マルチプル

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1:氷柱◆/s:2017/10/30(月) 19:34

*注意*
・主人公が男です
・学園ものっぽいです
・荒らし&迷惑コメントはやめてください
・たまにアドバイスをくれると嬉しいです
・更新速度はカタツムリ並みです

>>2 登場人物

>>3 プロローグ

2:氷柱◆/s:2017/10/30(月) 19:53

登場人物(今のところ)

小笠原 湊 (おがさわら みなと)
原因不明の多重人格になる病「マルチプル」に感染した中学一年生。本人も周りも分かっていない様子で「頭のおかしい奴」というレッテルを貼られている。

春永 奏音(はるなが かのん)
クラスのリーダー的存在で才色兼備。主人公の元親戚で彼女は主人公のことをあまり良く思っていない。中学一年生。

榊原 義隆(さかきばら よしたか)
主人公の親友。二歳の時にインフルエンザにかかりその菌が脊髄までいったため左足が不自由で杖をついている。中学一年生。

小笠原 遥(おがさわら はるか)
クラスのいじめの標的で内向的な性格。少し情緒不安定だが家族の前では明るく振る舞う。中学三年生。

【結構暗めな感じの物語ではありますが読んで頂けると嬉しいです(´∀`)】

3:氷柱◆/s:2017/10/30(月) 20:39

プロローグ

21世紀「マルチプル」という病が発見された。感染した者はくしゃみをする度に人格が変わるらしい。治す方法今のところない。

元々は欧米で見つかった病だが、日本にも感染者が数人いる。

マルチプルは人格が変わる以外には人体に影響はないらしく感染者は普通に生活できる。しかしあまり民衆に知られていない病気なので中々理解が得られない。

感染者が増えて行く中極めて特殊な感染者がいた。小笠原湊、高天中学校在学中の一年生男子生徒。

4:氷柱◆/s:2017/10/30(月) 21:10

一話 『感染者』

今日は風が強くて寒い日。あんまり学校に行きたくないけど行かなくちゃいけない。階段をノロノロ降り食卓テーブルへ向かう。

「おはよう、あんた最近起きるの遅いからちゃっちゃと食べちゃってね〜」

母はそう言い、朝ご飯を僕の前に出した。食べた後身支度を整え玄関を開けた。

一緒に登校する友達はいないから少し寂しい。そう思った瞬間、僕の顔めがけて強い風がゴォっと音を立てて襲ってきた。あまりにも寒いので思わず

ハーックション!

とくしゃみをしてしまった。

「おーっす」

教室のドアをガララっと開け挨拶するが返事は無い。無視はいつもの事だから仕方がないけどやっぱり腹がたつ。

「あ、おはよう」

後ろから声をかけてきたのは俺の親友の義隆だ。彼は杖をつきながら少しぎこちない足取りで自分の席まで行った。俺も自分の席につこうとした時

「あ、みー君。ちょっと頼みたいことあるんだけど今日までの宿題、答え写させてくんね?」

そう言ってきたのはバスケ部員の吉田だ。吉田はヘラヘラとした態度をとるのであまり好きではない。

みー君というあだ名も吉田がふざけてつけたあだ名だ。正直気に入っていない。

「あー悪い、俺もやってきてないわ。」

少し苦笑いで言ってみせた。

「嘘つけ、そうやって言いながらやってきてるんだろ〜見せろよ。」

吉田があまりにもしつこいので

「やってこなかったお前が悪い、それに俺よりも頭良い奴はいるだろ。そいつらに聞いてこいよ。」

と少しキツめの口調で言ったら

「…」(本当こいつケチくせぇ、だから嫌われんだよ。)

少し不満そうな顔で他の奴らに写させてもらっていた。自分で解かなければ自分のためにならないのに。

ケチくさいとか嫌われるとか他人の事ばかり批判しているが当の本人だってあまり良い性格とは言えない。笑せんな。

5:氷柱◆/s:2017/11/01(水) 22:41

『思考』

数学の時間、筆箱を開くと二つに折りたたんだ可愛いキャラクターの紙が入っていた。開いてみると

「好き♡」

という単語が書かれていた。一瞬戸惑い目を見開いたが、誰が書いてきたのか一発で分かった。

(あいつどんな反応すんのかなw)

(案外ビビったりして)

思い出した。クラスで流行っている嫌いな奴に好きと書かれた紙を渡すとどんな反応をするのかという遊びだ。
そしてそんなアホなようなことを考える奴は俺のいとこ、春永奏音とその取り巻きに違いない。

今手元に持っている紙をどうしようかと考えたが破ることにした。

(うわ、あいつ破った。)

(まあ当然の反応だろうね。)

などと思考は様々だが、正直言ってからかうのはやめてほしい。

特に授業中は皆の思考が混雑しているから頭が痛い。

数学の授業が終わり次は給食なのだが、思考を読み取った結果昼休みは教室に残ってはいけないということがわかった。

…わかっていたはずなのだが何故こんなことになってしまったのだろう。俺は目の前で杖を取られた友人を見つめていた。


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