新しい小説書きます。
(沈丁花を捨てるわけではありません。)
残酷な描写が含まれるかもしれません。サイトポリシーは遵守しますが、苦手な方は見ないことをオススメします。
毎度のことながら百合要素があります。苦手な方は見ないことをオススメします。
では、ごゆっくり終末をお楽しみください。
世界はほぼ滅亡しました。
何をもって滅亡とするかは怪しいところですが、そうですね、具体的に言えば核戦争が起こって地球がピンチ、というところでしょうか。炎に包まれてますね。数百年前の漫画でそんなのがあったような気がします。
────まさか実際に起こるとは、夢にも思わなかったでしょうが。
さて、前置きは良いでしょう。ともかく、地球人口の90%がいなくなりました。ゾンビウイルス流行りそうですがそんなものはありません。
さて────生き残っている人々は、どうしているでしょう?
答えです。
「あっちだ!追え、追え!!」「どこのどいつだ、俺らの食料盗みやがって!」「女だ!捕らえろおおお!」
······ええ。
協力して生きているようですが、協力する方向が違います。これでは当然、人口は減っていきます。
────二年、三年経ちました。
静かです。······ここに、真の平和が訪れました。
平和。
なら、人はいるのでしょうか?
どこかには居そうです。ですが、戦争に巻き込まれた場所はほとんどが汚染され、無関係だった国も荒廃してしまいました。スイスですら例外ではありません。
······人類が居ないことを世界の滅亡とするならば、ひょっとしたら、滅亡しているかもしれませんね。
さて、ここは日本という国、があった島です。
戦争の時、富士山に核ミサイルが直撃したらしいですよ。
まあ、当然瞬く間に大混乱。
静かです。
────いいえ。誰か、居ます。
「······うーん、凄い!富士山抉れてますねぇ!」
カメラを持った、少女と言っても良いような女性です。何だか、とても楽しそうですね。少し声をかけてみましょうか?
────あぁ、そうでした。私は干渉できないのでしたね。それはともかく。折角人を見付けたのですから、少し観察でもしてみましょうか。
その女性は今度はスマホを操作し始めました。何をするつもりなのでしょうか?もう人類は世界にほぼ残されていません。なのに、こんな所で一体何をしているのでしょうか?
「よいしょ。凄い写真が撮れました!さぁ、他の皆さんはどうでしょうかね!?」
本当に何、でしょうか。
どうやら、まだ人類は居るみたいです。······少し探してみましょう。
アメリカの、シカゴです。
まあ完全に崩壊してますね。どうやら真っ先に無法地帯になったみたいです。
恐らく人は居ないで────居ました。
「えっと、シカゴ大学って、確かここだったような······あ、それっぽい痕が。じゃあ、あれもあるかな·········あった」
日本にいたあの人より幼い少女です。······その少女が持っているのは、時計のオブジェ───『終末時計』でした。
なんとなく、この後にやることはわかります。
「えっと、カメラここで······はい、世界、終末しましたね」
針は午前零時。
空を、ただひたすら真っ黒い雲が覆っていました。
どこかの国で。
「············」
双眼鏡で遠くを眺めている少女がいました。彼女の周囲には、ちょうど身を隠せそうな岩がたくさん。そして彼女も、そのうち一つの岩に半ば体を預けていました。
空は相変わらずどんよりとしています。核戦争で、地球の気候も大分変化してしまいました。
と、彼女はおもむろにスマホを取り出しました。そして誰かに電話をかけます。
これでこの世界にまだそこそこ人がいるということは確定しました。さしずめ、転んでもただでは起きないということでしょうか。でも実質、転んで顔面を打った先が針山なくらいのダメージですが、ここからどうするのでしょう。
「シャーリー、良さそうな場所を見つけたよ。放置された基地みたいのもある」
彼女は電話の相手······シャーリーと言うのですか。に報告をしています。どことなく嬉しげな表情です。
電話を盗み聞きするのはマナーが悪いのでしませんが、そのシャーリーとやらはどことなくほっとしてるような気がします。
「うん?了解、遠い国の皆はもう出発してるんだね。私はしばらくこの辺りを掃討しておくよ」
ぷち。
とっても軽く電話が切られました。
────それにしても。
どうやら、面白くなりそうです。しばらくは、ここに根を下ろすとしましょうか。
無期限更新停止します。
読者居ないので意味は無いですが。
更新再開
9:水色瞳◆hJgorQc:2020/08/01(土) 19:39 イギリス。
かつて世界の盟主とまで言われたこの国も、例外なく。瓦礫の下に埋まっています。
その中で、一際大きい瓦礫────形をまだ留めている瓦礫の上に、少女が腰掛けていました。その瓦礫の元の名前はビッグ・ベンというのですが、それは置いておいて。そこに、座っている少女が問題なのです。
彼女は年に見合わず軍人だったのでしょうか、どこを見ているか分からない眼光は鋭く、そして太陽の淡すぎる光に照らされて、輝く服は────軍服です。なんだか、とても、似合っています。
しばらく彼女を見ていると、おおよそ30分に一回電話を受けているようです。それも、ラグがたまにあることから────おそらく、世界中にいる、生き残りから。
そうして彼女は時には喜び、時には安堵し、険しい顔で命令を出します。しかし────かなり手一杯になっていることから、軍人としての能力はあまり無いのでしょう。
でも、それでも彼女の元に沢山の連絡がやって来ます。それは、信頼の証でしょう。
「エルフューリ、データは回収出来たか?······うん、うん、了解。そろそろ私達も行こうか?なるほど、もう先に測量したのか······え、皆有能過ぎないか?············え?いや、えっと、何言ってるの、私は······こほん。わかった、そろそろ出発する。じゃあ」
軍人らしい口調に、年相応の少女の感情か浮かび上がります。電話を切った後、誰も居ないのに彼女は赤くなった顔を隠すようにして、しばらく膝に埋めます。
ですが、先程の電話でもあったように、もうここを後にしなければならないようです。
んーっ、と体を伸ばし、横倒しの時計台から飛び降りて辺りを見回し────そこでこちらに向かってくる男を発見しました。
その手には有刺鉄線が巻かれた棒。つまりは、殺意です。
それも、極限状態の時に現れる、鬼気迫ったような。そこで少女が現れたとなれば、もう儲けものです。さっさと始末して、食料(······肉)を手に入れようと、向かってきます。
少女はどうするのでしょうか。
簡単です。軍服のホルスターからデザートイーグルを取り出し(昔より一回り小さくなったことで、今の時代でも人気の拳銃です)、────
「済まんな」
脳味噌が舞いました。
何処かの国″だった″場所。
その岩だらけの荒れ地に、続々と人の気配がやって来ます。そのほぼすべてが、二十歳以下の女性────少女。
その中には、明らかに雰囲気の違う者もかなり居ます。
例えば白衣を着ている少女。それとややラフな格好の少女。彼女らはどちらも細身で、外見はどこにでも居そうですが────方や世界的科学者、方や情報処理の天才と言われていると後に知りました。
そうでなくとも、人は続々とやって来ます。
日本で噴火し完全崩壊した富士山を撮っていた、この中では年長らしい女性。アメリカで終末時計を撮っていた少女、何故かまだ長い針を持っています。
そして、それらを見渡すと────軽く、百人を超えています。高いところから見たら、その岩の周りに集まる姿はまるで黒砂糖に群がるアリのようだ、と思うかも知れません。
でも、この後はどうするのでしょうか?
そう思っていたら、ある少女、先程ここで双眼鏡で周囲を観察していた少女が岩の上に登りました。一回滑ったのはご愛敬です。大事には至らなかったのですから。
「え······えっと、今シャーリーから連絡あったんだけど、内政担当と基地探索するグループに分かれてだって。えっと今······厳しい子は休んでていいよ。何人動ける?」彼女は周りに伝わるように、大声で言いました。
ちらほらと、立ち上がる影がいました。
彼女達も疲弊していますが、自己判断能力は高いということ······でしょうか。
その中で身体能力が高い者を選んで基地の探索です。中にはひょっとしたら猛獣や、世紀末ヒャッハーが居るかも知れないのです。
念のため、6人の探索組にはリボルバー、足りない分はミニボウガンが手渡されます(ミニボウガンと言っても、数百年前よりも弾薬の関係で威力と弾速は桁違いです)。
そして残り全員は、岩があまり無い場所に移動します。
「一応ここの足場は硬い土だから、なんとかほじくりかえせば使えると思うよ」科学者ちゃんが言います。
「放射線大丈夫?」集団の中から質問が飛びました。
「もともとここは荒れてたんだろうね······放射線に見向きもされてないよ」
「力仕事無理なんだけど······」
「仕方ないよ······優しい男の人は皆損したんだから······」ある少女が遠い目をしました。
「機械が手に入るまでの辛抱かな······ここのみーんな、結構すごいし」
そう言った科学者ちゃんに対して、
『······』
その最たる物は貴女だ、という視線が集中しました。