懐かしい思い出。
消えてしまった盟友。
こんにちは、ゼロです。
注意
・誤字、脱字が多い
・語彙力のなさ
・不定期更新
・失踪の可能性大
よーし、頑張るぞ。
普通の中学生。
それが最も私に当てはまる言葉だった。
学力平均、体力平均、そんな私には一人だけとても仲の良い友達がいた。
「盟友!」
突然後ろから聞こえた声に、行動を示す間も無く、誰かが私の背中に抱きつく。
うわっ、と声を上げ、顔を自分の首筋に擦り付けてくる少女の方を見る。
少女が私の視線に気がつくとこちらをじっと見つめる。
「…な、なんだよ。」
「おはよう!盟友。」
状況を確認する。現在私は、クラスの自分の席に座っている。少女の言い方から察するに、どうやら私は寝てしまっていたらしい。
「盟友がなかなか目覚めないから、わざわざ起こしてあげたんだよ?」
「あー、そりゃどーも。」
素っ気ない返事に少女は頬を膨らませる。
「もう少し感謝したらどうですか?め・い・ゆ・う・さぁ〜ん?」
その酷くベタついた言い方に、私は少し苛立ちを覚える。
「はいはい。…って、次移動教室じゃん!」
時間割表に目を向けると次は理科の授業だ。
ガタンッ、と立ち上がると体が机に当たり音を立てる。その立ち上がった衝撃で私の首に手を回していた少女が少し離れる。
「ほら、早くいくよ。#@$*。」
名前を呼んだ筈なのにその名前の部分が聞こえなかった。少し不思議に思ったが、今はそれどころではない。次の授業が迫っている。
「…何言ってるの?」
瞬間、少女の目が大きく見開いた。
「この世界は此処しかないよ。私と盟友だけしか居ない世界。」
何か様子がおかしい。いつもと雰囲気が全く違う。この盟友は私が知っている盟友ではない。
ポタッポタッ、と水が垂れる音が聞こえる。気づけば少女___盟友が変わり果てた姿でこちらを見ていた。
目は黒く染まり、身体はスライムのように溶けてきている。
「!?」
自分が置かれている状況に気づき、ハッと息を呑む。教室の隅から、正体不明に黒い物体が迫って来ている。
「盟友。世界は終わったんだよ。」
一体何が起こっているのだ。
混乱のせいで頭が回らない。
「でも、私は生きてる。だから盟友!私を…」
そこで私の視点は闇に移り変わった。
1.
目が覚め、自分が見覚えのある家の中に立っていることに気づいた。
「っ!?」
背中を押された感覚がして、少女は膝をつき手を地につける。
自分を押した本人が居るであろう方向を見るが、視覚よりも嗅覚げ鋭く働き、甘い香りが自分の鼻を満たした。
そして、ようやく視覚も働く。
見えたのは幼い少女。
「おはよう、魔女の血縁者。目覚めが随分遅いのね。」
顔はとても美しいが、その表情の無さには人形を彷彿とさせる。
だが、それよりも驚いたのは私を魔女の血縁者と呼んだこと。見に覚えにない。それ以前に、自分が何者かもわからない。
「…呆れた。今の状況も理解できていないのね。」
幼い少女は少女に近づく。
「さて、どうしましょうか。貴方が起きたら貴方に全てを教えろと命じられているの。」
今の状況を理解を理解できる程私は頭が回る奴ではない。現に頭が真っ白だ。
「…何か質問は?」
幼い少女は顔に笑みを浮かべて私に問う。それに私は少しの時間を開けて答える。
「あんたは……私は一体何者なんだ…?」
少女は私の問いに対して、大声で笑った。
ゲラゲラと笑い転ける彼女に嫌悪感を感じた。
「っ…そんなに笑わなくていいだろっ!」
イライラしてしまい、強い口調で少女に言ってしまった。
「あら、ごめんなさい魔女。少し悪ふざけが過ぎたわね。」
笑ったせいで出てきた涙を拭いながら言う。
「そうね。貴方が何者か私に問われても、魔女の血縁者としか言いようが無いわ。」
「…魔女?」
少女は私に短剣を向ける。何処から取り出したのかは分からないが、長さは約20cm。錆びていて刃も少し欠けている。人を刺すには向いていないような粗末なものだった。
だが、少女の普通の生活にそんな刃物を向けられるということが起きることはなかった。例え使えない不良品の短剣だとしても少女にとって恐怖を感じさせるものだ。
実際に少女はピクリとも動けなかった。どうしてたった今、自分に親しく話していた少女が自分に刃物を向けているのか。そんな思いもあり、少女の額には汗が出ていた。
幼い少女は自分に向けて笑っている。
その表情は人間のものとは思えない。歪な笑み。他の誰かに作られたもののようだった。
そして、少女は何も言わずに少女の喉元を短剣で切り捨てた。