あ。
ボロを着た女の子だーー家出をしているんだな。
「やあ、君いくつ?」
「ひっ!?……て、あんただっていくつよ。ほとんど私と一緒じゃないの」
同じくらいだかこそ、この子の気持ちもわかるけど、またその反面、この子の弱みも
わかってしまう。
「相談なら乗るよ。マクドナルドおごるからさ」
マクドナルドから出る時、彼女は僕と反対方向に歩いて行った。
相談と言っても、彼女はただむしゃむしゃ黙ってハンバーガーを食べただけだったが、
その彼女のスマホには、僕の電話番号が新たに追加されているのだった。
いつか僕を頼るだろう。その時にはーー。
ああ、僕は下衆だ。