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俺、進藤 翔は声優を目指していた。
「全っ然ダメ!なんかー声に、心がないってうか、死んでるっていうか まあとにかく
やり直し‼」
高校2年 17歳 進藤 翔 声優志望。
もう、声優を目指して5年がたっていた。俺は、中学のころすっかり落ちこぼれて不登校になっていた。ほとんど部屋に引き込もっていて、常にパソコンを見ているような生活だった。2次元は、最高だ。裏切らないし、現実のことを考えなくて済む俺にとってのたった1つの方法だった。そんな時、声優さんのブログを見た。そこには、今まで引きこもりだったこと、いじめられていたことが書いてあった。まるで、僕じゃないか。僕も変われるのか。いや、変わりたいんだ!
その日から僕は、変わった。相変わらず、勉強は出来ないままだ。この高校に入れたのも、奇跡に等しい。でも、友達だっているし
目標もできた。
(僕は、声優になってみんなを幸せに、希望を持って欲しいんだ!)
その日、珍しく部屋を出た僕は、お母さんにすぐに言った。声優を目指したいと。
意外にも、あっさりと良いといってくれた。
俺の幸せが一番だといってくれた。
猛練習の結果、俺は青年の声、女性の声、ばあさんの声など色々な声が出せるようになった。
声優学校の試験を受けた。学校に入って僕は変わった。着々と、成長し、脇役だけれど仕事もあった。
けれども、もう貯金は底をついていた。
「これからだって、時に申し訳ないんだが、もうお金がないんだ。残念だが、勉学に専念してくれ。」
「ごめんね。翔…」
元々、家はそんなに裕福ではなかった。
中学3年の時だった。その時から俺は、勉強した。勉強して、勉強して、勉強して、なんとか公立の高校に受かった。
今も何度かオーディションには行っているが、受かりはしない。とぼとぼ歩いて家路についた。
5:名梨:2018/07/30(月) 14:25 夕食の時、母がこういった。
「実は、遠い遠ーい親戚の浅野家の執事のアルバイトを頼まれているの。翔やってみない?」
「え?浅野家ってあの浅野グループの?」
「ええ。あの、浅野グループの浅野家よ。」
全く、理解が追いつかない。どういうことだ。
「ちょっと、うちの家計もピンチだし、時給が良いから、OKしとくね〜♪」
「え〜〜〜⁉」
今週の日曜日早速行くことになってしまった。
私、浅野果穂は16歳。今日は、新しいお手伝いさんが来るらしい。
「はぁー。男じゃないといいな」
2年前だっただろうか。あの日は今思い出しても、手足の震えがてまらない。
「果穂ちゃん、可愛いよ…」
ツーと太ももを触られた。
「嫌っ!やめて!ンッ」
口を塞がれた。
「ん"〜」
ハァハァ、後ろから気持ち悪い声が聞こえる。
「綺麗な、色っぽい声をしているよ。」
この後はよく、覚えていない。私、どうしてたっけ。
「この家だったのか…浅野家っていうのは」
学校と同じくらいの大きさで、茶色の外壁だ。庭には、俺の名前の知らないような花が沢山咲いている。誰が見ても、豪華だと感じるだろう。俺の家からは、電車で30分くらいの、住宅街にある。
インターホンを押すと、メイド服のおばさんが出てきた。
「翔様ですか?こちらへどうぞ」
中は、とても豪華だった。広い玄関。シャンデリア。いったい、いくらするのだろう。
客間のようなとこらに連れられた。
「実は、果穂様は極度の男嫌いでして…
ですので、女装してくれません?」
頭の理解が追いつかないまま、いつの間にか俺はメイド服を、着せられていた。一応、スカートはひざ下まであるが、スースーする。
顔が赤くなっているのが自分でも分かる。
「まさか、こんなに似合うとは…これなら大丈夫そうですね!」
えっ?ちょとまて。大丈夫じゃないー‼
「主に仕事は、掃除と果穂様とのお喋りです。」
「が、頑張ります。」
俺は、果穂様とやらの部屋につれてこられたらしい。
「こちらは、新しいお手伝いさんのえーっと」
名前、考えてなかったのかよ!
「あの、えっと、瑠璃です。よろしくお願いします。」
「まぁ!瑠璃さんっていうのね!とっても、メイド服がお似合いだわ。声もとっても綺麗!」
「有難うございます。」
声優目指してて、良かったかも。ちょっと嬉しい。
「では、私はこれで。また今度会いましょう。」
(つ、疲れた〜)
この後 俺は廊下、階段、玄関、庭まで掃除させられた。広くて大変だったけれど、やり甲斐があった。
(えーっと、この後は瑠璃様の部屋に行くんだよね。)
コンコンッとノックをしてた。はーいっという元気な返事と同時に、ドアノブに手をかけドアを開けた。
すみません(ー ー;)誤字ありました。
(えーっと、この後は果穂様の部屋に行くんだよね)
コンコンっとノックすると、はーいと返事が返ってきた。俺は、ドアを開けて部屋に入った。
「瑠璃!来てくれたのね!話したかったの!」
「ありがとうございます。」
「瑠璃、私と話す時はタメ口でいいよ。」
俺は、少し戸惑い返事をした。
「いえ、でも…」
「私の、め・い・れ・い!!」
「わ、わかりまし 分かったよ」
ガチャ。ドアの空く音がした。
「瑠璃様そろそろ」
「わっ分かりました。またね!果穂様!」
俺は、急いで部屋を出た。果穂で、いいのに〜 と言っている果穂様の声が聞こえた。
俺は、始めに入ったあの部屋に連れられた。
「瑠璃様。いえ、翔様。お願いがあります。果穂様の男嫌いを直して頂け無いでしょうか。」
「は、はぁ。」
「報酬は、出します。女として、近づいて頂き、中身が男の貴方ならきっと男に慣らすことができます‼」
「いずれは、果穂様には子を産んで頂きたいので、頑張って下さい‼」
「分かりました…」
分かりましたとは、言ったものの結局どうすればいいのだろう。太陽の眩しい初夏のころだった。
「ねぇー瑠璃〜この問題全然分からない〜」
アルバイトを始めて、1ヶ月がたった。すっかり、夏休みである。果穂様は、夏休みの課題をやっているようだ。
「果穂。私も、分からないわ。」
この屋敷には、冷房がないが、壁が高級なのだろう。冷房がない割には、涼しいと思う。だが、今年の異常な暑さで、少し汗ばむ。果穂様の額にも汗が照っていた。
「勉強楽しくな〜い!遊びたい!!」
果穂様は、まるで幼い子供のように足をバタバタさせた。果穂様とは、お話を結構するようになった。俺は、週3日 3時間 時給980円のこのアルバイトがちょっとした楽しみになっていた。
部屋には、果穂様の動かす鉛筆の音だけがしていた。俺も勉強をして、果穂様の勉強を見れるくらいにはなれた。果穂様が、問題に悩んでいるようなので、息抜きにでもと思い、話しかけた。
「果穂って、どうして男の人が嫌いなの?」
果穂様が少し顔を強張らせたので、少し焦った。
「瑠璃の前に来ていたお手伝いさんが、男でね、レイプされたの。」
いつも通りの口調で果穂は、話した。
「普段は、優しくてそんなことするような人だとは、思ってなかった。でも、急に変わっちゃっていきなり…。実は、こんなこと言ったの瑠璃が初めてなの。他のお手伝いさんのミスをあの人のせいにして、辞めてもらった。もう、男は嫌いだって言った。」
外は、曇っていていまにも雨が降り出しそうだ。果穂に、そんな過去があったなんて。男嫌いを治すのは、難しそうだ。
果穂様が、俺の驚いた顔にすこしびっくりしたようで、もう1度口を開いた。
「でもね。もう2ヶ月も前のことだし、大丈夫。」
無理をしているのだろうか。笑顔で果穂様はそう言った。
その日は、少し早めに帰った。寝る前まで、果穂様のことを考えていた。
「ふぅー。勉強終わった〜!瑠璃、庭のハーブを摘みにいきましょう!」
果穂様の突然の提案に、驚いた。
「でも、外は暑いし…」
すぐに返事が返ってきた。
「そんなこと言わないで、早く〜」
手を引かれて、庭のハーブを育てている花壇に来た。いろいろなハーブがあって、そこに果穂さまが立つと絵になる。とても綺麗。
「このハーブはね。お茶に入れると美味しいの。これは、花が咲くととっても綺麗なの。よく玄関先の花瓶にいれてもらうんだ!」
「詳しいね」
「小さい頃、よく庭でお婆様と、遊んでたんだ」
そんなことを話しているうちに、空が曇ってきた。雨が、ポツポツと降ってきた。
「ただいまー」
急に降ってきた雨のせいで、つま先から頭まで、びちょびちょだ。果穂の屋敷から出た時には、そんなに降っていなかったから、大丈夫かと思った。けれど、夕立だろうか。雨がふってきてこの状態ってわけだ。
「翔!傘持っていなかったの?丁度お風呂が湧いたから、入ったら?」
「うん。ありがと。」
いつもは、シャワーを浴びて5分ほどお湯に浸かると出てしまうのだが、今日は珍しくゆっくり湯船に浸かっていた。
(たまには、ゆっくり入るのもいいな。)
夏だというのに、結局40分も浸かってしまった。ほっこりした感じが、心地よい。心も、あったかくなった気がした。
「はぁー」
いつもは、元気いっぱいの果穂がため息をついた。どうしたのだろう。
「元気ないの?」
「実は、明日お見合いがあるんだ。」
なんだか、胸の奥がチクッとした。
「果穂ってまだ16歳だよね?早くない?」
「お母様が、男嫌いを心配してて…私、結婚したくないのに…でも、がんばる!いつまでもクヨクヨしてられないもん!」
また、心がチクッとした。
「もう、あのことは気にしてないの?」
「もう、大丈夫!」
ピースサインで元気な返事が返ってきた。
「頑張ってね…」
その言葉とは裏腹になんだか、結婚して欲しくない気持ちもあった。