僕が死んだらみんな悲しんでくれるかな?
2:生茶:2019/03/18(月) 16:53 1 いつもと同じ
「眠い・・・」
僕は辻井陽太。中学二年生。いゲームが好きで昨日ゲーム三昧してたら寝不足。今日からちゃんと寝よ・・・
今日もいつもと同じ道を歩く。校門前の急な坂にやっと慣れてきた。
「おっはよー!」
後ろから明るい声がした。
彼は日向健斗。同じ部活の友達。スポーツはなんでもできて頭が良くて人気者。チートキャラ。
「おはよ健斗。今日も元気だな」
「まーな。元気じゃなかったら1日辛いから」
「はよっす。陽太さん、健人さん」
お、また声が。
彼は瀬戸口侑。同じ部活の後輩。礼儀正しいしノリがいい。そして歌が上手い。
「おはよ。昨日はありがとうね」
「昨日なんかあったの?」
「昨日陽太さんとゲームしようって誘われて」
「二人とも寝不足は健康に良くないぞー」
「「はーい」」
教室
「なー陽太。今日提出の課題・・・見せて?」
声をかけてきたのは同じ部活の雪野千尋。提出物は忘れるくせに学年4位の頭の良さ。ずるいなこいつ。
「千尋・・・それおはようよりも先に言うことかぁ?」
ガシッ
千尋の肩を誰かが掴む。この声は・・・
「佐藤紫央!」
「フルネーム呼びやめろ」
彼は同じ部活で学級委員の佐藤紫央。たまに名前を砂糖塩と書かれるときがありその度に怒る。
「ちゃんと先生に言いなさい。」
「ちぇー」
「あはは」
突然健斗が笑い出した。
「どうしたの?」
「いや、平和だなーって」
「・・・だな!」
「いやいや・・・平和でも課題を提出するともっと平和になるよ?千尋ぉ・・・?」
「ヒェッ」
いつも同じ
いつもの日常
2壊されていく
「いってぇ」
家に帰り手を洗っているとき腹に痛みが走った。去年からよく腹痛や吐き気が多くなっている。
そろそろ病院行った方がいいのかな・・・
ってか、いつもより痛みが増して・・・
バタッ
僕は倒れてしまった。意識が朦朧としてくる。助けを呼ぼうにも声が出せない。
「ぁっ…ぁ"っ…」
やっと出た声はかすれていて、そこで意識がなくなった。
「ん?ここは…病院?」
眼が覚めるとよく見る天井。昔はわんぱく少年で骨折ばっかりしてよく入院したから見慣れてしまった。
「陽太!!!!」
「お母さん」
お母さんが病室に入ってきた。
後ろに病院の医師もいる。
「陽太くん。落ち着いて聞いて…君は…胃がんになってしまった。」
「胃がん…?まじかよ…発見、早かったの?遅かったの?」
小さい頃から一緒に喋ったり、僕を怒ったりした医師は少し黙る。そして、涙を浮かべる。
「遅かった…………」
「…そっか」
顔を大きな手で覆い隠した医師は
「でも…僕は陽太くんのためにも、最善を尽くします。」
「それってさ。」
「?」
「しゅじゅちゅ…あぁ滑舌!手術ってこと?」
滑舌の悪さはお母さんのせいだぁ!!!最悪…
「手術…です」
「したくない。」
「え?」
キッパリ言った僕に医師とお母さんは目を丸くする。
「どうせあと1ヶ月とかなんでしょ?じゃあ今を精一杯生きるよ。手術はしない。薬もいらない。学校に行く。部活もする。」
「そんなワガママ_」
「最期くらい。いいでしょ?」
お母さんと医師は顔を見合わせる。
「最期ですし…」「最期だから…」
しゅじゅちゅ…手術はしないことになった。