白樺の木。   

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1:兎碧◆a.XScul9sZ0zs:2018/08/20(月) 22:43

とある作品の二次創作を主に書き、活動してきたものです。
自分で考えた小説を書きたいなあ……。と思ってこのスレを建てることにしました。

アドバイス、感想などお待ちしております。
批評などしてくれると喜びます。怖くなければ。( 念押し )


不定期更新となります。
とある中学校の三年間のお話です。
もちろん実話ではありません。
登場人物が多くなるかと思います。


次レスで登場人物の紹介をしたいと思います。
なんかすごく固くなっちゃいましたが、そんなお堅い話ではないです。
いじめなどが含まれる予定ですが、基本友情です。( 多分きっと )


読んで頂けると光栄です。

8:兎碧◆a.XScul9sZ0zs:2018/08/28(火) 21:43

ドアが開けられ、みんなで列をなして歩く。行く先は体育館の前の方……ステージのそばだ。新入生の抱負は、クラスの優等生がやる事になった。さっき話していた男子の片割れ。全学年と先生の視線が刺さる中、怖気もせずに言い切ったその相手に感嘆する。
 しばらくして校長先生の話だった。話が長い校長先生、あるあるだよねー。なんて思っている生徒も少なくはないはず。全員椅子に座っているから苦痛はないだろう。
 そんななか私は、辺りを見回していた。古びた体育館。天井に見える鉄骨。光ったり消えたりを繰り返す電球が一つ……。生徒の数も少なくて。そう言えば入った時に拍手されたけどそれはまるでロボットみたいに同時になり始めたなあ……なんて思っている間に校長先生のお話は終わったらしい。ラッキー! なんて思っていたら始まった先生の自己紹介。国語の先生、私達の担任だね。から事務の方まで、全員自己紹介するらしい。
 前に写し出されるパソコンの画面。突如なり始めた音楽。楽しいけれどもそんなに詳しく知らなくてもいいしな……なんて思って今度は考え事を暇つぶしとしてやる事にした。

 登校して一番にする事は挨拶だよね。そう思いながら、窓の外にいた柊翔と颯斗に挨拶をしたあの時も。女子が1人だけのグループトーク……しかも男子4人なんて初めてだなあ……なんて少し微笑んだ時も。上靴を脱いで、バレないようにとそそくさと歩いて行った時の足取りも。それを見ながらくすくす笑っているあの感じも。柊翔と颯斗いれば基本楽しいんだよね……。
 幼なじみ……友達って、かなり大きな存在だなって最近よく思う。
 ドッと笑いが起こり、何があったんだろうと思って目を上げると数学の先生のプロフィールだった。なにか変な事でも書いてあったのかな……なんて思いながら次は何を考えようか。と頭を悩ませる。考え事するのは意外と好き。
 いじめ、虐待。色んな問題が最近ニュースでよく目にするけれど、そんなの一部に過ぎないし。もっともっと辛い思いをしている人もいるだろうに、テレビは死んだ事案ばかり取り上げて騒ぎたてる。違うでしょ、報道したらその人が帰ってくる訳じゃないんだから、いじめられて死のうとしてる子を報道して守るべきでしょ。なんて無理な事を考える。今の日本は疑わしきは罰せずなんて……なんて責任逃れな態度だろう。小学校の頃、3年生の時の担任の先生もそんな感じだったけれど。

 いつの間にか先生の話は終わっていて。あれ、デジャブ?
 立ち上がってください。と、その後すぐに言われて、気づけて良かったと思いながら立ち上がると左前方に立ち上がらない人。柊翔じゃん……と思いながら、隣に座っている颯斗に起こすように視線を送ると、柊翔の頭を思い切り良くチョップする颯斗。そしてそれを見て笑っている私達と先輩方。驚いたような顔をしながらもう反対側にいるを見ないであげて。完全なる誤解だから。いま君の後にいる人の仕業で、私が黒幕だから。というか颯斗も、鬱散ばらしじゃないんだからもうちょっとまともな起こし方させてやってよ……とそんな事を思いながら隣の生徒が動きだしたので、それについて行く。













後ろから私を睨みつける、憎悪の視線には気づかずに_____

9:兎碧◆a.XScul9sZ0zs:2018/08/30(木) 21:56

柊翔side

 教室に入って、席に着いてから時計をガン見する。一時間入学式をやってる予定で。三十分も経たないうちに終わってんじゃん……。
「なあ、俺らあと教科書もらったら帰れるんだろ? もう一時間目のうちに帰れるんじゃないか?」
「え、なら遊ぼーぜ! な、柚璃も来いよ! 俺なー、ちょっとお前らと一緒に行きたい場所があってさー!」
 左藤と澤村。苗字か『さ』から始まってるから隣の席で、柚璃も新だから俺の隣の席だったりする。幼なじみ達が周りにいると小さな休み時間に席から動かなかったり。小学校の頃は五分休みだったけど中学校は十分。着替えを挟むから、なんだとか。田舎なだけあって、一度ジャージに着替えてから制服に着直す事はほぼほぼない。でも時間以内でしかジャージを着ない時は昼休みに着替えなきゃいけない……めんどっちー。

 あ、行きたい場所って言うのはな、学校から一本、川を越えた辺りに俺の家があるんだけど、そこを奥にもう一本橋があって、そっちを渡ると横に道があるんだ。そこを越えたら……昔の水車小屋みたいのがあったんだ。だからそれを秘密基地みたいにしたら面白そうじゃんって思って。
 颯斗にはなんとなーく話してある。そして、その辺には小川が流れてて、なんならスイカも冷やせそう。屋根もついてるし、横に取り付けてあるはしごもあるからそこから登って上に行ったらデッキがある感じにして。それは俺の願望だけど。
 材木は簡単に手に入りそうなんだよな。気に隠れる感じで水車があるから入口付近の木を切り倒して。でもこっちから来る時には隠れるようにしたい。それこそ植樹でもしたいぐらいだ。

 ガラガラ とドアが開いて先生が入って来た。めっちゃ焦りながら机に戻る。柚璃の返事聞けてないけどまあ来ると思う。颯斗は連れていくから問題外。
 教科書を貰ったら帰れる。という俺達の期待に先生は答えてくれたようで、そこからものの20分で帰る事が出来た。帰り道の方向がほぼ同じな俺達三人。再度話をしたら二人とも来るようだ。

 家に帰ってからバックを机の上にスライディングさせて、大急ぎで着替える。七分丈で裾がすぼまさっている浅く染まっているジーパン。白のシャツのボタンを上二つ残すぐらいで着て駆け足で勉強する時の椅子にかかっていたジーパンの生地で出来ている藍色の腰ほどの上着を羽織る。
 本州や四国九州の方では桜が咲きながら散る……なんて風流な環境の中で入学式なんだろう。北海道は入学式の頃なんて薄ら寒いのが当たり前なんだよなあ。下手すると雪が残ってたり……てか去年はうっすら雪が降ってたような気がする。

 学校に持って行っていたリュックサックから筆箱を抜いて、それよりも小さいリュックサックに詰める。方眼のメモ帳しかも少し大きいサイズのメモ帳買っておいて良かった……と思いながらそれも詰めて、ポテトチップスやトッポ、そこら辺のお菓子と、とびっきり膨らんでいる期待を詰めて走り出す。
 家から出ると颯斗が自分の家の前に片背中を預けながら居た。お気に入りなんだ。と言っていたウエストバックを付け、スマホで柚璃と連絡を取っていてくれた。こっちに向かってるらしいから、俺達も柚璃の方向に進む。ちょうど落ち合う辺りに、その秘密基地がある横道の前にまた曲がらなくてはならない道があった。……ややこしいな、目的地に近い。とでも言ってけばいっか。

10:兎碧◆a.XScul9sZ0zs:2018/09/22(土) 23:59

柊翔side

「あ、いた!」
 さっき別れたばかりの柚璃に飛びかかる。あ、もちろん軽くだからな? 本気で飛びかかるようなやつではない。
 柚璃は実は方向音痴だったりする。会う時にはお互いの姿が見えていたはずなのに柚璃が居なかったのは自分が行っている方向があっているのか心配になって柚璃が確認してたから。今から森の中、とは言っても道はあるけど。そこを進んで行くのに、こんな調子で大丈夫だろうかと少し心配になる。
「で、どこに行くの?」
 それはまあ、ついてからのお楽しみでしょ。と、俺は人差し指を口にあててウインクしながら言う。
「いっつもそれでどうにかしようとするよなお前ー」
「ほんと! でもまあ……結局楽しいから許しちゃうよね」
 ほら、話は後でいくらでもできるから進むぞ。なんてリーダーっぽく言いながら進んで行く。唯一リーダーっぽくないのは2人を置いていく所だろう。問題だらけなリーダー、まあいいや実際のリーダーは颯斗だし。
 あ、もう少しでつくかな。なんて思いながら右を見ると、駄弁っている二人。この様子だと柚璃も迷わなそうだし、しかも一本道だから迷うことはないであろう。今度ラジオとか持ってころうかななんて呑気な事を考えていたら目的地についたらしい。
「わ、なにここ……」
 二人は、俺が望んでいた反応をしてくれた。驚いた顔。ああ、連れてきてよかったな。と思う顔
「決まってんだろ。ここは、これから俺たちの秘密基地だ!」
 川を見て、小屋を見て、木を見て思う。もっと俺たちらしくしたいと。もっともっと使いやすく、来やすく。なんなら第二の家ぐらいにしたいと。
「もっともっと、俺達がここに来たいって思えるようにしようぜ! ここに来たやつは皆、秘密は無し。相談もぜーんぶする事。それがルール。」 
 柚瑠の吐き出し場にしてやりたかった。少しでも力になりたい。それは学校じゃ出来ない。家でも押しかけてきたら一環の終わりだ。そして、自分が安心できる場所も欲しかった。
「じゃあさ、ここに名前付けない?」
そう言った颯斗に俺は笑いかける。実はもう決まってんだ……ここはな
「ここの名前は白樺の秘密基地! 教室にあったあれがモチーフな!」
 白樺の花言葉……『あなたをお待ちします』とか、『光と豊富』、『忍耐強さ』、そんな意味を込めた。なんて言ったら柄じゃない。そして柚瑠が遠慮する可能性があった。いつか……いつか言える日が来るといいな。
「ふふ、指すが柊翔だね。リーダーは……やっぱり柊翔?」
 柚瑠を副リーダーに任命するってのは前から決めてて、そしたら隊員なんて作りたくないから。
「俺と颯斗のダブルリーダー、そして柚璃が副な。」
 はんば強引にそう決めて、二人と一緒に水車小屋に入った

11:兎碧◆a.XScul9sZ0zs:2018/10/14(日) 01:20

小説更新はする……そう言い切ったので。
是非妹を発見してみてください(
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柊翔side

「以外と色々あるんだな。」
「ねえ、夏に集まりたい! そこの川で冷やしたスイカ食べたい!」
 二人は気に入ってくれたようで、大騒ぎしながら小屋の中を見て回った。
 気に入った? と声をかければ、いつもならお前はまた威張って……なんて言われるのに、本心から言われるように褒められた。特に柚璃に。
昔の事だけど、やっぱり辛いのに変わりはないらしい、と改めて思い知らされる。心に残った傷は消えないのだと。
 柚璃は、過去祖父母に虐待を受けていた。
 柚璃の祖父母はもうこの世に居ない。
 親達はこの事を全く知らず、柚璃が祖父母の葬式の時悲しめずに居た時、なぜ悲しまないのか。と叱ったそうだ。
 悲しめるわけないじゃないか。柚璃は祖父母に虐待を受けていたのを、俺達にしか話さず、苦しみを一人で受け続けていたんだぞ!? と、言ってやろうとしたら止められた。『今話したってどうせ信じてもらえないから。だって……おばあちゃんとおじいちゃんが私をいじめているけど、おばあちゃんはお母さんのお母さんで、おじいちゃんはお母さんのお父さんなんだよ? 自分のお母さんとお父さんが自分の娘に虐待をしているって……信じられると思う?』これが柚璃がその時に言った言葉。一言一句あっている。と、自信をもって言えるわけじゃないけど、でも、柚璃はこんな感じの事を言った。
 柚璃は一人で抱え込むタイプだ。大抵の人がそうだろう。破裂する前に話せよ。と一言言って、俺達は柚璃の前でフラフラしている。辛くなった時にすぐ話せるように。
 そして、それが簡単にできるように。そう思って俺はここを俺達の逃げ場になればいいな。と思ったんだ。だから……だから、遠回しに柚璃に伝えておく必要性があった。
「でさ……ここは、俺達が集う場所にしたいんだ。」
真剣な表情をしながら二人を見ると、二人も真面目な顔をしながらこっちを見てきた。いや、一人は、だろう。片方はいつも通り……そういつも通り変顔をしながら見つめてきた。もちろん颯斗だ。【急なボケはこいつの担当だな】クラスの皆が合唱できる事。だいぶ前から広がっていた、こいつの妙なところでボケるのは皆が知っていて、そして俺らは慣れている。
 だから俺は颯斗の変顔で笑いたくなるのを耐え、そして話を続けた。
「辛い事があったらここで話す。そして、俺達以外にも苦しんでいる人が居たらここに、白樺の会に入会してもらう。」
 そうして、少しでも傷を埋めていくんだ。
 最初は柚璃だ。実験台なんてものじゃない。一番に救わなくてはならない。一番傷を埋めなくてはならない。
 昔のすごくすごく明るい柚璃になって欲しいから。
 そして、それが〔 本物 〕であって欲しいから。
 そう、今の柚璃は……














創りもの。


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