―小さな頃、女の子なら誰でも夢見るのが
そう、魔法少女。まさか私が魔法少女になるなんて。
登場人物
夢川 アリス(ゆめかわ ありす)
この物語の主人公で魔法少女になる女の子。
15歳。空想が好きで夢のある女の子。美少女。
優しく動物が好き。魔法少女の効能により動物と話せるように。
ローズマリー
魔法少女学校でアリスと出会う。後のアリスの親友。
15歳。ハキハキしていてしっかり者だが
お調子者の面も。能力は自身のナイスバディを生かした
色仕掛け。
プリンス
謎の多き男性。慣れない生活に戸惑うアリスに
助言等、いろんな面で助ける。イケメン。
推定年齢17歳。少々ツンデレが入っている感じだが
かなりの天然。効能は不明だが、強力。
―私、夢川アリス!15歳。空想が大好き。
夢は…恥ずかしいけど絵本作家。絵を描くのも
お話を作るのも得意だしね。―って、ヤバい!
遅刻、しちゃうよぉ。「行ってきまぁす!」
お母さんに早口でそう言って家を出る。
**
―出たはず、なんだけど…。ええ?!
ここ、何処っ?私の知ってる街じゃなかった。
外国?いや、違う。何か、異世界って言葉が
しっくりくる、変わった、でも素敵な雰囲気がする
そんな街。何か見知らぬ動物?みたいなものも
たくさん居て―ちょっとなんだか。
私が空想してる世界と似てる気がした。
辺りをキョロキョロ見回しながら。
「もしかして、魔法の世界なんじゃ?!」
思わず声に出して、そう叫ぶ。
「せや、ここは夢と魔法の世界やで」
いきなり私の目の前に、関西弁を喋るネコちゃんが
現れた。「そうはゆうてもDで始まるあの世界とは別モンや。ほんまのちゃんとした、魔法の世界や」
何かいろいろ私に、説明してくれる。
―ていうか、魔法の世界?私が夢見ていた世界だ。
だけどこれから私、どうなっちゃうの?!
怖いけど、勇気を出して。ネコちゃんに聞いてみた。
「―あの、私これから、どうなっちゃうの?」
それが私にとっては重要な事だもん。
「あんさんにはこれから、魔法学校に通ってもらうで。アンタ、かなり強い、魔力の持ち主みたいやしな」
魔法学校!わぁ、凄く楽しそう。でも、私が
強力な魔法の持ち主?どういう事?
「遅刻は厳禁や。はよ行くで」
そう言って、ネコちゃんは私を尻尾でグイグイ
引っ張っていく。いーやーぁ!離してー!
**
ドン!と大きく聳え立つ魔法学校。
私、今日からここに通うの?
「さ、着いたで。もう編入手続きは済んどる。中に入るんや」
ネコちゃんは私をグイっと押して引っ張る。
―私は勇気を出して中に足を踏み入れてみた。
「ちょっと待つんや!」いきなりの大声に私は
ビクッとなる。もーなんなのよ。入れって言ったり
待てって言ったり!「あんさん、衣装着てへんやろ。立派な魔法少女になるにはまずは衣装からや!」
魔法少女の衣装。どんな感じかな。
私は想像してみた。「あんさんの衣装はこれや」
私が想像してたのより、1000倍くらい素敵な衣装だった。
私が手を触れると服がキラキラと光り始めて…
パァァァァッと私は衣装チェンジ。
煌めくピンクの衣装。胸に大きなりぼんが付いてる。
髪もツインテールに変わっていた。
「なかなか似合ってるやんか。さ、今度こそ行くんや」
やったー褒められちゃった。
私は再び、魔法学校に足を踏み入れる。
**
うわぁ、凄い。綺麗だなぁ。
そして私の教室に着いた。緊張するよー!
ドキドキしながら先生に出迎えられ
教室に入る。「今日この学校に編入してきたアリスさんです。皆、仲良くしてくださいね!」
ちょっとした歓声が起こり、私は頬を赤く染める。
「よろしくお願いします」
再び歓声が起こり、少し照れつつ
先生に案内された席へ着く。
「あ、あの…よろしくね!」隣の席の女の子に
話しかける。「ん、よろしくー!あたしローズマリー!マリーで良いよ、これから仲良くしよ?」
明るく答えてくれるマリー。良かった、お友達出来そう。
マリーは銀色の髪と対照的な、黄色い衣装を身につけて
いた。胸元に向日葵の花のようなものが付いてる。
ボブの髪には、胸元の花と同じ花が飾られていた。
「あ、ねぇ!マリーの衣装素敵ね!それに髪飾りも…似合ってる」
私は思わず声をかける。どうしてもこの気持ちを
マリー本人に伝えたかったから。
「ありがと!でしょでしょ〜そうでしょ〜私も自分でそう思ってたのよね!…なーんて。あんたの衣装の方が素敵よ。似合ってると思うし」にししと笑うマリーに何故か、親近感を覚えた。
これから仲良く出来ると良いな。
あ、そうだ。マリーに気になってた事
聞いてみようかな?「魔法学校って何するところなの?私、強力な魔力持ってるらしいんだけど…」
おずおずと、声が小さくなりつつ勇気を出した私。
「そうねぇ…簡単に言うと、魔力を育てて訓練する場所かな」
なるほど。何かいろいろ合点が一致したかも。
「ありがとう、教えてくれて」
私はニコッと笑い、お礼を言った。
「あ、そうだ。大切なこと言い忘れてた!この魔法学校に通う魔法少女達にはね、能力があるものなのよ。ちなみにあたしの能力は色仕掛けよん♪…なぁによぉ〜そんか目で見ないでよ!あたしの能力、色仕掛けはね敵を魅了して、敵のすんごい情報とか、聞き出せちゃうんだから!」
へぇーそうなんだ。最初はビックリしたけど何か
ぴったりかも。マリーは胸大きくて、羨ましい…
「私はどんな能力の持ち主になるのかな」
楽しみだけど、やっぱり不安で。
でもマリーの笑顔で不安は吹き飛んだんだ。
「ん〜あんた可愛いし、アイドルになるかもね。アイドルになって歌で魅了!みたいな?」と、マリー。
「うふふ!それ、マリーに似てるね!もしそうなったら嬉しいかも」私は本当にそう思った。元の世界へ戻ったら
そういうニュアンスの絵本、描いてみようかな?
そんな私達二人のやり取りを、さっきのネコちゃん…
後に゛サリアン ゛っていうみたいだけど…。が見ていたなんて
私達は知るよしも無かった。だから
「ホォ―なかなか上手くやっとるやんか。にしても、あのローズマリーっちゅう姉ちゃん…ええ身体しとるのぅ」なんていう
エロいことを言ってるなんて知らなかったの。
登場人物A
アカネ・ラビンソン
関西弁を使う美少女。明るく人懐っこい性格。長めの赤毛の髪を巻いている。
15歳。衣装は黒く、胸が大きく空いた大胆な衣装。
魔法少女の能力はマリーと同じく、色仕掛け。
それに加え、炎を操ることも出来る。後にアリスの親友と
なる。
ラビス
褐色の肌に黒髪が映える、典型的な美少女。
つり目。15歳。かなりの天然で、本人自覚無し。
曲がった事が大嫌い。
衣装は白と赤の模様の入った着物を着用している。
刀を操ることができ、能力も刀をつかったもの。
―そして、魔法学校の授業が始まった。
内容はほぼ、マリーが説明してくれたものと同じだった。
それから程なくし、教室のドアがガラッと開いた。
「―遅れてすみません!魔物退治をしていました!」
褐色の肌に黒髪が映える、美人。派手な柄の着物には
刀が差してある。
―その休み時間。さっきの褐色美人が私に近付いてきた。
うひゃあ。緊張するなぁ。
「お前かー?今日編入してきた、強力な魔力の持ち主ってーのはよー」ジロジロ睨みながら私を見てくる。
…ちょっと怖い。にしても、男言葉を話すなんて。
尚更、格好良く見える。―お近づきになりたい。
「あの、貴女は?」おずおずと聞いてみる。
「ん?俺か?俺はラビスだ!よろしくな!」
明るくにこやかに手を差し伸べてくれる。
ラビスと仲良くなりたい。
「私はアリス。よろしくね。…仲良くしてくれる?」
私も手を差し伸べる。
「おおよ!勿論だ!言われなくてもそうするさ‼」
ブンブンと差し伸べた手を上下に振る。
それと同時に、彼女の黒髪のポニーテールが揺れる。
―やったぁ!友達が一気に二人になっちゃった!
「良かったね、アリス!この娘、結構凄い魔法少女なんだよ」
マリーが私達を交互に見つめながら、そう話す。
「言う程のモンじゃあ、ねぇよ。オメェだってスゲー魔法少女じゃねぇか。それにおらぁ、魔法少女とかチャラチャラした言い方は気に入らねぇんだ」と腕組みをしつつ、話すラビス。
―何かおっさん臭い。マリーもそう思ったようで
「あんた、おっさん臭いのよ!黙ってりゃ美人なのに」
とジト目でラビスを睨んでる。確かに。
だから私もうんうん、と頷く。
「俺は黙ってんのが苦手なんだよ」とラビス。
皆で一斉にクスクス笑う。楽しくなりそうだな。
面白い!!!
私は、アカネとマリーが好みだけど、私自身は(美少女を除く)アリスに似てるなぁ…空想好きだしw
これからも連載楽しみにしてます!
>>11
早速来てくれたんだ、ありがとー!
本当?好きなキャラまで見つけてくれたんやねw
アカネの登場、期待しててw
マジか?似てるんやら
>>12に誤字発見…
似てるんやw
―しばらく三人で話していると。
先生が私の方を見て、手招きしてきた。
なんだろう…?もしかして私、やらかしちゃった?
私は慌てて先生の方へダッシュ。
「あ、あの!…どうかしましたか?」
たじたじになりつつ、先生に問う。
先生は「私に付いてきなさい。学園長先生が貴女を待っていますよ」とだけ言い、私の返事を待たずにスタスタと歩いていく。
私は急いで追いかける。
「編入そうそう、何かやらかしちゃったのかねぇ、あの娘」
マリーはやれやれといった様子で呟くように言った。
「能力を教えてもらいに行くんじゃねぇか?あの様子じゃあ、まだみてぇだしな」ラビスはアクビをしながらマリーの呟きに
答えた。「そうだと良いけどねぇ…」お調子者だが心配症な
マリーはスタスタと先を歩く先生とアリスを見てまたも呟く。
ラビスはそんなマリーに元気づけるように
「大丈夫だろ!心配してても何もはじまらねぇぜ?!」と
肩を叩きながら言った。
**
―私と先生は長い廊下を越え、螺旋階段を抜けて、
ようやく学園長先生の待つ部屋に辿り着いた。
先生はコンコンとドアをノックする。
「どうぞ」と学園長先生の声がして、先生は中へ入る。
私も後に続いた。「貴女がこの魔法学校に編入してきたアリスさんですね?私は学園長のリリーです。よろしくね」
にこやかに挨拶してくれる学園長先生。私もペコリと
会釈する。「突然ですが、貴女の魔法少女としての能力をお伝えします。それは―」私はゴクリと唾を飲む。
「それは―アイドルとなり、歌で魅了する能力です!」
私は思わず、「えっ!?」と声を上げてしまう。
何故なら、マリーが言っていたことと、ソックリ同じだった
からだ。凄いよマリー、予感的中!早くマリーに
伝えたいと、そわそわする私に学園長先生は再び口を
開いた。「まだ貴女の能力は、あります」
私はまた、「えっ!?」と声を上げてしまう。
マリーの言っていたことと、学園長先生が言っていたことが
同じだっただけでも驚きなのに、まだ私の能力があるなんて。
「それは―動物と話せる能力です。貴女、見たところ、動物がお好きでしょう?そんな貴女にぴったりな能力だと思います」
わぁ、嬉しい!動物と話せる能力だなんて!
私は昔から動物が大好きで、遊園地よりも動物園に
行きたいと親に言っていたくらいだ。私は一度で良いから
動物と話してみたかったのだ。嬉しさのあまり、私は
もう少しでピョンピョン跳び跳ねるところだった。
―私は学園長先生に「ありがとうございます!」と
お礼を言って、部屋を後にした。
私はダッシュで元来た道を辿り、教室に着いた。
「あんた、学園長先生に叱られてたりしないわよね?」と
マリー。私はクスッと笑い、さっきまでの話をした。
「マジ?あたしの予感、的中したの?さっすがあたし〜♪」
そう言いながらブイサインするマリー。
「オメェ、能力が二つもあるなんてスゲェじゃねぇか!」
興奮した様子で、ラビスも言う。「えへへ…♪」と
照れ笑いする私。―素敵な能力を貰えて、良かった。
―そして、時間は過ぎ。
放課後になった。―…あれ、待って!私、帰れない!
だって家、無いし…。どうしよう?
「あの、家…どうしよう?私、無い…」
私は慌てて言葉がおかしくなっていた。そんな私にマリーは
「大丈夫、大丈夫‼この学校、寮制なのよ。ちなみに、私とラビスはおんなじ部屋よん♪四人部屋だから、ちょっと狭いかもね」
涙目の私を、安心させてくれた。
「更に、だ。オメェも俺達と同じ部屋だぜ?先生がそう言っててよ」うわぁ、嬉しい‼二人と同じ部屋なんて。
これから楽しくなりそう♪
―だけど。「―あれぇ?もう一人って、誰?」
私は二人に疑問を投げかけた。
「それは…見てのお楽しみよ!ウフ♪」と、ご機嫌なマリー。
そしてラビスも「ほら、行くぞ」と私に声をかける。
**
―ここが魔法学校の、寮。私は緊張して、頬が強ばる。
魔法学校本体(?)に負けじと、ドン!と聳え立つ寮。
486号室。その部屋の前で止まった。
「ここが俺達の部屋だ!入るぞ」ラビスはガチャッと
部屋に入る。すると、美人が部屋でくつろいでいた。
赤毛の髪が特徴的で、マリー同様胸が大きい。
更に、近付きやすそうなタレ目であった。
「お疲れさん、お先にくつろいでるでー」手をヒラヒラと
振り、笑顔を見せる美人さん。
「おう。お疲れさん!これ、差し入れだ」
ラビスはそう言って、コンビニ袋のようなものを美人さんに
見せる。「お、おうきにな〜」彼女は受け取り
ゴソゴソと探る。そして、ポテチのようなものを取り出し
「コレ、一緒に食べへん?」とこちらに差し出してくる。
それを受け取り、ラビスは口に運ぶ。
そんな二人のやり取りをジト目で睨むマリー。
「ちょっとラビス、アリスの紹介がまだでしょ?それに、アリスからしたら、アカネは知らない人なんだから。ポテチは紹介が終わってからね」バッとポテチの袋を奪う。「あ…!」と気付く
ラビス。「ダメダメなラビスに代わって、私が紹介するわ。こちらアリス。彼女は転校生よ。能力が二つもある、超一流魔法少女よん♪」とマリー。私はそんなんじゃないわよ〜
「はじめまして、アリス!よろしゅうな」と手を差し伸べてくれる
美人さん。「アリス、こちらアカネ。関西弁を喋る明るい美人よ。能力は私と一緒で、色仕掛け。それに、炎を操る能力も持ってるわ」と丁寧に紹介してくれるマリー。
「アカネ、よろしくね!」私も手を差し伸べる。
全然描けていない…
明日更新します!