あの海辺で描いた絵が、どうかあなたの支えとなれていますように。
来世で、また逢えますように。
※少々百合かもしれません >>2
プロローグ
『夏美…いやぁ!逝かないで!』
お母さん…
泣かないでよ。
私ね、もっと生きていたかった。
『姉ちゃん…っ!』
秀也、ダメなお姉ちゃんでごめんね。
お父さん、泣いているのかもしれないけど、お願い。
私のこと、病気で逝っちゃった本当に【可哀想】な女の子にしないで───。
私、あの子と出逢えて幸せだった。
あの子の絵が、
「とっても好きだった」
書き忘れてました、ルールです(-ω-;)
※荒らしやなりすましは厳禁です。
アク禁しますよ?
♡感想やアドバイス、コメントは大好きです(〃ω〃)
1.絵
「有川さんって、地味だよね」
えっ、と思った。
それを言われたのは初めてで。
周囲がそう思ってるのは知っていた、けれども───。
「地味が悪いんじゃないけど…優樹の彼女には、 相応しくないかなぁって」
雪原さんは、口元を歪めて言った。
優樹───川井優樹は私の幼なじみ。
でも、彼氏とかではないのに。
あっちだって私の悪口言ってるに決まってる。
「だから〜、」
雪原さんはニッコリ微笑んだ。
まるで、私には真似できない太陽のような笑みを。
「私と友達になろうっ?」
頭が真っ白になった。
1-1.私
『夏美ばっかりえこひいき』
『体が弱いとか、笑えるし』
なんで。
私が病弱だからって笑われるの?
えこひいきなの?
『儚げな美少女きどり?』
『おあいにく様、夏美は可愛くないし』
私にそれを言い放ち、泣きそうな私を嘲笑したのは幼なじみの───夕夏。
なんで!
一昨日まで一緒に『花火大会いこうね』って笑いあってたのに。
涙が零れた。
頬を伝った涙は、教室の前で立ち竦む私のうちばきを濡らしていく。
先生から預かったみんなのプリント。
煩わしい。
私の悪口を言っている夕夏や川城さんのために私を縛り付けるこんなプリントなんて。
私は、プリントを床 にぶちまけ、走った。
2-1. 療養
「夏美、着いたわよ」
お母さんが私のトランクを持って、言った。
うつらうつらしていた私は、席を立つ。
電車で私たちは、××県の♡♡市に療養にやってきた。
「彼処は空気が良いし、友達ができるだろう」
とのお医者さんから言われていた。
────友達なんてできるわけ無いよ。
お母さんには言えなかったけど、心の中で呟いた。