私のノンフィクション小説です
よろしくお願いします
女って本当に面倒くさい
褒めているようで実は貶める
笑顔の裏には嫉妬
他人を蹴り落とそうとする時の謎の団結力
本当あれ醜くて嫌になる
けれど悔しい事に私もまた紛れもなくその面倒臭くて醜い生き物なのだ
「遠藤!校庭で野球しようぜ!」
「おっけー、行く行く!」
私は昔から運動神経が良いのだけが取り柄で
「遠藤は俺のチームな」
「ずるいぞ琢磨、それじゃこっちが不利だろ」
小学生の頃は休み時間のたびに男子と遊んでたし放課後は地域のサッカークラブに入っていた
女子より男子の方が一緒にいて楽だったから女子とはちょっと話すくらいだった
当時はそれで良いと思っていたけれど今思えばもっと女子との付き合い方を学んでおけば良かったと思う
「るな、中学は県外に行くって本当か?」
「りおと、何で知ってるの?」
「お前のおばさんが言ってた」
「……」
「唯と広樹は知ってんの?」
「……まだ言ってない」
「そっか、まぁ確かにこれから成長して体格差が大きくなったら今みたいに男子の中に女子1人混ざってサッカーは無理だもんな、かと言ってこの辺の女子運動部はぶっちゃけ弱いしお前の実力じゃ物足りなくなって来そうな気がするわ、地元で和気藹々程々にやるのも良いけど実力を伸ばそうとストイックにやるのもありだよな、頑張れよるな、寂しくなるけどな」
「……うん」
「……入試は大丈夫なん?」
「頑張ります」
迷いはあった
仲間と離れる事も、寮生活する事も不安だった
でも挑戦する事は好きだったし自分の力を試したくて中学は県外に行く事にした
そこで私は思いしった
自分が女との付き合い方を全く知らなかった事を
「これから〇〇学園の生徒としての生活が始まる訳ですが……」
女子校って本当に女の子しかいない……
でもまぁ何とかなるよね
私は楽観的だった
今まで男子とばっか話してたし……可愛い女の子の友達欲しいなー
私がそう思っていると私の前の席の女の子が振り向き
「私澤井美穂、よろしくね、友達になろ!」
か、可愛い
「遠藤るなです!!」
けどすぐに綻びは生まれた
「昨日のミュージックタイム見たー?」
「みたみたー、やばかったね!」
「山内くん超カッコよかったんだけど!」
「えー私八木くん派」
誰……
アイドルだの雑誌だの興味がなかった私にとっては話について行くのが大変だった
でもまあ友達の興味あることを理解しようとするのは大事なことだと
けどやっぱり正直分からない
「はーい!じゃあ朝練終わりまーす!」
その顧問の言葉にるなは伸び伸びして
「はー、朝から体動かすの気持ちいいー」
てか、集中力切れたら眠い……
それから私は教室に行き机に突っ伏して寝ていた
「るなちゃんるなちゃんおはよー」
「あ……美穂ちゃん、あきちゃん、おはよ」
趣味の違いは歩み寄ろうという気がある
女子と付き合うなら女子の行動様式に合わせる事も必要だ
分かってる、分かってるけどさ
「一緒にトイレ行こう!」
まじでこれ意味不明
女子って何で群れたがるんだろう
いやそりゃあ私だって完全ぼっちは嫌だけどトイレまで一緒に行こうとするのは理解できない
しかも寝てるのを起こしてまで……
一緒に居たいと思ってもらえるのは嬉しい、1人にするまいと気を遣ってくれるのだってありがたい、けどここまでお互い拘束されるのって疲れないのかな?
……私は疲れる、友達なんだしちゃんと言おう
私が合わせるだけじゃなくて2人にも私の事わかってほしいと思う
今までずっとそうしてきた
唯も広樹もりおとも言いたい事を言い合って喧嘩して仲良くなった
そうやって絆を作ってきたから
「……私は良いよ、トイレってそんな連れ立って行くものじゃ無いと思うよ、別に私今行きたく無いし今日なんか眠いんだ……ごめんね、2人で行ってきて」
結論から言うと美穂ちゃんとあきちゃんは私のことが理解出来なかったらしい
2人は私から距離を置き始めた
それまで一緒に行っていた移動教室も気づいたら先に行かれている
そして次第に1人でいる私を見て2人は笑うようになった
私が1人でいるようになるとそれまで普通に接してくれていたクラスメイトの態度も変わった
目を逸らす、話を広げない、早く会話を切り上げたがっているのがわかる
気づくのが遅かった
女の社会の厳しさに
美穂ちゃんやあきちゃんは合わなかったんだ
そう思い他のグループへ行こうと思っても女子はグループを作っていて一度作られたグループは閉鎖的で排他的
他のグループで弾かれた人間など誰が好んで受け入れる?
そして弾かれた人間は弾かれたまま周りはどんどん結託していって気がつけば1人、みんなが私を笑ってる
みんながみんなそうじゃ無いとは思うけど私の周りではそういう傾向だったように思う
きっと小学生の頃も私が気づいて居なかっただけで色々言われていたんだろうな
気づきたくなかったなぁ
ううん、逆に今気付いて勉強になったのかも
あぁ、でもここでは私って生き辛いのね
夜、私は体操着を持ちながら寮にある洗濯機の前にいた
何だこれ、チョークの粉?
落ちにくそう……やったの誰だよ
その時女子2人が廊下を通るのを私は見た
「でさぁ遠藤さんね、美穂ちゃん達が……」
「あ、遠藤さん」
「部屋で言うわ行こっ」
「うん」
あーめんどくさい
男子だったらこんな感じにならなかっただろうなぁ
広樹、りおと、唯
みんなに会いたいなぁ
よし、掃除も洗濯も済ませたし午後からはのんびり出来るなぁ
みんな今頃何してるかな
唯と広樹は携帯持ってないしりおとは塾と部活で忙しそうだから全然話せて無いな
不安になる
話さなくなって、会わなくなって、あっちにも私の居場所が無くなるんじゃ無いだろうか
それは流石に無理かも
こっちの世界だけでいっぱいいっぱい
月曜日なんて来なければ良いのに
その時放送が入った
ピンポンパンポン
「605号室、遠藤さん、至急玄関まで来てください」
……っと、何だ?荷物かな?
そう思い私は急いで部屋を出て階段を駆け下りる
階段のそばで女子が話しているのを見かけた
「あの男の子かっこいいね」
「誰かの家族かな?」
そんな言葉を無視して玄関へ行くとそこには唯が居た
「るな、久しぶり」
「唯!?えっ……何でここに」
「りおとのお兄さんが免許取ったからさ頼んで連れてきてもらった」
「車でもすっごく遠かったでしょ……ていうか連絡してよね!出掛けてたらどうすんの」
「驚かせようと思ったんだよ、お前の性格的に日曜は午前で用事済ませそうだし」
「流石分かってらっしゃる……」
「それに実はさっきりおとが電話したぞ?出なかったろ」
「え、そうなの?気づかなかった、てか驚かすんじゃなかったの?」
「そのつもりだったけど建物の前来た時点で女子寮の空気感にみんなびびってさ」
「あぁ……分かるかも」
「お前を呼びに行くのも誰が行くか揉めてじゃんけんしたわ……」
「それはご愁傷様です」
「外にりおとと広樹もいるからファミレスでも行って話そうぜ、あ時間ある?」
「うん大丈夫!靴履き替えてくるね!」
その会話を見てたあきちゃんとあきちゃんの友達は
「……何あれ!遠藤の彼氏!?」
「えー?無いでしょ、あんなサル顔で色気も何も無い人に彼氏とか、兄妹じゃ無い?」
「いやいやもっかいちゃんと見てみ?似てなさすぎ!」
そう言ってあきちゃんの友達はあきちゃんを連れて一緒に外に行き確かめる
「何あれ……?」
「ちょっとあき!あれなく無い!?男の子ばっかりどういう関係!?」
「あきはあのセンター分けの子が良いなー」
「そうじゃなくて!!あのイケメンたち誰かって事!寮まで尋ねるわ、1人年上いるわ」
あきはカメラを起動しパシャっとるな達を撮る
「……あき何してんの?」
「美穂ちゃんにLINEで送る、あのプライドの高い美穂ちゃんだよ、遠藤が男子はべらせてるって知ったら絶対きーってなるよ、超楽しみ」
「あきタチ悪いなー」
「沙耶だって楽しみでしょ?」
次の日
昨日は楽しかったなー
3時間くらいずっと喋ってたし
唯背伸びたな、広樹を抜かしてた
りおとの癖っ毛も相変わらずだし
1人じゃ無いって分かったからもうすこし頑張れる
そう思い教室の扉を開ける
教室に入る
すぐには変わらないよね、でも、頑張ろう
そう思い机に荷物を置くと美穂ちゃんが話しかけてきた
「ねぇ、昨日会いに来てた人たちって誰?」
「……小学校の友達だよ」
「るなちゃんの地元って凄い遠いじゃん、わざわざ会いにきたって言うの?」
「うん」
「高校生ぽい人もそう?」
「うん……」
何で知ってるんだろう
誰かが言ったのかな
それにしても話しかけてくれたのって3週間ぶりくらいじゃない?
なんかちょっと嬉し……
そう思っていると美穂ちゃんから予想外な言葉が返ってきた
「サイテー」
「え?」
私が聞くも美穂ちゃんは他の子達のところへ行ってしまった
私なんかまずい事言った……?
意味がわからないんだけど……
休み時間美穂とあきが中庭にいるのを偶然私は見てしまった
「ただの友達がさぁ、こんな遠い所まで子供だけで会いに来るわけ無いじゃん、しらばっくれてむかつく」
「どこで知り合ったんだろうねー、人って見かけによらないわぁ、てか何してんの?美穂ちゃん」
「これ?前、SNSで見たアプリ……そんなに男が好きならもっと寄ってくるようにしてやろうと思って」