「さっすが和音ちゃん!やるぅ!」
こんな日常から抜け出たい。
好きで“ぶりっ子”してる訳ではないから…。
登場人物
*初瀬宇美*
・主人公
・中1
・素直で優しい、そそっかしく勘違いしやすい泣き虫
・春樹に対抗意識を持っている
*浜沢春樹*
・中2
・常にクールでちょっとシスコン
・宇美のことが…?
*浜沢未優*
・中1
・春樹の妹
・宇美の親友だけど違うクラス
・明るくマイペースで少し時間にルーズ
*天沢和音*
・中1
・宇美のクラスメート
・ハデハデグループのリーダー
・春樹が好き
(これぐらいですかね。増えたらまた書きます。)
「和音ちゃんっ」
私は、斜め前の席の天沢和音に声をかける。
和音が「何?」と言いながら振り向く。
「バスケ、今日もあるのぉ??」
私は、わざとらしく首を傾げ問う。
和音はニコッと微笑む。
「宇美が望むのなら休むけど」
「やったぁ!」
私は、小さく拳を振り上げた。
それから心配そうに訊く。
「先輩に怒鳴られないの、和音ちゃんは?」
「心配するなよ。怒られるわけないし」
私は、良かったぁっと言って、席に着く。
─────私は初瀬宇美。
中学一年生。
「宇美!」
と、低い声が廊下から聞こえてきた。
もしや。
廊下に出ると、幼なじみでありムカつくライバルの浜沢春樹がいた。
「帰ろうぜ」
私は、春樹に小声で怒鳴る。
「やめてよ。私が和音ちゃんに嫌われるから、明後日にしてよ」
春樹は肩をすくめ、
「女子ってめんどくせぇな」
と、教室の前から立ち去っていった。
良かった…。
私は、ホッとして教室に戻る。