な、何この人。



「わっ!」



急に抱きかかえられたかと思うと、赤メッシュは倉庫の外へと走っていく。


倉庫の中に残っているリオに目で助けを求めると、慌てて追いかけて来てくれた。


あたしはどこへ連れていかれるんだろう。



このまま攫って欲しい、助けて欲しい、そばにいて欲しい。


リオが叶えられない1つ目のお願い、あなたが叶えてよ。

12:ランド:2017/01/08(日) 19:19


倉庫がある敷地と普通の街のちょうど境目。


ギリギリ敷地に入らないくらいのところに、大きな黒塗りの車が停めてあった。


これ、3人の…?


ちょ、かなり高級に見えるんですが何これ。



その車の前であたしは降ろされた。



「ほら、早く乗って。」



「うん…」



どうやらリオは後ろの車に押し込められている様子。


その光景にちょっと不安を覚えながら、あたしは車に乗った。

13:ランド:2017/01/08(日) 19:43


「猫ちゃんさ。」



突然、赤メッシュに声をかけられる。


って、



「猫ちゃんって…」



「違うの?忠犬くんが猫さんって呼んでたから…」



「一応あってる。けど。本名は矢吹小猫。」



「だから猫か…あ、俺は

14:ランド:2017/01/08(日) 19:46


「猫ちゃんさ。」



突然、赤メッシュに声をかけられる。


って、



「猫ちゃんって…」



「違うの?忠犬くんが猫さんって呼んでたから…」



「一応あってる。けど。本名は矢吹小猫。」



「だから猫か…あ、俺は伊坂春兎。」



「春兎…じゃあ、ハルだね。」



あたしの“ハル”に反応したこの人は、くしゃりと笑った。


笑った顔…可愛い。


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