思いついて書き留める
7:◆kU:2020/05/08(金) 23:25
「貴方、また私がはぐらかしたと思ったでしょ」
「ぅえっ」
続け様にくつくつと、気味の悪い笑い声。
時々エスパー並みの"勘"を働かせるあんたは、また勘が当たったと気を良くしてうちに近づいてきた。
「ねぇ和禍さん、怖いものはありますか?」
「.........」
「私にはたくさん怖いものがあるけれど、例えば虫とか...、まぁ、それで?貴方の怖いものは何ですか?」
「...こわい、もの...ねぇ」
いつの間にかあんたは私の顎を掬い上げていた。目の前にあるあんたの鼻先をじっと見つめれば、あんたは私の視線に合わせて顔を動かす。必ず目が合うように。
「特にこれといったもんはないんやけど、」
「...ど、?」
「............毎晩見る夢、かなぁ」
夢?
首を傾げて私の言葉を反復する。
「そ、なんか毎日毎日夢見るんやけど、唯一それが怖いわ。しかも起きたときには覚えてない」
「覚えてないのに、怖いんだ」
そうだ。朝起きれば体中が汗まみれ、毛布は鉄を被っているのかと思うほど重く感じ、喉は乾き、瞳は熱くなっている。
そしてその夢の内容ってものはなにひとつ覚えてない。それがまた怖くて、
「でもその夢がもし現実だったら、貴方には怖いものがないってことじゃないですか?」
「...夢が現実だったら?」
渦を巻いた深い黒の瞳が、わたしを睨め付ける。
「もし、和禍さんの見ている夢ってものが現実だとしたら。...貴方、夢が怖いんでしょ。その夢が夢じゃなくなったら、もう怖くなくなるんじゃない?」
「............えぇと、よく、分かんないんだけど」
あんたはこんなに意味不明な言葉を突然繰り出すような奴じゃなかった筈だ。
わたしは、数々の悪行を繰り返してきた囚人を目の前にした気分だった。
「まあ、大丈夫。分からないのが普通ですよ。」
これから分かるので安心して下さい。
「.....これから、分かる...?」
本当に、気味の悪い笑い方だ。思わずあんたの口周りに視線が向かってしまう。
「それに貴方、今では現実と夢の区別も付かなくなってる。そんな状態で物事を理解するなど困難な事、」
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夕日のひかりが窓から差し込む。
最悪の目覚めだ。
汗がびっしょり、シャツを吸って膨らんでる。
枕の重みで頭蓋が割れそうだ。
涙がからからになって、頬を溶かしていた。
やがて悪夢は現実へ
終
死ぬほどトリップ間違えるじゃんもうクソバカ私
14:◆kU:2020/05/18(月) 17:19悪夢というよりこれは胡蝶の夢
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