ーこの幸せを使いこなせる人に。
>>2
「…オレの能力は、"洗脳"…だ。だからその力で、アイツの此処の場所の記憶を書き換えた。
今頃、何処かを家だと思って勝手に入ってるんじゃないか。…これで良いか?」
「ふうん…じゃあ、僕の能力って?"特別な能力"って言ったよね。」
「…ああ。オマエの能力は、"夢想操作"だ。ううん…聞きたいことは多いだろうが、今は一緒に来てくれないか?」
「…えっ?」
「…もう一度聞こうか。オマエは、今までの生活で本当に良いと思っているか?逃げ出したい、そうだろ?」
…そんなの。だって、そんなこと、思って良いなんて知らなかった。僕は、1つ深呼吸をしてから、言った。
「…当たり前、でしょ。初めての外の世界、リオンがナビゲート、してくれるの?」
「あぁ。…まぁ、すぐ"この世界"ともおさらばだけどな。」
「…うん?」
「…いや。…ほら、行くぞ? 」リオンが扉を開けた。
…僕は、今までの狭い狭い部屋(セカイ)から、初めての世界に飛び出した。ぱあっと明るくなる視界に目が眩んだが、
それよりも僕は、初めての外に、興奮が抑えきれなかった。僕の言葉じゃ表せない位に、自由は最高な幸せだった。
…純粋で無垢な少女の、素直な喜びの溢れを見つめながら、猫耳少年リオンは何故か寂しげに微笑んでいた。
「…あ、は…"御主人様"、オレだって"人間"なんですよね…そう…あの日々が懐かしいです…」
そんな静かな呟きは、幸せの骨頂にいるヒナノに、届く訳もなかった。