前書き
皆さんは「世界三大提督」と聞いて誰を思い浮かべるでしょうか?
丁字戦法で知られる日露戦争の英雄・東郷平八郎元帥。帆船での海戦術の基本を作ったホレイショ・ネルソン提督。この2名は恐らく、必ず思い浮かぶでしょう。
ですが、3人目の提督は不思議と出てこないのです。名前を挙げたとしても、李舜臣の名をあげる頓珍漢な人ばかりです。この3人目の提督はジョン・ポール・ジョーンズと言います。言うまでもないことですが、彼の知名度はほぼありません。しかし、軍事的には大きな業績を残しています。
ですから、この「無名の英雄ジョン・ポール・ジョーンズ」の名を一人でも多くの人に知って欲しいのです。
Invincibleさんのミリタリー楽しみです!
3:新見川すみれ◆96:2019/08/31(土) 20:33ジョンちゃんのときめき大冒険だって....?
4:Invincible:2019/08/31(土) 20:51 男は、尖った鼻をカリブ海の果てに向けていた。海風が、彼の茶色い髪の毛を靡かせている。
彼は商船「フレンドシップ」号の古びた甲板上に胡座をかき、新天地に着くことを待ちわびていた。
彼は、
「痒いなあ」
とぼやき、身体中を引っ掻き回した。体をほとんど洗っておらず、着ている物もボロ同然だからである。悪い虫が引っ付いているのだろう。
「変な風だな……」
彼はそう言って、髪の毛を撫でた。他の船員は、何をバカなと嘲笑う。もし、船員に老練なものがいれば、彼に同調しただろうが、残念ながらジョン含め若造しかいない。
だが、物心ついてから海軍だけを目指し、港で或いは沖で遊んでばかりいた彼にとって、風を読むことは難ではなかった。実際、後の海戦史を振り返れば、彼の航海術は天下一品であったと言える。
「こんな船で、大丈夫かな」
と言って彼は、黒ずみ、傷だらけの甲板を撫でる。
−−大きな嵐に会えば、大破するんじゃないか
彼は胸が冷え込むのを感じた。海になれた彼であっても、海の中央で野垂れ死ぬのかもしれないと思えば、不安を隠せない。彼は、風が吹くだけ、心臓をズキズキ言わし、身体を小刻みに震わせた。
程なくして、怖い風は止み、いつもの凪いだカリブ海になった。だが彼はひとつも喜ばなかった。この静寂が、「嵐の前の静けさ」に過ぎないことを感じていたからである。
>>2
コメントありがとうございます。できるだけリアリティのある描写を心がけます^_^
>>3
コメントありがとうございます。恋愛要素は1%程度含んでいます。あとは男ばっかです。