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高校二年生の、田嶋 凌羽(タジマ リョウ)は地方の田舎に住んでおり、この日は小規模ながら大勢の人が集まる夏祭りに参加していた。
両親を付き添わせる程の年齢でもなく、誘おうとした友人は皆遠い場所の夏祭りに行くらしく、一人で屋台前を彷徨いていた。
りんご飴に買おうとした時に、目の前に誰かが横切った。
かなりここの田舎に住んでいた田嶋であったが、彼女が誰だとかは分からなかった。
それ故、ここの田舎は高校があまり建てられてなく、皆顔見知りであったのに。同年代らしい彼女は、こちらを見てにこりと微笑んだ。
「…りんご飴、買うんやろ。邪魔して悪いなあ」
彼女は透き通った声で田嶋に言った。
夏祭りの酷いくらいの喧騒に包まれ、焼き鳥の屋台だので煙く、暑苦しいぐらいなのに何故か彼女だけが別世界であった。
「すみません、別に邪魔やないんすけど」
小さな足取りで、彼女は田嶋の前から離れ、そして田嶋の隣へ行った。
田嶋はちらりと彼女を見ると、りんご飴をひとつ買った。
150円の小銭を出し、小ぶりなサイズのりんご飴を受け取る。真赤しいで、見た目からにして甘味的なのが想像出来てしまう。
「ああ、兄ちゃん一人で来たんか?」
「…見れば分かりますよね、俺寂しい奴やねん」
はは、と自虐的に笑って見せた。
それにしても、蝉が五月蝿くて五月蝿くて。田嶋は一つ、小さな舌打ちを打った。
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○当方、趣味の形でですが執筆作業が好きな者です。
数年前から好きな小説家さんに憧れ、執筆をし始めました。
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