ドキドキして迎えた入学式。小学校の時の友達とはクラスが違うけど
新しい友達を作ろうとわくわくしていた。しかし......
いじめのある学級はもう嫌。それをスポーツのように見る観衆もいらない!
第一章 この学級は荒れている?
4月8日月曜日。私は、青葉西中学校に入学した。呼名は大きな声で返事した。
担任は、月山怜子という30代くらいの女性だ。数学の先生らしい。見る限り悪い人には見えない。
私は、友達の晴海とは同じクラスになれて嬉しかったが...
早速、とある男子が 「怜子さんは結婚してますか?」 と月山先生にたずねた。
私はびっくりした。先生を下の名前で呼んで結婚してますか?と聞くなんて.......
もちろん、月山先生はその男子に注意してたけど、そいつはへらへらしている。
ほかにもそいつの名前は持田というらしい。他にも先生に失礼な言葉遣いをしていたり、私のことを突然ブスって言ってきたりした。私はびっくりし、入学初日ながらも持田が嫌になった。
「あのね! 突然ひとのことをブスって言うなんて頭どうなってんの!? 言葉遣いも。月山先生に失礼でしょ!」
と私は帰り際、持田に怒った。すると、持田も反論してきた。
「先生なんて敬語を使う意味ねーだろ、うるせぇーぞブス!」
私はまだ、コイツが悪魔とは知らなかった......
入学してから1週間ほど経った。新しい友達は数人出来て楽しい中学生活が待っているかと思った......
ただ、イジメが起こっていた。いや、イジメなのか。犯罪というべきだと思う。
まだ、あの悪魔がいじめっこと知る人はまだ、いなかった.....
「おい! てめぇー俺の言うこと聞かねえなら屋上から突き落とすぞ!」
放課後、私が忘れ物を取りに行くとこのような声が聞こえてきた。
何となく、いや〜な声。そーっと教室を覗くと持田と吹上君がいた。
「よぉ〜ブス! なにしてんのか〜」 と呑気に声をかけてくる持田。
「私は、平野麻衣よ! 持田こそ何してんの!? 吹上君に何してたの!?」
「あ、俺? 今なあ吹上と遊んでんだよ、突き落とし遊び」
突き落とし遊び...... これってイジメじゃないの? 吹上君楽しんでないよね......
【登場人物まとめ】
私(平野麻衣 ひらのまい) 主人公。正義感の強い中1。持田に対して嫌なイメージを持っている。
持田(もちだ) 平野麻衣が悪魔と言う男子。吹上君をいじめている。
吹上君(ふきあげくん) 持田にいじめられている男子。少々気が弱い。
晴海(はるみ) 平野麻衣の親友。イジメはよくないと考えており持田に反抗していく。
月山怜子(つきやまれいこ) 平野麻衣たち1年B組の担任。数学教師。
登場人物が増えたら、またまとめます!
「本当に遊んでる? 吹上君血がでてるよね?」
私は、吹上君にたずねた。すると、直ぐ様持田が答えた。
「吹上のやつー、さっき転んだんだよ、な?」と持田は必死に吹上君が転んだことにしたがっている。
「いや、違うよ平野さん......」
吹上君が小さくて弱い声で言った。そよ風のような静かな声。私にはその声がしっかりと聞こえてきた。
「持田! 吹上君転んでないって言ってるよ! イジメならやめなよ!」
持田は私と吹上君を睨み付けてきた。時計の針は5時丁度を指していた。
私も塾の時間があるので帰った。姉がテレビを見ていた。
「おかえり〜、中学も慣れてきた?」 姉が私にきいてくる。
「うん、新しい友達も出来たし、男子がうざいけどねー」
「男子うざいよねー、まあ頑張れ!」
うざいというか嫌なやつが1人だけいる。テレビの夕方のニュースが目についた。
「最近、中学生のイジメが増加 SNS等が原因か」
中学生の......イジメ? やっぱりあれもかな。
このままじゃダメだ。イジメを見ているだけの「観衆」はダメなんだ!
と思ったものの私にはなにもできない。そもそも絶対いじめと断定できない。
「はい、平野さん」
塾の先生の声。数学の授業だった。
乱入ダメだったらごめんねっ、すごくおもしろいね!
>>7
それな〜!
乱入いいよ! 面白いって言ってくれてありがとう!
10:威風◆Ok:2019/07/20(土) 20:56 「えっ、あ、はいっ、−8です」
色々考えていて授業に集中出来ない。そもそも絶対にいじめと断定できない。
持田と吹上君が突き落とし遊びって言うのしてたけど、それがイジメとはわからない。
吹上君が怪我してたのは嘘らしいけどイジメが起きているって訳じゃないかもしれない。
ホントにイジメだったら無くさなきゃいけない.....
「はい、正解です」
よかった。あまり授業に集中できなかったけど問題は正解できたようだ。
授業の終了チャイムが鳴る。眠そう顔をした私。多分、今日は色々考えて頭を使ったからか、
いつもより急に眠く感じる。
「それでさ先輩がね....」
「えー、ほんと? すごいね!」
でも、晴海と喋って帰ると眠気も疲れも忘れてしまう。
普段遠慮とかしない晴海に私の思いを伝えてみようと思った。
ただ、なんとなく言いづらかった。
私はなんでこんな事で考え続けているのだろうか。イジメだと分かっていないのに....
持田が嫌だからなのか。なんとなく気に入らないのか。
ずっと考え続けているのは気が休まらない。ベッドへ行くと、好きなことを考えながら寝た。
水曜日。この日は平日の中で一番好き。なぜなら五時間授業で塾も部活もなく遊べるからだ。
「おはよー!」 私は晴海や友達に声をかける。
ふと見るとあいつがいる。もう嫌だって、考えたくない。
持田の周りにはいつも人がいる。人気者なのかな。
――屋上から突き落とすぞ!
この言葉が蘇る。あいつが吹上君に言った言葉の意味ってどうなんだろう。
イジメだとは思うけど何かあるのかもしれない―
一時間目の授業が始まる。今日から授業らしい授業が始まる。
入学してから今まで午前授業で学活とか総合しかしてない。姉から聞いただけじゃ分からない事もあるだろう。
一時間目は数学。数学の授業はレベル別に別れていて私は上のクラスにいった。
先生は月山先生だった。まずは小学校の復習からだ。
「はい、皆さんおはようございます。数学は私、月山が担当しますのでよろしくお願いします!」
このクラスはB組以外にA組の生徒も混じっている。A組は綾香とか深雪とかいる。
「まずは席は出席番号順ね」
「B組は、藍沢さん、塩田さん、高岡さん、寺村さん、平野さん」
「男子は、大田君、坂倉君、田中君、吹上君、持田君」
藍沢さんと大田君、塩田さんと坂倉君、高岡さんと田中君、寺村さんと吹上君、そして.....
持田と私 席隣り合うのかよ!
そもそも、イジメとか関係無しに私のこと「ブス」ってくるんだよ!
私かわいくて困っちゃうなんてことはないけど、ブスなんて酷いよなあ。
晴海に言うと「恋だね!」って笑って言われるじゃん!
「よお〜、お前ブスだな」
よく堂々とそういうこと言えるわね。
席に座って一言目がそれかよ。
「はい、まずは小学校の復習から始めたいと思います。教科書239ページを開いてくださ〜い」
月山先生の指示が聞こえる。小学校の時の教科書は上下に別れていたけど、今は一つになって分厚い。
「クラスは小学校の算数の成績で分けています。まだ皆さんがどのくらいの力を持っているのかわかりませんので
小学校の時のポイントをおさえられているか見てみたいと思います」
えっ、まずい、私円周率とかわかんない。落語家の名前かな? なのによく上のクラス来たなあ(笑)
まず、円の面積は半径×半径×3だったような....
(1) 直径9cmの円の面積を求めなさい
直径ってなんだっけ、半径の二倍なんだよね。だから÷2するんだな。
式 4.5×4.5×3=74.25 A 74.25平方センチメートル
こんな感じで問題を解いていく。
途
途中で送信してしまいすみません。あと訂正です。74.25平方センチメートル → 60.25平方センチメートル
です。変な間違いですね(笑)
小説の続き
途中戸惑いながらも問題を解いていく。
そこで気になったことがある。 それは、持田が吹上君の背中をシャーペンで突いていることだ。
「いたいっ」
吹上君の声が聞こえる。私は持田に静かな声で言った。
「ちょっと、吹上君痛がってるしやめなよ」
私はそう言うと、また睨まれる。
「お前に関係してないじゃん、楽しいからいい」
ああ、本当に「悪魔」なのかもしれない。普通、痛がってたり嫌がっていたりしたらやめるよね?
注意したのにその態度。ホントなんなの?
ところで、吹上君の席の寺村さん。あなた何も言わないの? 吹上君が痛がってる事わかってるはずに知らんぷり。
それに前を向きながらニヤリと笑ったのが少し怖い印象だった。
あまり寺村さんと話さないけど、ちょっと寺村さんも好印象は抱けない。
なんかまたモヤモヤする。すると、答え合わせをするという話が聞こえる。
「はい、皆さん、答え合わせをします。黒板に答えを書いていってください、一番平野さん、二番小川君、三番塩田さん」
先生に指されて黒板に答えを書くことになった。
(1) A. 60.25平方センチメートル と私は書いた。多分合ってるはず。
月山先生が問題の解説をしていく。
「まず、一番ですが、あれっ、円周率って3.14で習わなかったのかな?」
「あっ、それ私間違えました。半径×半径×3してました」
あー、円周率って3.14なのか。すっかり忘れてたわ。
「半径×半径×3.14 という公式を覚えましょうね、平野さん」
「お前、円の面積も答えられないのか雑魚だなっ」
またムカッとする持田の発言。雑魚で結構よ!
「吹上もお前と同じ間違いしたぜ、お似合いだな!」
もう、なんで持田の隣の席なの!
イライラしていると、月山先生が怒った声で言った。
「持田君、平野さん、静かにしてください!」
思っていたより私達の声は響いていたのだ。私はすぐさま「すみません」と言った。しかし、持田は違う。
「すぐキレるなよ〜、子供が出来ないか結婚出来ないかでイライラしているんでしょ?」
クラス全体が南極へ飛ばされたように凍った雰囲気。皆何も言わなくて固まる。
私は確信した。持田の通知表。意欲関心態度で「C」がつくとね。
「ちょっと、持田君!! そういうこと言うんじゃありません!!」
図星なのか。月山先生が眉を寄せ、シワのある顔ででこちらを見つめる。
キーンコーン、カーンコーン。授業のチャイムが鳴る。
「あ、はい、授業を終わります、ありがとうございました!」
授業が終わった。次の授業は地理だ。皆ざわざわと話している。
持田がいない。きっと先生に個別に呼び出されているのだろう。
持田はなんで吹上君をいじめるのか。楽しいから吹上君が嫌がってもいじめるってことらしいけど。
それに寺村さんも。ニヤッと笑っていてなにもしない。ただ観衆のようだ。
他のクラスメイトは、いじめについて知っているのだろうか.....?
晴海に伝えてみよう。
「晴海、ちょっといい?」
「いいけど。どうしたの麻衣?」
「あのね、このクラスでイジメがあるの知らない?」
「えっ、あるの!? 誰が?」
「持田と吹上君」
「持田ってあのうるさくて麻衣にブスって言うやつでしょー? 吹上君って大人しくてめっちゃ絵うまいやつでしょ」
「うんうん、授業中に背中に何度もシャーペン刺したり、突き落としたりしてるんだよ、吹上君嫌がってるのに」
「えー、それは酷いね..... 持田は嫌がってるのにそれらをやめないんでしょ?」
「そうなんだよ、先生に相談しようと思っているんだよね」
「なるべく早く行こうよ麻衣! そうしたらなくなるかもしれないよ?」
晴海はイジメのこと知らなかったのか。でも話して良かった。晴海もイジメはよくないし先生に相談しようって言ってくれた。これでイジメがなくなればいいけど.......
放課後、私は晴海と一緒に職員室へ行く。
「失礼します、1年B組の平野麻衣です、月山先生、お時間宜しいでしょうか」
「あっ、平野さん、今行きますね」
「それでどうしたの? 平野さんと金沢さん」
私は思いきって今の思いや見たことを全て話してみる。
「月山先生に伝えたいことがあります」
先生は少し驚いた顔をする。これでイジメがなくなるといいけど....
「このクラスでイジメがあるんです」
入学して1週間程なのに、自分が担任するクラスでイジメが起きているというのはとても悲しいことだと思う。
先生は悲しそうな顔で真剣な顔でこちらを見つめる。
「それで、どんな状況か教えてくれる?」
「えっと、持田君と吹上君なんですけど....... 昨日、忘れ物を取りに行きに行ったんです教室に入る前に
「お前俺の言うこと聞かなかったら屋上から突き落とすぞ!」って言う声がきこえたんです。
そうしたら、持田君と吹上君がいました。
彼らは、突き落とし遊びっていうのしていたらしいんです。吹上君の脚を見ると血が出ていたんです。きっと階段から突き落としたのだと思います。この事を持田君に伝えると、血が出ているのは吹上君が怪我してるだけって言われました。
ただ、吹上君は違うと言っています。また、今日も数学の時です。持田君が吹上君の背中をシャーペンをつついていて
吹上君が嫌がっているのでやめないんです。本人にイジメの自覚はなくて、吹上君が嫌がっても自分が楽しいからいいじゃないかと言っています。これはイジメなのかと思い先生に言いに来ました」
私は長々と見たことや考えたことを話した。すると先生が困った顔で言う。
「そうね、絶対イジメだと断定出来ないし、ふざけあってるのかもしれないけど
持田君も度が過ぎて、吹上君が嫌がってるのにそれをやめないのはよくないから注意しておきます。
血が出ているのはさすがに問題がありそうね。吹上君の保護者の方に連絡しておくわ。
平野さん、わざわざ言いに来てくれてありがとう」
思ったことなど全て話した。先生も二人と話して注意してくれるって言うから大丈夫だよね.....?
次の日。これでイジメがなくなるだろうと思っていた。しかし注意ひとつでイジメがなくなるわけなかった。
私は昼休み、持田に呼び出された。
「おい、お前、俺がイジメしてるってチクっただろ?」
ああ、ばれてしまったんだ。といっても月山先生が「平野さんが言ってきました」なんて言うわけないはず。
私が報告したから、月山先生に注意されたとでも思ったのね。
これではい、チクりましたなんて言うと後が怖そう。
「チクってないよ! きっと先生もイジメだと思ったのか、他の人が先生に相談したんじゃないの?」
私は嘘をついた。あまり嘘はつきたくない。なんとかこの場をしのぐには必要なのかもしれない。
「ふぅ〜ん。でもさ、俺にイジメだイジメだって言ってきたのは誰だろうね?」
それは私だ。第一、イジメならよくないはずだよ!
「持田、先生にどんな風に注意されたのよ?」
「ああ、言ってやる。放課後に吹上と遊んだことと背中にペン刺して遊んだことだ。これってお前以外チクるやついるか?」
もう言い訳も嘘も言えない。だって、その二つを見てチクるやつは私しかいないからだ。
「あ、言っておくけどもう余計なことをするなよ!? 遊んでるだけなのになぜ邪魔される必要があるんだ!?」
イジメの自覚は本当にないんだろうか。私は聞いてみる。
「持田はイジメの自覚はないの?」
「イジメって人ころすやつでしょ? あと、余計なことしたら兄ちゃんの友達にボコボコにしてもらうかな!?」
ヒェ〜、まって人ころすだけじゃないよ、イジメは。あと余計なことをしたら持田の兄の友達にボコボコにしてもらうって何? 暴力団員の人? 裏社会と繋がっているの?
もう嫌。忘れたい。本人に何も自覚がない。どうすりゃいいんだろう。
放課後、私はまた忘れ物をしてしまった。
するとまた目を疑う光景を見た。
持田と吹上君、そして、田中君と塩田さん....?
――ドンッ!!
人を押す音。きっと誰かが吹上君を押したのだろうか。
教室を覗くのをやめ、堂々と教室へ入った。
「何してるの?」
私は感情的になりそうだったが、落ち着いて話しかけた。
「あら、平野さんっ?」
すぐ答えたのは塩田さんだった。
横を見ると机がぐちゃぐちゃ。掃除したあときちんと机を並べたはずなのに。
「今ね、吹上君とね持田君とね田中君と遊んでたの」
遊んでいた....? 持田と同じようなこと言ってる。
塩田さんって持田と一緒に吹上君をいじめているの?
「塩田さん、何して遊んでたの、面白そうなら私もやっていいかな」
面白そうなわけはないなと思いつつ、塩田さんの反応を待つ。
久しぶりの更新です。
「ええ、いいわよ、イジメは楽しくて心がスッキリするもの、そうでしょ?」
目を疑う光景と発言に驚きを隠せないながらも、私は塩田さんに反抗する。
「イジメはよくない、持田には言ったはずよ! 吹上君が嫌がっているじゃない!」
塩田さんの後ろで吹上君を蹴る、田中君と持田にも聞こえるように言った。
その怒った声は彼らの心には響かなかったようだ。
二人は私に近寄り、フッと少し笑う。
「いいじゃん。お前も綺麗事ばっかり言わないでさぁ」
「そうだぞ!」
持田と田中君が一緒になって私の言うことを否定する。
その時だった。
―吹上君が教室から逃げた。
塩田さん、田中君、持田が私へ注目し悪そうな目を向けていたが、吹上君がその隙を狙って教室から逃げた。