はい!掛け持ち3作までとか決めたそばから新作を書く(バカな)薫です!
今回はちゃんとした起承転結を考えない、現実的なものを書こうかな?と思いました。
はっきり言って、放置します。
でもちゃんと書くので、更新したら見てほしい……です。
ちゃんと更新する小説は……今のところ『解フル☆』かな?
そちらももしよければ見てくださいね。
感想は喜んで読ませていただきます。
荒らしとなりすまし、見て不快になるような言動はなしで。
では……start‼
第二章 〜新緑の候〜
すでに生暖かい、それでも少し涼しい風が、私に些細な幸せを運んできたようだ。
――河嵜由比(かわさきゆい)ちゃん。
私たち三班の副班長で、嫌味のない女の子。
明るく元気な性格で、クラスの中心にいるような彼女と、少しばかり話せたのだ。
「ねえとわこちゃん、健康チェックのことなんだけど…」
私は保健委員会に属している。
当然、委員長とか副委員長とか、そんな役割は持っていない、普通の委員なのだけれど。
でも、少し役に立てるなら…と、口を開いた、その時。
「ゆーいー!一年生の教室行こうよ!」
それはほぼ同時だった。
私が由比ちゃんに説明を始めたのと、すいかちゃんが由比ちゃんに声をかけたのと。
一年生……。
私の最近の悩みでもある、一年生との関わり方。
あんまり、教室に行かないからか。
それとも、コミュニケーションが下手なのか。
どちらにも当てはまるだろうけど、私はペアの子とあまり仲良くなれていない。
ペアとは、六年生と一年生の縦割りで決められる。
六年生は、主にそのペアの子のお世話をしたり、遊んだりするのだ。
私のペアは、日坂萌瑚(にっさかもこ)ちゃんという。
最初は大人しそうだったけれども、明るい一面も最近知って。
可愛いなぁ、と思ってしまう。
……そう。
思うのだ。可愛い、と――
ーー以下、主以外レス禁ーー
それなのに。
それを上手く表現できない、上手く関われない。
――どうして。
どうして邪魔するんですか、私の、過去――
一年生を迎える会の準備をした、あの日。
腐れ縁である橘川陽から、言われたことがある。
『一年生は、そんなこと、望んでないけどな』
私が、一年生にプレゼントする地図の表紙を糊付けするときだ。
少し細かいところにこだわりを持つ私は、ちゃんと真ん中に貼れるようにと、台紙の長さを測っていた。
『すげーな、お前。こんなところにこだわるんだ』
誉め言葉である。
そのくらいは分かった。
均くんほどではないが、そこそこの付き合いがある男子だ。
そこに先生も来て、
『すごいねぇ』
と私の手元を覗き込んだときにそのセリフだ。
本当のこと。
的を射すぎていて、言葉に詰まった。
そうだ。一年生は、なにも完璧を求めているわけではない。
……ただの自己満足じゃん。
自分そう思った瞬間、もこちゃんが私に見せてくれた笑顔が偽物に思えてしまった。
こんなことをしている私とみんなは、全然違って。
――もこちゃんは、サクラだ。
直感的に響いた。
そのことを、なぜか鮮明に覚えている。
……話がそれてしまった。
由比ちゃんに説明をするか、しないのか。
訊かれたことに対して、答えるのが“普通”ではある。
でも、すいかちゃんが……。
「あー、行こ行こー!」
由比ちゃんは、私の方へ向けていた身体をすいかちゃんの方へ向け、大きな声で返事をした。
……なら、私、説明は…。
「で、何だっけ!」
――どうして。
話、訊いてくれるの?
そりゃあ、由比ちゃんに訊かれたことだけど。
ほとんどの場合は、私のことなんて忘れたかのように……走って行ってしまうのに。
優しさ。目立つ、明るい子が慕われる理由。
それは――
心のどこかで、侮辱してしまっていたかも。
あまり良くは思っていなかった。
そんなの、知らず嫌いだよって。
チューリップである由比ちゃんは、私に同じ笑顔を見せてくれた。
……良かった。
私、ちゃんと“友達”出来てるかも。
「えっとね、次は……」
伝える努力をしないと。
ちゃんと理解してもらえるように、語彙力をフル活用して、頑張って説明した。
伝わったかな……!
「とわこちゃん、ありがとう!」
そう言った由比ちゃんは、手を振って去っていった。
きっと……一年生の教室に。
私も、行った方がいいのかな。
一年生との仲がイマイチ。なんとなく惨めだ。
しかし、次の瞬間にその考えはなくなる。
「……あのさ。とわ、こ……」