私が高校生のときに書いていた小説を投稿したいと思います。
多少手直しをした程度でございますから、意味不明な部分も多々あるとは思いますが御容赦ください。
人物紹介
森本 愛羅 (もりもと あいら) 13歳 中学1年 主人公A
森本 直喜 (もりもと なおき)故人 小学校4年の時に自殺を図る。愛羅が小5の時。
牟方 平筑 。(むかた ひらつく)43歳 2年前、直喜の担任、現在愛羅の通う中学校の英語教師
道臣 春香 (みちおみ はるか)13歳 中学1年 愛羅の友人
坂村 学 (さかむら がく) 25歳 社会科教師 主人公B
坂村 陽神 (さかむら ようしん)故人 学の曾祖父
私の弟は、2年前に自殺しました。そして私は知ってます。当時の担任教師が弟をいじめていたのを。
1、(森本愛羅編) 2020年 5月3日
星川市にある巨大な私立学校。幼稚園から高等学校までが併設(同じ敷地内に幼稚園から高校まである)されているこの見香川学園は、見香川財閥の総裁が理事長を務めている。そのため、いろんな社長のご子息がこの学園に通っている。
「ねえ、あんた? 私にぶつかってきたでしょう。どうなるかわかるよね」
今日もこの学園の中学校、1年A組のボス的存在の橋川三波(はしかわ みなみ)は、また誰かに対して、勝手な理由を付けて嫌がらせをしていた。毎日のように徒党を組み、このような行為に出ることから、橋川三波は恐らく、いろんな人間から恨まれていることだと思うが、私は特に恨んではいない。
「すみません、許してください橋川様! 」
どうやら、不幸にも橋川にぶつかってしまった子が謝り始めたようだ。
その子の今の状態を見て、私も可哀想だとは思う。私だって頭から水を掛けられたら嫌なのは同じである。その子は、橋川三波にぶつかったことでこうなったのだ。でも私はその子に慰めの言葉を掛けるつもりは無い。今私の頭にあるのはただ1つ、牟方への復讐しかないから。だから、他の子のことに構っている暇など無いのだ。
「おい、座れ。諸連絡の時間だ」
少し時間が経ち、担任の坂村学が教室に入ってきた。坂村はまだ25歳だが、他の教師とは雰囲気が違う。私は弟の一件で『教師』と言う存在そのものが嫌いだが、坂村は『いじめは駄目』とか『みんな平等』『命はかけがえの無い物』とか教師の決まり文句を言わず、逆に先日の人権の授業では『命は、写真よりも安い』と問題発言までしたぐらいだ。私は『命はかけがえの無い物』とか言うと思っていたものだから、『なら誰も自殺しない世界を作ってよ』と文句を言おうと思っていたのに・・・・・・。少なくても、坂村は綺麗事を言うだけの人物ではないようだ。
寧ろ人として最低な部類に入るのかも。
「では、今日は社会科の補習があるから点数の悪い奴は残れよ。・・・・・・全く、祖国の歴史すら学ばないとは! 君らは日本人か! 」
とにかく、坂村の言動はかなり気になる物でった。
2、(森本愛羅 目線)2020年 5月3日
朝のホームルームの時間は終わり、私はとり合えず1時間目の授業の準備を始めた。1時間目は英語。あの牟方の授業だ。だが、授業の時だけは私は彼に敵意は出さない。それは向こうも仕事で、あってこちらも教育を受けていると言う立場から。
「ねえ、あんたもう一度水掛けられたいの? 」
「嫌です」
「だったらさ、次の英語の牟方って教師がむかつくからさ、代わりに水掛けてあげてよ」
「えっ、でも先生だよ! 」
何と光栄な事か! 私は今そう感じた。よりにもよってあの橋川が牟方を嫌っているのだから。本当は私が水を掛けてやりたい気分だ。しかし、私はもっと大きな復讐をしてやりたいので、今はただじっとしていた。
「先生だから何? たかが末端程度すぐクビに出来るよ。だって私のお祖父ちゃんは見香川財閥の総裁にして、見香川学園の理事長ですから。私が少しお祖父ちゃんに話せばすぐにクビなるよ」
「えっ、」
橋川三波、名字こそ違うが見香川財閥総裁の孫に当たる。彼女は昔、気に食わなかった教師をくびにしていることがある。つまり、彼女はこの学校においては無敵の存在と言っても過言でもない。現に学校のほとんどの生徒がそう思っているのだから。彼女は敵にまわすべきではないことは確かである。
けれど、もし仮に彼女が、私の牟方への復讐を邪魔した場合は私は彼女を敵にしてもかまわないと思っている。