――その日、俺は奴隷になった。
監禁され、地獄の日々を過ごす――
日本奴隷監禁社の紹介です。
弊社は借金を背負った人や罪を犯した人の味方でございます。
借金や賠償金を抱えた人なら、身近な人を差し出すことで貴方の払う金額が、タダになる・半額以下に減ることになります!
罪を犯した人なら、身近な人を差し出すことで、
貴方の刑がなくなる・現金を数万円で払うことで済みます!
私達は警察や金融機関などと関係があるので、このような事が出来るのです。
今、お困りの方、私達に相談しませんか?
【ごあいさつ】
今回、奴隷育成所という小説を書くことになったアマギです。
アドバイスや感想などはどんどん書いていってください。
励みになります。またアドバイスも参考にします。
登場人物紹介を見たくない人は、これより下を見ないでください。
【登場人物】
岡崎 賢人(オカザキ ケント)
25歳男性。交際相手の父親に借金があり、借金の返済の時に人質として、日本奴隷監禁社に身柄を拘束されてしまう。
大熊 力也(オオクマ リキヤ)
41歳男性。プロレスラーでガタイがいい。
友人が交通事故を起こし、その賠償金を払えず、人質として日本奴隷監禁社に身柄を拘束されてしまう。
天水 みかん(アマミズ ミカン)
8歳女の子。親が自身の給食費を払えず、なんと日本奴隷監禁社に彼女を差し出してしまう。
松沢 春奈(マツザワ ハルナ)
22歳女性。動物園飼育員の母と、大工の父を持つ。
兄が殺人をし、日本奴隷監禁社に身柄を拘束されてしまう。
天王寺 鬼広(テンノウジ オニヒロ)
54歳男性。日本奴隷監禁社の社長であり、ボス。
帝王のごとく君臨しており、人を監禁し、奴隷として扱うことが生きがい。
日曜日。目をこすりながら朝食をとる。
彩夏ちゃんは朝食を食べたら家へ帰るようだ。
「それじゃあ、行ってくるね!」
半同棲中の俺ら。彩夏ちゃんは家へ帰るらしい。
急いで帰って友達と会うらしい。
「いってらっしゃーい」
俺は彩夏ちゃんを送って、顔を洗う。
ニコニコしていたが、いつも彩夏ちゃんの笑顔ではないような気がした。
何か、奥に闇だったり黒いものが隠れているような.....
ちょっと不気味で作ったような笑顔。自然な感じがしない。
ピンポーン
インターホンが鳴ったが、泡だらけの顔じゃ出られない。
それにパジャマ姿だし。カーディガンでも羽織ろう。
俺は急いで顔にバシャバシャ水をかけた。
なんでこんなときに来るんだろう。
「はーい、遅れてすみません〜っ」
ドアをガチャっと開けると、背が高くてスーツ姿の男が四人も。
勝手に1人だろうと思っていたが違う。
朝から何の様だろう、四人もスーツ姿の男が来ていて。
まるで大統領や金持ちを守る、SPのようだ。
「岡崎賢人様でございますね?」
四人の中でも中央にいる、一番背の高い男が話す。
「あ、はい、どちら様でしょうか?」
いかにも怪しい人達がなんだろうか。
「申し遅れました。こういう者です」
名刺を見ると、日本奴隷監禁社..? なんだそれ?
その男が一枚の書類を差し出してくる。
――柴田弘之は期限までに借金二千万円を返済できない場合、
岡崎賢人を人質とし日本奴隷監禁社に身柄を引き渡すこととする
と書いてあった。えっ、 人質!? 何それ。
人質ってハイジャックとかで聞いたことはあるけど.....
柴田弘之って...彩夏ちゃんの父親! なんだとあのオヤジ!
「えっと、柴田弘之様は期限である昨日までに、借金を返済できなかったので、此方にあるように岡崎様の身柄を弊社へ引き渡すことになります」
そんな契約した覚えがない! なぜ身柄を拘束されなきゃいけないのだ。
書面をよく見ると、上の方に柴田彩夏とサインが書いてある。
「あの、このような契約をした覚えがありませんが....」
「しかし、岡崎様の判子が押されていますが?」
「弊社と、柴田弘之様、柴田彩夏様で契約したので、岡崎様、
身柄を弊社に引き渡しますね」
きっと、寝ている間にこっそり俺の判子を持ち出して判子を押したのだろう。
一瞬で、彩夏ちゃんへの愛情が冷めてしまった。
「いやだ! 俺はそんな契約してない!」
「でも、もうこの事は取り消せません」
俺が部屋の中へ逃げようとすると、今まで何も喋らなかった
他の黒服たちに追いかけられ、ついに俺は捕まってしまった。
「静かにしろ!」 黒服たちが俺の事を無理矢理運ぶ。
そして、マンションの下へ連れられ、入口の近くにある
黒いハイエースのような自動車に乗せられた。
空を見ると天気予報では晴れだったのに、黒く気味の悪い雲で空は覆われていた。
――その日、俺は奴隷になった。
黒服の男達に体を捕まれ、もう抵抗は出来ない。
腕をしっかりと、ギュッと掴まれたからにはもう逃げられない。
ブーンっと車の動く音がする。俺は横にいる男らにたずねる。
「おい! どこへ連れていくんだ! 何をする気だ!」
怒り気味で怒ると左隣の黒服が答える。
「まあ、少しこきつかわれるようなものだ、楽しい所だから安心しろ」
楽しい所?絶対嘘じゃん。待てよ、金曜日に見たネットの記事。
――他人を地下室に監禁させることで、金を払わなくても、刑も受けなくてもよいというシステムがある
はっ、そうなんだ。あの都市伝説が現実になりかけている。
そんなことされたら人生台無しだ! マトモに生きたい!
少しこきつかわれて働くというのも嘘だな。重労働だしマトモに食事もとらせてくれないのかもしれない。それで人生を終えるなんて絶対嫌。
「いやー! 俺はお前らに連れていかれないぞ!」
車は赤信号で止まっている。なんとか脱出できるかもしれない。
ガチャっとシートベルトを外し、車のロックも解除した。
この車はドアロックノブの車だ。
もう嫌だ! 脱出しようとした時だ。
「動くな、静かにしろ、脱出はできないと思え」
また、俺の腕をしっかりと、ギュッと掴まれた。
左隣の黒服が言う。この人達の前で脱出は不可能に近いのかもしれない。
黒服の男達に体を捕まれ、もう抵抗は出来ない。
腕をしっかりと、ギュッと掴まれたからにはもう逃げられない。
ブーンっと車の動く音がする。俺は横にいる男らにたずねる。
「おい! どこへ連れていくんだ! 何をする気だ!」
怒ると左隣の黒服が答える。
「まあ、少しこきつかわれるようなものだ、楽しい所だから安心しろ」
楽しい所? 絶対嘘だ。待てよ、金曜日に見たネットの記事。
――他人を地下室に監禁させることで、金を払わなくても、刑も受けなくてもよいというシステムがある
はっ、そうなんだ。あの都市伝説が現実になりかけている。
そんなことされたら人生台無しだ! マトモに生きたい!
少しこきつかわれて働くというのも嘘だな。重労働だしマトモに食事もとらせてくれないのかもしれない。それで人生を終えるなんて絶対嫌。
「いやー! 俺はお前らに連れていかれないぞ!」
車は赤信号で止まっている。なんとか脱出できるかもしれない。
ガチャっとシートベルトを外し、車のロックも解除した。
この車はドアロックノブの車だ。
もう嫌だ! 脱出しようとした時だ。
「動くな、静かにしろ、脱出はできないと思え」
また、俺の腕をしっかりと、ギュッと掴まれた。
左隣の黒服が言う。この人達の前で脱出は不可能に近いのかもしれない。
俺はいつの間に意識を失っていたのか。知らない場所にいた。
重苦しい雰囲気。硬く冷たい床。音が響き、金属で出来たような天井。
「はっ、ここはどこなんだ!?」
俺の声がとても響く。
「やっと意識を取り戻したか、岡崎様、ここは地下室の入口だ」
....地下室か。やっぱり監禁されるのは100%本当に近いのだろう。
「さあ、階段を降りますよ」
カッカッと足音が響く。
一番背の高いあの黒服に連れられ階段を降りた。
「怖いよ〜、助けてよ〜」 「この野郎いい加減出せ!」
怯える声や汚い声。色々な声が聞こえる。しかし、楽しそうな声や嬉しそうな声は全く聞こえてこない。ふと前を見ると人々を閉じ込める牢屋みたいなものがずらーっと並んでいる。
まるで刑務所のようである。あまり衛生面ではよろしくない場所。
「岡崎様の部屋はこちらです」
四畳半くらいの汚い部屋。ネズミや虫が湧いてきそうだし、埃が舞っている。
とにかくここで一生を終えるなんて最悪だ。
もう逆らえない。脱出なんて無理だろう。
そう思ったから素直に中に入ろうとする。
「待ってください、これを首につけますので....」
黒服が持っているのは犬の首輪のようなもの。焼印じゃないだけまだマシなのかも。
一体何をつける気なのか。変なことじゃないだろうな。
腕時計を腕にするようにその首輪のようなものをつけられた。
「岡崎様、貴方の番号は25番となりました、以下岡崎様ではなく、25番と呼ばせていただきます」
25って俺の年齢だ。でも、そんなの偶然でしかないか。
「囚人服は後程お渡しするので、一旦中へ入ってください」
囚人服って完全刑務所じゃないか。お洒落なデザインだといいな。って、囚人服にお洒落は求められない。
「出して、出してぇ!!」
もうおしまいだとは思うが、必死に鉄格子を使って叫ぶ。
でも、鍵が開くことも地下室から出られることもない。
ところで、身柄を拘束されてから気になることがある。
黒服の言葉遣いが丁寧な気がする。こういうのって乱暴な言葉遣いなような気がする。
勝手に思っていただけだろうか。一番背の高い黒服も、他の黒服たちも。
笑いも泣きも怒りもしない、常に無表情だ.....
俺は、今は何も思わない。怒り、悲しみを超えて「無」の状態にある。
この先地獄のような日々を送るかもしれないことに、納得してしまったのか
反抗する気がなくなってしまった。逃げられないってことを知ったというのも
原因の一つだとはおもう。
――リン!
鈴の音がする。まだ数分しか牢屋に入ってないのに、次々と黒服や看守と思われる人達が牢屋の鍵を開けていく。
一体なんだろう。楽しいイベント.... なわけないか。
部屋の鍵を開けられ外に出られた。俺はまだ生きたいのだ。
次々と牢屋から奴隷が出てくる。
老若男女問わず色んな人がいるんだ、と思った。
鉄格子を掴んで叫んでいた男も、泣いていた老婆も。
それに囚人服は真っ黒、よく見る白黒ではない。蚊が寄ってきそうだ。所々ほつれや血の染みた跡がついていて、清潔という言葉とは無縁の服。
するといきなり奴隷達が並び、正座をし頭を下げ始めた。
「25番! さっさと頭ぁさげろ!」
さっきの黒服とは違う、看守らしきおじさんが言う。
「はいっ、すみません!」
謝るのは営業マンの特技。九条課長や部長から教えられた。
一体なんだこれは。イベントなのか、拷問なのか。
「はぁ〜っ、天王寺様ぁぁ」
列の先端の女が天王寺というやつに言った。
天王寺っていう奴らしき男を見ると、年はアラフィフくらい、やや焦げた小麦色の肌、背はそれほど高くないが堂々とした雰囲気。よく言えば社長さんらしいというものだ。
その女以外の人々も天王寺に頭を下げ、神として扱うようだ。
また、黒服や看守もピシッと並び、少し驚きながらも「天王寺様!」と敬礼し頭を下げていく。
列の一番端の俺はよくわからず
「はっ、はぁ天王寺様っ」としか言えなかった。
すると天王寺とやらが俺に声をかけてきた。
「よぉ〜、新入りの25番。俺は天王寺鬼広。54歳男。1965年6月11日生まれ 血液型A型
日本奴隷監禁社の社長 好きなことは奴隷が苦しむとこを見ることだ」
なっ、なんだコイツ。
奴隷が苦しむとこを見ることが好きだなんて....
頭おかしいんじゃないのか。きっとヤバイぞ。
そもそもこんな会社の社長なんだから、まともで優しさのある人間とは思えない。
「おい、25番の情報教えろ、黒服共!」
黒服がタブレットで俺の情報を天王寺のタブレットに送っているようだ。
彼に俺のことが伝えられる。他になにかされると思うと心臓がバクバクする。
ついにタブレットらしき機器の文字を読み上げて言われた。
「岡崎賢人 25歳男性 1993年10月30日生まれ 血液型O型、家電メーカーのSUNYの平社員
恋人に裏切られ身柄を拘束される 好きなYouTuberは南海オンエア」
「ほぉー、なかなか面白そうな奴だな。立派な奴隷になれよ25番」
天王寺は気味の悪い笑い方をしながら読み上げた。
立派な奴隷になれよ.....? ふざけたこと言うな。天王寺ってやつはここの権力者なのか。
「あっ、言っておくけどその首輪はGPSが内蔵されてるから、脱走なんてしたら分かるからな、
このタブレットで丸わかり。首輪のロック番号がわかったら逃げられるけどな」
天王寺はさっき使っていたタブレットを俺に見せつけてくる。
ここは本当に奴隷を監禁するところだって改めて思ってしまった。
「___お前ら、餌やりの時間だ、食堂へ行け!」
天王寺の声を聞いた奴隷達は、すぐさま二列になり兵隊のように奥へ進む。
なんで二列に分かれているのだろうか。もしかして左の列と右の列で格差があるとか.....?
そもそも餌やりってなんだろう。養鶏場でもあるのか。でも食堂って言っているし....
「お前は左の列の後ろへ行け!」
「は。はいっ」
天王寺に怒鳴られてしまったのでおとなしく左の列についていった。
段々奥へ歩いて行くと暗くなっていく。
餌やりっていうのは何を表しているのか。